紫陽花が、好き。
こんにちは。桜小路いをりです。
最近、私の家の近くの公園に紫陽花が咲き始めています。
いつもは緑が生い茂っているだけで見向きもしない場所に、急に紫陽花が咲いて、「あっ、紫陽花だったんだ」と気づいて。
そんなことを、なんだか毎年繰り返している気がします。しかも、すごく小さいときから。
さっきは、花びら(実は「がく」だそうですが)の先が少しだけピンクに染まっている淡い水色の紫陽花を見つけました。
もう満開に近いくらい咲いているものもあって、またひとつ、お散歩の楽しみが増えました。嬉しい。
私は、紫陽花が好きです。
梅雨の時期に、雨に濡れて咲いている紫陽花も。
雨上がりに、水晶みたいな雫をつけて咲いている紫陽花も。
晴れの日や曇りの日に咲いている紫陽花も、みんな好き。
たぶん、あの色彩が好きなのだと思います。
深い青から、淡い水色。
濃い紫から、藤色。
濃いピンクから、淡いピンク。
時には、白い紫陽花を見つけることも。
紫陽花にしかない、しっとりとしていて華やかな、まるで水彩絵の具で塗ったようなあの色彩が、大好きです。
今の時期だと、淡い緑色の紫陽花もあって、それも可愛い。
そして、その道を通るたびに少しずつ水色に染まっていくところを見るのが、ひそかな楽しみだったりします。
紫陽花の色は土のPH度によって変わるそうで、その色の移り変わりの様子から「移り気」「浮気」「無常」という花言葉がつけられたとか。
また、色によっても花言葉が変わって、たとえば白色の紫陽花は「寛容」だそうです。
「浮気」は、ちょっと困っちゃうけど……。
「無常」という花言葉は、なんだか紫陽花にぴったりな気がしています。
色が移り変わっていくから、ということはもちろん、「無常」がもつ、寂しいような儚いような、それでいて絶対的な響きが、特に。
その色彩は透明感があって澄んでいて、雨の中でも凛と咲いていて。
枯れるときは、その形のまま茶色くなっていく。
紫陽花が枯れることを「しがみつく」と言うそうです。
土の環境のままに色彩を変えていって、雨の雫さえ自分のきらめきにして、でも、最後に枯れるときは「しがみつく」。
ちょっと切ないけれど、そんな部分も含めて、なんだか人間らしいお花ではないでしょうか。
だから、私は紫陽花が好きなのかもしれません。
そういえば、紫陽花みたいな青色の傘が欲しいと思っていたところでした。
梅雨が来る前に、新しい傘をお迎えできたらいいな。
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