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賢い消費者が、賢いライフスタイルを送れるとは限らない。

消費者的な思想だと、カラオケを2時間分払ったら30分で帰るのはもったいない。2時間しっかり使い切るんだ、という考え方が賢い消費者だろう。

しかし、賢い消費者が、賢いライフスタイルを送れるとは限らない。なんだか内田樹が言いそうなセリフだ。

消費者マインドをライフスタイルに当てはめると、自分の気力とかやる気をできるだけMAXで使い切ってから寝るのが「賢い」ことになる。
まるで携帯の充電をゼロまで使い切るみたいに。

例えば、学生なら会いている日曜日があったら、アルバイトを1日詰めておけば1万円稼げたのに、と思ったり。
社会人なら終業後や土日に、恋人と会ったり旅行に行ったりして、経験値を詰め重ねるほど有意義な時間を送れると信じ込んでしまう。僕もそうやって考えがちなところがある。

しかし、ライフスタイルでは「バーンアウト」という問題が発生するのだ。

仕事や予定を100%詰め込んだ人は、疲れ切って生産性が大きく低下する。
80%ほど予定を入れて、少し余裕がある人が1番効率的に学び、優雅に生活を送れる。

ベストセラー『限りある時間の使い方』でも指摘されているが、ポモドーロテクニックや、時間短縮法など、以下にスピーディーに仕事をこなして、スケジュール管理をするかという問題ではない。

やる事がそもそも多い人は、それだけでパフォーマンスが落ちてしまうのだ。

例えばミーティングなら、なんか上の空だなと思われるし、デートなら疲れていてつまらないことで喧嘩になりやすくなるかもしれない。

短期的には、ライフスタイルでも消費者マインドを発揮する方が賢く見える。

しかし、泥棒すらも超短期的にみたら、働かずにお金を手にできるように。

短期的な合理性が、長期的にも当てはまるわけではない。

疲れ切って、自分がキャパが少ないんじゃないかと自己嫌悪に陥った日に思い出したい。

ところで、育ちや学歴が違う人のことを「この人の考えが分からない」と嘆くのでなく、「自分よりもはるかに短期的な射程で考えた場合には最適解なのではないか」の仮説を立てると理解できる事が多い。

「意味わからない」と携帯を見て叫ぶギャルは頭が悪そうだし、理由を説明できるコンサルタントは頭が良さそうだ。

同様に、「意味が分からない」と誰かに文句を言いたくなったら、時間の射程を変えて考えてみると、意味がわかる問題に変わる。

他の人が「意味が分からない」と非難する現象に、説明をつけられると、人とお金は流れ込む。

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