午前4時の街は、思ったよりも明るかった。

こんにちは。桜小路いをりです。

最近、眠れない夜が続いていたので、日付が変わった今日の午前4時前に、同じく眠れない母と一緒に散歩に出ました。

しん、と静まった街。

シャッターの降りたお店。

かすかに灯りが漏れているのは、同じく眠れない人が住んでいるのかもしれないマンションの一室。

もしくは、早起きなパン屋さんと、仕出し弁当のお店。
はたまた、眠らない24時間営業のコンビニ。

空気はまだひんやりと寒くて。

人影を見つけるとドキッとしてしまうくらい、道には人気がなくて。

走り抜けていく自転車のチェーンの音が、やけに鮮明に聞こえて。

タクシーの「空車」の文字が、煌々と輝いていて。

私と母が渡らなければ、恐らく誰もその仕事ぶりを見ることはなかったであろう、青信号がキラキラしていて。

街灯も、午後8時に見るそれよりも明るい気がした。

なんだ、午前4時って思ったより明るいじゃん、とちょっと拍子抜けしてしまいました。

限りなく夜に近い暁、というか。

昼間ほど忙しない雰囲気はなくて、どこか時間はゆっくりと流れていくようで、でもそれが止まってはいない。

朝に向けて着々と準備を進めている、そんな街が、目の前にはありました。

「あ、そういえば、もう『今日』だから、東日本大震災の日だ」
「時差はどのくらいだっけ。今も、戦争をしているのだろうか」

そんな想いも夜空の深い色に溶けてしまいそうで、なんだか心の奥が冷たくなるような気がして。

忘れちゃいけない、と自分に言い聞かせたことを、たぶん、これから先ずっと、思い出すんだろうな。


今回お借りした見出し画像は、街灯の写真です。説明の欄を見て初めて、雪が降っていることに気がつきました。どこか寂しげな雰囲気に惹きつけられ、あえて、そのまま選ばせていただきました。「なごり雪」のイメージで、使わせていただきます。


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