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診断士セミナーの「ハイブリッド開催」を考える(実践編)

こんにちは、三木です。
前回は診断士セミナーの「ハイブリッド開催」についてパターン別にまとめました。

今回は、われわれ企業内診断士の輪を広げる「楽しい」チームの9月・10月研究会で実際に試したハイブリッド開催での気づきなどを書いておこうと思います。

ハイブリッド実験での気づき

まず9月の回。
前回記事での「パターンD=発表用PC+運営用PC+発表者撮影用端末」をベースに、複数人が発表する形で行いました。

[発表用PC]から会場内のプロジェクターに映写、Powerpoint映像のZoom共有は別途[運営用PC]から行い、また[撮影用端末]にはiPadを使ってみようとなりました。

が、まずiPadのマイク起動のしかたがわからないというトラブル。ふだんタブレットでマイク機能を使っていなかったとのことで、事前に確認しとかないといけなかったですね。

代わりのマイクは発表用PC。卓上にPC、その前で発表者は立って話したのですが、意外に音声はしっかりと聞こえていました。
(iPadは演者の顔を映す映像用カメラとして使用。)

Powerpoint映像の「人力同期*」は案の定けっこう大変で、別の作業に手を取られてタイミングがズレたり、スライド変え忘れなどなどやってしまい・・・と。
人力同期はできれば専任担当を設けた方がよさそうです。
*人力同期…発表者のスライド進行に合わせて運営担当者が手動でスライドを進め、それをオンライン参加者に画面共有すること。

それと、会場内参加メンバーも何人かZoomに繋いでダブルで参加していたのですが、マイクのミュートを忘れてハウリングを起こしたり、逆に質疑応答の時にミュートの解除を忘れてオンライン参加者に質問者の声が聞こえない、という問題も発生しました。

また次の発表では、発表者PCから「プロジェクターへの投影」と「Zoom共有」を同時に試してみたところ、プロジェクターにはスライドショー画面、Zoomには発表者ツール画面が出てしまうこともありました。
てっきり同じスライドショー画面が共有されるものと思い込んでて慌てましたが、「プロジェクター」「Zoom」「PCモニター」それぞれの画面でどの映像が出るかは事前にチェックしておくべきですね。

質疑応答ではもう一つ、オンライン参加者の声を会場内に流す方法がないことにも途中で気づきました。
オンラインからの質問はチャットへの書き込みオンリーにして会場内の誰かが代読するという方法ももちろんアリですが、「会議マイクスピーカー」を設置して会場参加者とオンライン参加者が音声通話できる状態にできると、より自然な流れで議論ができそうです。

以上、もろもろ気づいたこと、ポイントを下にまとめます。

会場内での気づき

■Zoom通信用のタブレットやPCがマイク・スピーカー内蔵か事前に確認しておく。

■会場内から複数の端末でZoom接続する場合はマイクのハウリングに注意する。
 ※原則、会場内端末のマイク・スピーカーは1つを除きミュートにする。
  (イヤフォン、指向性のあるヘッドセットマイクの場合は使用可)

■Powerpointスライド人力同期は、他の作業(運営操作など)をやりながらだと難しいので、なるべく人力同期専任の担当を設ける方が良い。
プロジェクター投影とZoom共有を同端末でやれば人力同期は不要になるが、端末の運営的操作とスライド送りを誰(運営担当or発表者)がどう分担するかがネックになる。

■複数演者が話せるように「使いまわせるマイク(要消毒)」または「会議マイク(広範囲収音マイク)」が必要。

■立った発表者が机に置いたPCのマイクで話してもそれなりに収音は問題ない。

■会場内参加者の質問の方法
 A.会議マイク(広範囲収音マイク)がある場合 … 何も使わず話す。
 B.会議マイクがなく参加者がZoom参加もしている場合 … ミュートを解除(スペースキー長押し)して話す。
 C.会議マイクがなく参加者がZoom参加していない場合 … 講師マイクの近くまで行き話す。

オンラインサイドでの気づき

■ipadで発表者の演台全体を映していたので会場の雰囲気を少し味わえた。
 ※会場後方から映した引きの絵や、参加者の顔などが見られると臨場感が増したかも。

■発表者が会場内のホワイトボードに書いた内容を、Zoom上のチャットにも転記するとオンライン参加者用のメモになり良い。

■発表資料(Powerpoint)は画面共有で十分見やすかった。※プロジェクター映像をカメラで撮るのだけだと見えづらい。

■Zoomにログインしていない会場参加者の声が聞こえなかった。


10月の定例会では、前回の気づきからひとつ備品を追加しました。

これはWEBカメラと広範囲収音マイクが合体したもので、「発表者の撮影・音声収録」と「参加者の質問音声収録」の問題をうまくカバーできました。
難を言えば、3,000円程度のエントリーモデルだからか画質と音質がやや弱めに感じました。もし予算があるならより高性能、できればスピーカーも付いているものがおすすめです。

また、10月は「個人ワーク&全員プレゼン」をしていましたが、参加者がワークで手書きした資料をスマホカメラで撮ってプロジェクターとZooomで映す作業が思いのほか大変でした。
オンライン参加者に見えるようにするために、発表資料のデジタル化は必須なので、何かスムーズな方法をこれから考えていきたいです。

セミナーの開催スタイル自体のバリエーションは他にもいくつもあるので、それに適応したハイブリッド開催方法のカスタマイズがつど必要になりそうです。

ハイブリッド開催の今後は・・・

ハイブリッド開催には、リアル参加/オンライン参加を選べるメリットがあるので今後も続くと思いますが、機材や回線料などそれなりに手間と費用がかかるのがネックです。
これからは「リアル開催」「ハイブリッド開催」「オンライン開催」の使い分けがより進んでいくと思います。

たとえば10人程度の小規模の会合はリアル開催に回帰する。
診断士協会・支部の大型イベントや、参加者が全国(or全世界?)にいるような研究会は、ハイブリッド開催が定着するのではないでしょうか。

オンライのみの開催ももちろん残るでしょう。
会場確保など運営の手間が小さく手軽に開催しやすいですし、参加者側にとってはどこでも参加できる大きなメリットがあります。
配信方法にしても、ZoomだけでなくインスタライブやMixChannel(ミクチャ)を使うなんでこともアリかもしれません。

5G回線やVR・ARなど技術の進歩でさらにまた違った開催の形ができるかもしれません。
ハイブリッド開催・WEB開催は、コロナ対策から急速に広がった動きですが、新しいものが生み出される機会としても今後の流れをキャッチしていきたいですね。


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