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優しさとキュンが、あふれる漫画〜『白聖女と黒牧師』〜

こんにちは。桜小路いをりです。

最近、ハマっているマンガがあります。

和武はざのさんの『白聖女と黒牧師』シリーズです。

(実は人生で初めて、こんなに漫画にハマっています。なにぶん、ずっと小説漬けの人生だったので。)

アニメ化のプロモーションPVがYouTubeで流れてきたのをきっかけに、手に取りました。たしか、この動画だった気がします。
牧師のローレンス役を、石川界人さんが担当していらっしゃることも、「気になる!」と思ったきっかけのひとつでした。

可愛くて、だらけグセのある聖女さま・セシリアと、そんな彼女に対して過保護で鈍感な牧師さん・ローレンスの物語です。

セシリアは、ひとりで路頭に迷っていたところをローレンスに助けられ、それからずっとローレンスの教会に居付いています。

天涯孤独だったローレンスは、彼女と共に暮らすことに対して「もう寂しい気持ちで食事しなくていい」というふうに話し、セシリアから向けられる好意に鈍感力(!?)を発揮しながら、和気あいあいと過ごしています。

なかなか自分の好意に気づいてもらえないセシリアと、恋人を通り越して母親のようにセシリアを気にかけるローレンス。

そんなふたりの関係性はもちろん、ふたりを見守る周りの人たちの優しさや、ちょっとしたお節介も温かくて素敵です。

読んでいる最中、セシリアとローレンスの、じれったくて優しくて微笑ましい、付かず離れずの距離感に、終始キュンキュンが止まりませんでした。読んでいてずっとニマニマしてしまうほど。(ちなみに3巻まで読了済みです。まだまだ楽しむ所存。)

セシリアはとにかく健気で一生懸命で、街の人たちに対しては、いつも背筋を伸ばして「聖女」の役目を勤め上げています。
でも、ローレンスの前では基本的にずっとだらけグセを発揮して、ちょっとドジっ子な部分もあって。
なのに、発する言葉の端々には、聖女らしい慈愛や優しさが溢れていて。
すごく魅力的で、何よりとっても可愛らしいヒロインです。

そして、ローレンスもまた、人から向けられる想い(特にセシリアからの好意)にも自分の想いにも鈍感だけれど、とてもとても温かい青年。
セシリアにはもちろん、街の人たちにも優しくて、色んな人に可愛がられていたりしていて。

私は、ローレンスのいちばんの魅力、ひいては本シリーズの魅力って、「セシリアのことを、どこまでも人間として大切にしているところ」だと思います。

「聖女さま」と聞くと、どうしても人智を越えた力や、触れてはいけない静謐で美しい存在、という連想をしてしまいます。

でも、このシリーズの中で描かれている聖女セシリアは、どこを切り取っても人間くさい人物です。

普段がだらっとしていて、幼くて愛らしい雰囲気だからこそ、すっと「聖女」の顔になったときがより一層きれいに、凛と引き立っている気がします。
どうしたって推しにせざるを得ないような、あの感じ。
気づけば、私もローレンスたちと同じ目線で、セシリアを見守ってしまっています。

ローレンスとセシリアの関係性に隠された秘密はもちろん、ふたりを取り巻く人たちとの関係、過去なども見どころ。

ちなみに、主なローレンスとセシリアの見守り役は、次のふたりです。

まずひとりめは、ローレンスの神学校時代の友人・アベル。飄々としていて掴みどころのない、ちょっと苦労性の青年です。

もうひとりはアベルが家庭教師として雇われている家のお嬢さん・ヘーゼリッタ。ある日、急にいなくなったアベルを追いかけてローレンスの教会にやってきた女の子です。
ふたりとも、ローレンスとセシリアの同居生活に交じって、しばらく暮らしています。

このふたりも本当に本当に素敵なキャラクターで、こちらもすごく好き。
ほわっとした物語の雰囲気がきゅっと引き締まって、くすっと笑えるシーンがたくさんあるのは、彼らのおかげな気がします。

ずっと見守っていたくなるセシリアとローレンスの関係性。その周りに溢れる優しさ。

ふたりを取り巻く人、ものの全てが愛おしくなる、素敵な漫画でした。

7月からアニメも始まるということで、ぜひお手に取ってみてください。胸キュンが充電できます。

今回お借りした見出し画像は、すずらんの写真です。個人的に、セシリアのイメージは可憐なすずらんです。花言葉は「幸せの再来」。セシリアの雰囲気にも、この物語にもぴったり。

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