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知らない街に帰りたい場所を作る方法 - 富山県滑川市へ訪問@地域ものがたるアンバサダー9月

地域ものがたるアンバサダーの富山アンバサダーに任命頂き、月に1度富山県を訪問しています。4回目の9月度は、富山県滑川市への訪問となりました。みなさん、滑川市のことご存じですか?

とてもざっくり書くと、富山市と魚津市の間にある市で、ベッドタウンであり、とても過ごしやすい街です。名物はホタルイカ!今回はミライノミカタという、滑川の空き家で過ごすプログラムに参加し(募集は終了)、1週間ほど滞在させて頂きました。

※写真はイベントに参加されたカメラマン、荒井基吉さん撮影のものが中心です。素敵な写真ありがとうございました!ヘッダーの写真は、著者の私・相川(左側)と、初代店長・樋口さん(右側)がボードゲーム・itoをプレイしている写真です。

人と会うから、コミュニティーに会うに変えてみる

アンバサダーの旅では、「この街だとこの人に会うと楽しいよ」とレコメンドを頂き、お話を聞くことが旅の主軸になっています。毎回とても楽しいのだけれど、みなさんお忙しい方で、誰か特定の人と会うことが目的の旅は、先方側に負担をかけてしまっているのでは?、と気になっていました。

そのため、「人と会う」から「コミュニティーと会う」旅に転換する企画を実施できれば、どちら側の負担もない「旅の過程で楽しい人にたくさん会える場が出来上がるのでは?」と思っていました。9月度の旅では、そんな企画を実施することを個人目標として訪問しています。考えていた仕組みはこんな感じ。

•月に何回か開かれるカフェ(or バー)。
•そこには日替わり店長がいて、その友達のみが参加できる。
•出来る限り1人で参加する。その場にいる人は全員店長の友達なのだから、全員友達になる場です。
(一緒に来た友達とだけお話するに、したくなかった)

また、滑川で開催するにあたっては、
•滑川に住んでいる人
•近隣(富山市、魚津市、黒部市辺り)に住む人
が、ごちゃっとすると良いな、と思っていました。

これを実現するには、
人が集まって良い場所
人を集め、企画を実現するパワーある店長
が、見つかれば実施できるなと、ぼんやりと考えていました。で、幸運にも開催場所としてボードゲームカフェあんでじ、初代店長として滑川市を拠点に活動するボランティア団体・ばいにゃこ村代表樋口さんと出会え、開催出来た次第です。
(実現までのお話は、下部の番外編を読んでください)

出会いから1週間後に開催。きっと伝説になった第1回滑川ソーシャルカフェ

初回となった滑川ソーシャルカフェは、9/29の18-21時にボードゲームカフェあんでじにて、日替わり店長に樋口さんを迎え、軽食付きボードゲーム遊び放題で実施しました。

開催決定後、樋口さんが一瞬で作ってくれたチラシ。物凄い速度!

大半は樋口さんのお友達で、私のお友達と、あんでじの元々のお客さんが参加し、20代から50代までが入り乱れてとても楽しい場になりました。
樋口さんの声掛けと、ご飯の用意、会場との調整あってこそです。本当にありがとうございます!

あんでじの元々のお客さんが、
「普段会えない人と会えて、物凄い楽しかった!」とお酒を飲み過ぎて潰れていて、本当に楽しかった様子が伝わってきて、とても嬉しかった。

市役所の方からは、
「相川さんがいて出来たコミュニティーですよ。続けていきましょう!」と褒めて頂いた。

20代の若い参加者も、
「次、私も人を誘いたい」
と言ってくれた。そう、そうやって少しコミュニティーの輪郭が広がって行くのだよね。

そして、やや無理矢理お願いした感もありつつも、第二回の日替わり店長(下記写真の左端の土肥薫さん)が決まり、10月度も開催されます。滑川で惜しまれつつも閉店された、とあるお店のカレー復活と共に。

ボードゲームを実施する様子。全員に1度はボードゲームに触れてもらいたいと思い、ライトなゲームを皆んなでやってみました。こちらは、カタカナーシをプレイ中(撮影:荒井基吉さん)。

人と出会える場を自分で作ると、帰って来たい場所が出来上がる

元々は、「人と出会える場を作りたい」と思っていて開催を思いつき、樋口さん、あんでじ店長堀切さんにお願いして開催された今回のイベントは「コミュニティーと会える旅の場所づくり」が狙いでした。この場が継続してくれれば、富山に来る友達に「X日に行くと、滑川ソーシャルカフェやってるから行くと良いよ!」、「相川の友達と言えば、きっと仲良くなれる人がいるから」と言えるようになるんじゃないか、なんて思っていた。

やって見ての感想は、それ以上に「私が帰りたいと思える場所が出来た」ことが大きく、何とか毎月行けないだろうか、と考え始めている。それぐらいあの場は面白く素敵な場所になっていた。

