マガジンのカバー画像

【時間旅行シリーズ〜日本文学をうたう。〜」

13
日本の偉大な詩人・小説家の方々の《言葉の芸術》を私なりの解釈で音とイラストで映像にしています。【中原中也・萩原朔太郎・室生犀星・芥川龍之介・林芙美子…】
運営しているクリエイター

#室生犀星

再生

室生犀星「愛あるところに」/遥奈

◆時間旅行シリーズ◆  室生犀星さんの詩「愛あるところに」を、私なりの解釈で音楽と映像にしました。  この詩が収録された詩集「愛の詩集」は、はじめて犀星さんが出版した詩集でした。  犀星さんは、生まれてすぐ金沢の雨宝院というお寺に引き取られました。 住職であるお義父様は、香りの高いお茶をたてては、よく犀星さんを部屋へ呼んでくれたそうです。 そして、そのお茶やお義父様の優しさや、深い愛が、詩をつくる犀星さんをいつも励ましてくれたそうです。  しかし、残念ながらお義父様は、この記念すべき第一冊めの詩集が出版される前に病気で亡くなってしまいました。 室生犀星さんはそれをとても悔やんだそうです。(この「愛の詩集」の中でも何度も語られています)  この「愛あるところに」という詩には、出版までの室生犀星さんの多くの苦労や苦悩、そして出逢ったすべての人や出来事から、 犀星さん自身がたどり着いた、犀星さんだけの『真実の生き方』が見えてくるような気がしました。  ボロボロになった新約聖書や、 出逢った素晴らしい仲間たち。 清く生きる事を心から望み、選んだ道にはどんな瞬間にも愛が溢れていた事を、 お義父様へ伝えているのではないかなと思いました。

再生

室生犀星「供物」/遥奈

◆時間旅行シリーズ◆  室生犀星さんの詩「供物」を、私なりの解釈で音楽と映像にしました。  室生犀星さんの一番の親友であった、萩原朔太郎さんが亡くなり、捧げた詩だそうです。  室生犀星さんは面倒見がよく、萩原朔太郎さんの世話をよく焼いていました。  芸術家同士、違う作風のそれぞれの道を歩んでいても、お互いの一番の理解者であった事、  「大切な人がいなくなってしまった事」 「命がなくなってしまった事」  その時、こころが感じた純粋なさみしさが、この短い詩の中には愛と共につまっているのではないでしょうか。

再生

室生犀星「小景異情 その二」/遥奈

◆時間旅行シリーズ◆ 室生犀星さんの「小景異情 その二」を私なりの解釈で音楽と映像にしました。  室生犀星さんは金沢氏に生まれ、すぐに雨宝院というお寺の養子に出されました。それは「妾の子ども」という理由からでした。そのため、陰口を叩かれたりいじめにあう事もあったそうです。 しかし犀星さんには詩や文学がありました。  21歳で上京を果たしますが、貧しい生活から故郷へ戻っては上京するという放浪を繰り返していました。 しかし故郷へ戻っても受け入れてもらえる事はなく、改めて故郷から都会へと向かう時に、この詩は書かれたそうです。  そして、面倒見がよく愛が深い犀星さんには、萩原朔太郎さんをはじめ、北原白秋さん、芥川龍之介さん、その他にも多くの文士の仲間と出逢いました。   「二度と帰るまい」と故郷を離れた時には、人生の向かい風だったのでしょうけれど、心の中にこそ本当のふるさとがある事を信じた犀星さんは、その向かい風を追い風に変える事ができたのだと思います。 悲しみだけでは終わらない、決意の風をこの詩に感じました。 ★この楽曲が収録されたCD「田端文士と私」のお買い求めはこちら↓ https://shinkaikanojo.stores.jp/ このCD「田端文士と私」には、解説ライナーノーツも付いております。よろしければぜひお買い求めください♪