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小山伸二
2019年3月10日 17:53
大型クレーンが乾燥した冬に立ちならぶ国立競技場建設現場編集者は夢中になってシャッターを切っていた会議室のベランダ百年の出版社ぼくは作家の亡霊を眺めている暗い会議室いまも中上健二が大きな背中を丸めて小さな文字を書きなぐっている半島からやってきた物語大団円を殺せ、と呟いたのだったかつよい酒をあおって岬から船を漕ぎ出したおおきな翼をつけてゆっくりと海を打ちすえてこ