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水を編む人々

昨年(2021年)、金沢市民芸術村のレジデントアーティストに就任することになった。金沢市民芸術村というのは、21世紀美術館などを運営する金沢芸術創造財団の文化施設のことで、同施設内にドラマとミュージックとアート三つの工房が在る。そのミュージック工房へ東京から通いながら、創作活動を行っている。

かつての紡績工場をリノベーションした建物からは管楽器やバンドの演奏が聴こえ、辺りを見れば市民が造作した彫刻物が愉快に並ぶ。広大な芝生公園と共に開放された芸術村の在り方は、まさに金沢の高い文化度を物語っているようだ。

金沢市民芸術村

金沢市は長いあいだ戦火や大震災を免れてきた幸い、綿々と続く日本の原風景が街に溶け込み、豊かな文化を醸成してきた背景がある。戦前は日本海を渡る大陸への玄関として、国内外を結ぶ交流の地でもあった。虚しく破壊が行れる21世紀の世界において、いまいちど「残す」意味を見つめ直したい。

レジデントアーティスト期間に作曲するタイトルを「水を編む人々」とした。
ギター、バイオリン、コントラバス、ピアノの編成で、金沢を舞台とした人々の情緒を描く。土台は書いてある。器楽曲であるぶん曲想を広くイメージできると思う。最終的には数曲をまとめて、一連の曲集に仕上げるつもりだ。初演予定は今年6月、金沢市民芸術村水上ステージにて。

【平原慎士/ Shinji Hirabaru】
ミュージシャン、プロデューサー、作曲家(Musician/Producer, Tokyo)
2022年度金沢市民芸術村レジデントアーティスト
UnlikeSoundProduction代表 

UnLike Sound Productionホームページ:
http://unlikesound.com

Youtube:
https://youtube.com/channel/UCg_Kb7o6eRcxr2X1MB3WtSg

note:
https://note.com/shinjihirabaru

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