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中小企業診断士と経営企画職の似ているところ・非なるところ

中小企業診断士と経営企画の仕事には、通じるところがあるとよく言われています。
具体的にはどのあたりがそうなのか、自分の経験&他の経営企画職の方の話などから、似ている点とそうでない点を整理してみました。

※ご参考:経営企画の仕事には、会社の予算と実績・進捗の管理、経営計画の策定、事業の評価・ポートフォリオ検討、新規事業、広報・IR、IPO、M&A、組織体制、人事戦略などがあります。

似ているところ

■網羅的な経営知識

 経営企画が関わる範囲は事業部門から管理部門まで会社全体にわたるため、どの部門の仕事もある程度理解している必要があります。
診断士試験で学んだ網羅的・体系的な経営知識は、それらの理解の助けになっています。

■財務会計・事業計画関連

 具体的な分野の中では「財務会計」や「事業計画」は、経営企画職でも特に関係が深いです。
 たとえば、会社の各事業の予算計画立案や業績管理をするにはP/Lが読めないといけません。
診断士2次試験「事例Ⅳ」でおなじみの、収益性・効率性・生産性の分析なども行います。
B/SやC/Fは主に経理部門の領域ですが、経営企画も資金計画等で関わります。
 また、各事業やグループ会社の事業性の評価、撤退等判断の検討では、診断士業務での経験から考えたりもします。

■課題の発見

 経営企画職は各事業・部門の問題点や課題を見つけるのも役割のひとつです。
 これは言ってみれば「診断」業務。
 各種資料や情報から問題を読み取ることは、両方の仕事に共通していますね。

■新しいトピック

 診断士は研究会やセミナーなどで、ビジネストレンドや新しいツール、事例、研修などのトピックに触れています。
 経営企画の仕事でもアイデアやコメントを求められる場面はあり、診断士活動で収集したネタにちょくちょく助けられています。

非なるところ

■求められる仕事の範囲

 経営企画では事業・部門の問題点や課題を分析し、対策を提案しますが、改善アクションの実施は当該部門が行います。
 プロジェクトに部分的に協力したり、会議にオブザーバーとして参加することもありますが、あくまで主体は各部門です。
 診断士の仕事は、問題指摘・提案だけでなく、成果に結びつけるところまで求められます。
 (契約や依頼内容により診断までの場合もありますが、)顧客である経営者にとっては成果が出ることが重要であり、伴走的な支援までが実際に診断士に期待されることかと思います。

■スケール感の違い

 経営企画部のある会社は、事業内容や業種、成長段階によって異なりますが、ある程度大きな規模があります。
(ChatGPTによると「一般的な目安として、従業員100人以上、売上10億円以上」とのこと)
診断士のクライアントとなる中小企業は、そこまでの規模の会社は少ないため、財務の見方や施策規模・内容も異なり、考え方を切り替える必要があります。

■Excelの使いっぷり

 経営企画は事業業績や財務諸表など多くの数字を扱い、様々な視点から分析するため、Excel(≒スプレッドシート)を多用します。
 基本の四則演算や図表・グラフ化、関数を使ったデータ加工、ピボットテーブルによる分析、パワークエリやマクロでの集計・資料統合など、そこそこ高度なExcelスキルが必要です。
 専用ソフトやシステムを利用する場合もありますが、それらもExcelと共通した機能理解が求められ、Excelは小回りが利くため重宝します。
 診断士業務でもExcelは活躍しますが、ここまで複雑な機能はあまり使用しない気がします。

以上、ざっと思いついたものをまとめました。
診断士も経営企画も、仕事内容はケースバイケースでけっこう変わるので、他にもいろいろありそうです。
「何の仕事をしているのかよくわからない」と言われがち、という共通点もありますが、そこはこういう記事の発信などで、解消していけたらいいですね。

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