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ブランドに”理念”って必要?

さて、今回は、ブランドの「理念」について解説いたします。

「理念」なんて聴くと、『そんな青臭い』と笑ってしまう人もいるかもしれませんが、

理念をもたないブランドは長続きしないうえ、

多くの場合において、

「作りたいものを作っているだけ」という自己満足に陥ってしまう

のではないかと、私は考えます。


今回は、理念の必要性が分かるだけでなく、

理念の作り方、自分のブランドが進むべき道、使命感や社会との関わり方、等が

明確になると思いますので、ぜひ、最後まで目を通していただけますと幸いです。


「理念」とは


この記事を読んでいる方の中には、

ブランドとして活動されている人もいらっしゃると思いますが

「理念」を持っていますでしょうか?


MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)も、同じような意味で使われておりますが、

「理念」は、特にこれといったテンプレートのようなものは存在しません。


因みに、私は自身のブランドというか、自身が事業を続けていく上で、

活動の源泉となっている理念があります。


それは、

「ちょっとした幸せを提供する」

です。


『ワクワク・こだわり・感動・シェア・努力・美しい・ありがとう』


そんな「ちょっとした幸せ」が、私たちの身の回りにはたくさんありますが、

忙しい現代人は、気づかないことが多いのではないでしょうか。


私の事業を通じて、「ちょっとした幸せ」を提供し続けることで、

『小さな幸せとなって伝染し、社会全体が幸せで豊かになればいいな』という

願いも込めて掲げました。


このように、「理念」とは、

「自分たちがどのような目的を持ち、どのような価値観や信念に基づいて活動するか」

を示すものです。


もう少し分かりやすくすると、

何のためにブランドをやるのか、ブランドを続ける先に何があるのか、

そして、どんな価値感をもって活動するのか、

などを言語化するということです。


なぜ、「理念」が必要か


では、このような理念がなぜ必要なのか?

その理由は以下の3つです。

・モチベーションを高める
・判断基準になる
・コミュニケーションのベースになる

さらに詳しく解説していきます。



モチベーションを高める


1つ目は、「モチベーションを高める」という目的があります。


私たちは、単なる労働を行うよりも、

正しいと思える理念を持って働く方がモチベーションが高まります。


自分がなんのために働くのか、自分のビジネスが誰の幸せや豊かさに繋がるのか、

その目的を明確にすることで、働く意欲や力を引き出すことに繋がります。



判断基準になる


2つ目は、何か意思決定をする際の「判断基準になる」ということです。


私たちが活動する中では、たくさんの判断が求められます。

意思決定をする際に、理念や想い、あるいは価値感が明確になっていれば、

判断に迷う事が少なくなります。



コミュニケーションのベースになる


3つ目は、「コミュニケーションのベースとして役立つ」ということです。


理念を公にし、伝えていくことで、ブランドを理解してもらうことにつながります。

理念を伝えていくことで、最も大切なことは、

理念が「文化」として根付いていくことではないでしょうか。


たとえ、ブランドを1人で運営していても、お客さまがいて、

お客さま以外にも、地域の方たちや、仕入れ先等、関わる人がたくさんいます。


理念を公にすることで、少しでも共感していただけるようになり、

円滑なコミュニケーションが取れるようになります。


「理念」の作り方


では、「理念」はどのように作るのか。

結論から申し上げると、そのようなテンプレートはありません。

ですが、大きくわけて以下の「5つの型」と「MVV」があります。

・存在意義を示したもの
・今後の活動方針を定義したの
・ブランドの行動規範や規律のような役目を果たすもの
・ブランド内部に対して、創業者の考え方を示すもの
・ブランド外に対して、経営者の考え方を示すもの


企業がどの型に当てはまるかも含めて、解説していきます。


存在意義を示したもの


「自身がなぜ、この世に存在しているのか?」

「社会に対して、どのような価値を与えるのか?」

を明文したタイプです。

---トヨタ(自動車メーカー)
「クリーンで安全な商品の提供を使命とし、あらゆる企業活動を通じて、
              住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む」


今後の活動方針を定義したもの


自身が、今後どのような活動を通して、どのような事業を展開していくのかを明文したタイプです。

---ANA(エーエヌエー全日空)
「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で、夢にあふれる未来に貢献します」


ブランドの行動規範や規律のような役目を果たすもの


ブランドを運営していくうえでのルールや、行動規範を徹底させるために活用されるタイプです。

 ---日本ハム株式会社(食品)
「品質・サービスを通して、縁を拡げ、縁あるすべての人々に対する責任を果たす。」


ブランド内部に対して、創業者の考え方を示すもの


どのような企業文化を育てていきたいか、創業者の考え方を示したタイプです。

---株式会社ナイキ(アパレル)
「おかげさまでの心の経営」


ブランド外に対して、経営者の考え方を示すもの


経営者が顧客や取引先などの利害関係者にたいして、どのような態度で臨むのかを明文化したタイプです。

---ライオン株式会社(科学技術)
「われわれは、企業を支えるすべての人々に深く感謝し、
             誠意と相互の信頼をもって共栄をはかる。」


MVVとは


ここまで、5つの型をお話しましたが、最後に「MVV」に少しだけ触れて終わりにします。


「MVV」は、ミッション・ビジョン・バリューの略語であり、

以下の3つを掲げたものになります。

ミッション - 何のために活動をするブランドなのか
 ビジョン - どのような将来像を目指しているの
 バリュー - 使命や目標を実現する上で根幹となる価値基準は何か


例えば、ユニクロから一部抜粋いたしますと

ミッション - 服を変え、常識を変え、世界を変えていく
ビジョン - 独自の企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、
社会との調和ある発展を目指します
バリュー - 個の尊重、会社と個人の成長、正しさへのこだわり

などを掲げています。


また、キリンの場合は

ミッション -  社会における永続的、長期的なキリンの存在意義
ビジョン -  食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる
バリュー - 熱意・誠意・多様性

を掲げています。


大手企業のMVVをご紹介いたしましたが、

理念もMVVも、

表現に企業規模は全く関係ありませんし、もっと自由な表現でも構いません。

大事なのは、誰がみても、その意図や想いが組み取れることです。


もし、自分の理念があったとしたら、

第3者が見ても、その意図が伝わるかどうか、

自分だけじゃなく、広く伝えていける理念となっているかどうか

今一度チェックしてみるといいのではないでしょうか。


また、これからブランドを作られる方は、この記事を参考にしていただき、

自分なりの理念を作ってみて下さい。


まとめ


今回は、理念について解説いたしました。

個人事業でも会社でも、起業する際にもっとも大切なのは、「理念」だと言われています。


理念は、例えるならば、”木の幹”そのものです。

経営者の思いが詰まった理念がなくては、誰も動きません。


それ以前に、理念がなければ、事業の方向性が定まらず、

やはり自己満足に陥ってしまい、うまくいかないのではと考えます。

自分なりの理念をしっかりと持って、ゆるがない木の幹に育てていきましょう。


サロン記事では、「4つのW」でコンセプトを言語化する方法について解説していますので合わせてご覧下さい。


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