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池田悠希選手ラストメッセージ

2018年度入部以来、初シーズン開幕戦からから試合出場を果たし、着実に実力を付けてきたCTB 池田悠希選手。通称、池ちゃん。入部4年目となる今シーズンの本格的なチーム始動を前にして、退部しプロラグビー選手として移籍することになった。

先に鶴谷昌隆選手が7月いっぱいで退部することが決まっていたので、チームとしてはまたしても大きな損失になるが、本人がその先の人生をも考えた上での決断であるので、個人の意志を尊重して、鶴谷昌隆選手同様にチームとしてエールと共に送り出したい。

プロ選手として活動することに関しては、2019-2020シーズン終了時から考え続けてきたことだと心の内を明かしてくれた池田選手が、チームへの想いやプロ選手転向への決意と共に記したラストメッセージとなる。

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プロ選手としての活動を考え始めた時期

2019-2020シーズンが終わった頃、プロになりたいという意向を初めてチーム側に相談しました。そう考えたのは、2019ラグビーワールドカップ日本大会がきっかけとなりました。今後の自分の人生やキャリアを考えて、もちろん社員選手として残る選択肢もあったのですが、プロとしてチャレンジしたいという気持ちと同時に引退後のキャリアも考えました。 

引退後に、選手として培ったものを社会に還元していくっていう意味では、残ってNTTコム社員としてやっていくよりも、例えば外に出て先生になったりだとか、何か自分の経験を還元できるようなところで活躍したいという思いがすごく出て来て、「それなら、プロラグビー選手になったほうがいいのではないか」という気持ちに傾きました。

シャイニングアークスでそのままプロ選手としてやっていくという選択肢もあったのですが、他のチームからオファーもいただき、いろいろ考えた末に自分の成長のため移籍を決めました。

残るか移籍するか迷って、結論を出したのは三日前です(※インタビュー取材は、7月16日)。

昨シーズンは、個人的にも納得行くシーズンではなかったですね。
ただそれは、移籍するかどうかの判断には関係なかったです。

プロ選手になるかどうかは、現役の時と引退後の生活と両面で考えて決めました。現役時代に関しては、社員選手であれば当然一日の中で会社業務と両立しなければならないスケジュールになります。でもプロ選手になればいろいろな時間の使い方ができるので、そういうメリットもあると考えました。引退後のところで考えても、自分がより社会に価値をもたらすようなことをしたいという思いがあったので、その両面で考えて至った決断でした。

教員資格を持っていますので、教員になることも引退後の大きな選択肢の一つだとは考えています。ただそれよりも、学生であったり他のアスリートであったり子どもであったりに、ラグビー選手としてあるいはスポーツ選手として自分が経験してきたことを、還元できるような仕事をしたいと思っています。

僕がまだ知らない貢献の形がまだ色々とあると思うので、その選択肢の一つが教員なのかなと自分の中では考えています。ですが一番は、引退後も何らかの形でラグビーと関わっていきたいというところです。 

自分の決めたことなので、不安は無いです。あとは自分次第なので、今悩んでもしようがないですし。

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シャイニングアークスの思い出

入団する前に見学させてもらった時にも感じていたことなんですけど、本当に家族みたいなアットホームなチームやったなと思いますね。だから尚更離れる決断をしたのは、ポジティブではあるんですけど、寂しいですよね、やっぱり。仲良くしてもらっていたので。

チームには、「なんとか会」っていうのが多いんですよ。ポジションで集まったり、出身地だったり、そういう集まりや催しものが多かったし、チームビルディングというか、仲を深める集まりが多かったので、それはやっぱりどれも思い出に残っていますね。

入団して1年目の初めての宮崎合宿は特に印象に残っています。練習はきつかったのですが、最終日にはみんなでバーベキューをして「イェー!」みたいな感じで思いっきり騒ぎました。次の日の朝、合宿を終えて帰る前にパンプアップのメニューがあったんですけど、みんな二日酔いで死にそうになりながら、それでもめっちゃ真剣にやっていて、「あっ、これが社会人の切り替えか!」「こんなんや、社会人って!」みたいな(笑)。切り替えが大事なんやなあって感じましたね。

あとは、ラグビー以外でもいろんなことをやりました。CSR活動もそうですし、いろんなことにチャレンジできたので、それも自分の中ではいい経験だったと思います。

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1年目の緊張から2年目の余裕へ

1年目の開幕戦にリザーブで出場させてもらいました。めちゃくちゃ緊張しましたね。
あんまり緊張しない方なんですけど、やっぱトップリーグの試合で一番緊張したのは、あの試合ですね。2019年のワールドカップを控えて代表になりたいという気持ちもあったし、そこに対してのアピールが始まったと云う緊張感もありました。初めて経験するトップリーグですし、いろんな思いが緊張につながったのかなあと思います。

途中出場だったので、自分の仕事ができたかどうかは疑問です。なにより1年目のシーズンはいっぱいミスして、どちらかと云えばうまくいかないことのほうが多かったシーズンでした。大学よりもプレッシャーがありますし、大学時代はフィジカルにはめちゃくちゃ余裕があったんですけど、やっぱりトップリーグだとそうはいかないので。いろんな所でプレッシャーを受けて結構悩んでましたね、1年目は。

2年目は、1年目よりかなり余裕ができました。パスが特別うまくなったり、体が特別強くなったりはしてないんですけど、試合中の状況判断の余裕とか、自分の中でルーティーンみたいなものが構築されてきたので、それが余裕につながったと思いますね。

そこに至るまでは、コーチ陣だったり小沼さん(小沼健太郎キャリアディレクター)にメンタルを診てもらったりだとか、ほんまにいろんな人からアドバイスを受けて、余裕が生まれたのかなあと思います。

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プロラグビー選手としてのこれからに向けて

直近の目標だと2023年のラグビーワールドカップに出場したいという思いがあります。そのために、まずは新しいチームの戦術を理解していって、チームメイトを理解していって、コーチ陣が求めるものを理解していって、その上で自分の強みをしっかりアピールしたいと思います。その上でまずは試合に出てしっかり活躍して、JAPANの目に留まるように、JAPANが何を求めているのかということも考えながらプレーしていきたいと思います。

ボールキャリーのところは自信を持っていますので、そこをしっかりアピールしたいです。あと自分の課題としてはスキルの精度を上げることとディフェンスの強度を上げて、どちらもコンスタントに発揮し続けることですね。それができるようになれば、JAPANが見えて来るのかなと自分の中では思っています。

プロ選手としては、何か人の心を動かせるような選手になりたいと思っています。自分が2019ラグビーワールドカップ日本大会の試合を観ていて感動しましたし、自分もあの舞台に絶対立ってやる!という活力ももらえました。そういう舞台に立って、人に影響を与えられるような選手になりたいと思っています。

プロ選手になるからには、ラグビーを通じて何か人に影響を与えられるような活動をしていきたいし、それがプロとしての自分の価値だと考えています。今までもCSR活動などもいろいろやってきましたが、アスリートの仕事として、プロラグビー選手になるからには、そういうことは尚更大事にしていきたいところです。

何はともあれ、シャイニングアークスでの3年間、本当にファンの皆さまにもお世話になりました。ありがとうございました!

また、グラウンドで会いましょう。


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