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十月のひと

1
曇り空に飛ぶ鳥の名前は知らない
歩くひとは
読むひとでもあり
待つひとは
考えるひとになる

いくつもの町を渡っていく
ひとは鳥にもなる
種が地面に落ちてからはじまる謎
異国の花を咲かせて
居ないひとの声に耳をすませる鳥になる
だれもがひとりだ

だれもが
それでも
待つことができる
きみを待つ
鳥の影になって
きみを待つことができる


2
重力を感じているきみの秋に
うごきまわっているぼくが急接近して
気がついたらランチのテーブルに並んでいる
お酒と秋の蕎麦と鴨
忙しい時間をこじあけて
魔法の食卓
しばらくすると
きみは重力からだいぶ自由になっている
旅の話
もっと聞かせてもらおう

きみが見た世界
きみが感じた季節
きみが受け止めた重力
ぼくも感じていたい
秋のなかに
ぼくも入っていこう 

」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

◎国立ランブリング「創作ノオト」

十月も終わってしまいます。
あわただしい日々に、せき立てられるようにして。
いつのまにか、秋も深まった。
国立からいろんな町に旅をして、またこの町に帰ってくる。
そんなぼくたちの十月の詩二篇を、ここに置いておこう。

くにたちハッピースポット
http://ameblo.jp/kunitachihappyspot/entry-12214849162.html

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