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プリロールからジョイントへ

世界では大麻製品の開発がどんどん進んでいる。

次々と新しいものが登場し、売れない商品は次々と淘汰されていく。

カナダの場合、2018年に嗜好大麻の利用が合法化されたが、最近では市場とユーザーの成熟度が増した事により、求められる商品も変わってきているようだ。

合法化当初はとにかく低価格な商品に人気が集まり、低コストで大量生産された商品が人気を博していた。

しかし合法化から4年以上が経過し、大麻に詳しいユーザーも増え、自分の好みを把握しているユーザーも増えてきている。

特に味が良いものや、オーガニック栽培のものなど、商品に対するニーズも細分化してきているが、その中で個人的になかなか品質の向上が見られないと感じる商品がある。

プリロールだ。

Cookiesプリロール (左)、RIFFプリロール (右)

カンナビスの摂取方法は様々で、近年は身体のことを考え、ベポライザーを使う人も増えてきている。

しかし今でも一番好きな方法は定番のジョイントという人も少なくはなく、カナダで私の周りにもジョイントが好きな人はとても多い。

ジョイントを作るためには、カンナビスの他にグラインダーや巻紙が必要になるが、それらの道具を持っていない人や、外出先でカンナビスを購入し使用するなどの時に便利なるのが、すでに巻いた状態で販売されているプリロールである。

しかし個人的な経験から、自分で巻いたジョイントに比べて、販売されているプリロールは風味も効果も劣る事が多い。

また同じ理由からプリロールは買わないというユーザーの話しもよく聞く。

では自分で作ったジョイントと、ディスペンサリーで販売されているプリロールとの違いは一体なんなんだろう?

たくさんのプリロールを購入し、使用し、またそれらを製造する企業とコミュニケーションを繰り返す中で、以下4つの問題点に辿り着いた。

  1. 内容物: ほとんどのプリロール製品には、形の崩れた花穂、トリム、または古くなってしまたっため乾燥フラワーとして販売する事ができない花穂が使用されている

  2. 粉砕加工: 1グラムのプリロールを作るためには98mmのペーパーを使用するのが一般的である(ペーパーも重量に含まれる)。その巻かれたペーパーの中で量の調整を行うためには、花穂をほぼ粉状に非常に細かくする必要がある。粉状になった花穂は、急速に水分とテルペンを失い、それは風味や効果の劣化に直結する

  3. 粉砕されてからの時間: 最近はプリロール製造の速度も上がり、カナダのディスペンサリーで1ヶ月かけて販売される位の量のプリロールなら、半日ぐらいで製造が可能な事が多い。カンナビスは粉砕された瞬間から水分やテルペンを失い始めるので、できるだけ販売される直前に製造されるのが良いのだが、企業は利益を最大限にするため、一度に大量に製造し、数ヶ月かけて販売するというケースが多くなってきている。

  4. 製造されてからの時間: 製造されたプリロールは、販売されるまで在庫として製造業者の保管庫やディスペンサリーに保管されるが、その間にジョイントの中で粉状になったカンナビスが偏るという事が起こる。プリロールは使用した際に、片側だけが燃えるという事が頻繁に起こるが、これが原因で、全体的に均一に大麻が詰められていれば、火は均等に回るのが普通である。

自分で用意した1グラムの乾燥フラワーと98mmのペーパーを使って作ったジョイントの様なプリロールを作るためにはどうしたら良いのだろう…

会社のメンバーやビジネスパートナーたちとコミュニケーションを繰り返す中で、僕たちがたどり着いた答えは以下の4つで実にシンプルなものだった。

  1. トリムや古い花穂ではなく、自分たちが好きなフラワーを調達し使用する

  2. 大きいサイズの巻紙に対応できる設備を持つ施設で製造することにより、カンナビスを粉状まで粉砕する必要がなくなり、通常のジョイントと同じ様な状態で加工する

  3. 注文に応じて材料を調達し、製造する

  4. 上記3つの理由により、同時に進める事ができるプリロールの製品開発は少ない。そのため一度に受注できる上限を設ける

いまマーケットにあるプリロールを超える、いわゆる"ジョイント"を作り、マーケットに送り出したい。

1グラムプリロールだけではなく、ワックスやオイルを使ったインフューズドプリロールや、0.3グラムのドッグウォーカーなど、世界で始まったばかりの大麻マーケットにある製品は改良の余地が大いに残されていると感じる。


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