だから、「この街が素敵だな」と思ったら、ハードルは高いけれど、人と出会えるイベントを無理矢理企画してみると良いのではないかと思った。そうすると、この街に帰りたいよね、って場所がきっと出来るはず。そのために必要なのは、想いに共感してくれる場所と人があればいい。見つけるのは難しいかもしれないけれど、絶対にどんな街でも見つかると思うんです。

こちらは会話&お食事卓。各々が楽しめる方法で楽しむカフェとなり、最高に楽しい空間でした(撮影:荒井基吉さん)。


(番外編)滑川ソーシャルカフェが立ち上がるまでの過程

ここからは番外編なので、興味ある人だけ読んで頂ければと。この企画のコアの部分は、毎月のアンバサダー旅の振り返り会と、富山メンバーとの会話から思い付いた企画です(東京で似たイベントを体験していたことも大きい)。同じ富山メンバー池端さんが「アンバサダー企画が終わった後も会える場があると良いですね」の発言から、妄想が広がっていき形となりました。

で、開催にあたって、
•人が自由に歩ける開催場所
(出来れば仲良くなるきっかけを作りやすいところ)
•人を集め、実現まで持っていってくれるパワーのある人
を見つける必要があるな、と感じていました。

本当に幸運な事に、滑川到着初日のたった数時間で見つかる事になります。

滑川に着いた初日は、市役所の方、民の代表として・ばいにゃこ村代表の樋口さんとお食事をする事になっており、樋口さん or 市役所の方にご相談しようと開催前から狙っていました。開催する場所は検討がついていなかったので、良い場所ないかなぁ、と食事会前に滑川を歩いていて見つかったのが、ボードゲームカフェあんでじでした。

あんでじと堀切店長。滞在中4日間も遊びに伺わせて貰いました。

ボードゲームファンとして、「滑川にボードゲームカフェがあるなんて、これは何かの啓示に違いない!」と興奮しつつ入店し、店長代理のヒラタさん、遊びに来ていたお客さんと話をし、「この場でやれたら素敵だよね」と思い軽く打診し、「18時以降なら店長返って来るので、相談できますよ」との事だったので、18時過ぎたら戻って説得しようと心に決めました。人とコミュニケーションを取りながらゲームするボードゲームカフェは、開催するのに最適な場所に違いないと、やるならここで、と思ったんです。

そしてばいにゃこ村・樋口さんとご飯食べながら、「人と出会えるカフェやりたいんですよね」と話をしたら、会話が終わる前時点で「やりましょう!」と言ってくれ、開催の方向に。話が早い出来る人は、本当にありがたい。

日替わり店長が見つかったので、樋口さんと開催場所候補である あんでじさんに向かい、帰ってきていたあんでじ店長の堀切さんに「こういうことやりたいんです!」と熱弁したところ、OKもらい、それどころかその場でゲームをしていたお客さんから「私も参加したいです!」と参加者まで見つかりました。これは、滑川が起こしてくれたマジックだな。

そこからは本当に樋口さんに頼りっぱなしで、気がついたらチラシが出来、直ぐに満員となり、開催時間に伺ったらご飯が用意されていました。そして、メチャクチャ楽しい時間を過ごし、次回開催が決まった感じです。本当にありがとうございました!

(番外編その2)地域にボードゲームカフェがあることは良いことだ

最後まで読んでくれた酔狂な人向けに、この場所で開催をしたいと思った理由をもう一つだけ書いておきます。私は、この街にボードゲームカフェがある事が、物凄い"救いである"と感じ、この街の人にボードゲームの楽しさを感じ欲しいと思い、やるならここで、と思ったからなんです。

私は滑川よりももっと小さな島で育ち、田舎特有の「同調圧力的なもの」に抵抗をして育ったのですね。地方都市に課題があるとすると、コミュニティーの狭さであり、そのコミュニティーの価値観に合わない人は、居場所がないと感じさせられるところだと思っています。まさに私がそう育ちまして。

もし、そういう「居場所がない」と感じる人がいたら、大人と会える場だったり、隣町の人と会える場があると、救われるんじゃないかと思っていて、その場になれる可能性があるのって、ゲームを媒介にした、ボードゲームカフェなんじゃないか、と思ったんです。だから、あの場に来る人にボードゲームを体感し、ゲームを介在させたコミュニケーションが発生すると良いなと思いました。滑川ソーシャルカフェに参加したどなたかが、あんでじのリピーターになり、そこからまた誰かを誘って来てもらい、居場所が必要な誰かにとって助かる場になってくれると良いなぁと、田舎育ちとして思っています(真面目か)。ので、あんでじで開催出来て、本当に良かった。次はあんでじのリピーター探しだ!


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