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母がくれたプレゼント

母から娘へのプレゼント



どれくらい前だったか?私が40代の頃?
ちょっと記憶が定かではありませんが・・・まだ母も頭がしっかりしていた頃のことです。

ある日、田舎にいる母親から荷物が届きました。
別に私が送って欲しいと伝えたわけでもなく、届いた段ボールには、田舎から送ってもらわなくても東京で買えるから!
というような日用品ばかりが詰め込まれていました。

遠くに住んでいる娘のために、自分にできる何かをしてあげたいという母の思いです。
母の楽しみの一つだったのでしょうね。
母親にとって娘は娘で変わりなく、いくつになっても可愛いそうです!

その段ボールの中に、白い封筒も入っていました。
あ、これは孫にお小遣いでもくれたのかな?
それとも、私にもお小遣い???
って、ちょっと期待しながら封筒を開けてみたところ、中から手紙のようなものだけが入っていたのです。
な~んだ、違ったか!ははは・・・

それは、ノートを便箋代わりにしてこのように書いてありました。

母がノートを便箋代わりにして書いてくれた健康十訓
母からのプレゼント

写真は母の直筆なので、読めない漢字もあるかもしれませんが、
『健康十訓』というものでした。


『健康十訓』とは?


健康十訓は、江戸時代中期の俳諧師:横井也有(よこい やゆう)が提唱した10の健康指針のことです。
現代と比べると寿命も短かめだった江戸時代に、81歳の生涯だったというので長生きされた方なんです。
そんな長生きをされた方の教えなので、長生きの秘訣とも言えますね。

健康十訓を考える

この健康十訓は、身体的な健康だけでなく、精神的な健康もについても考えられていて、バランスの取れた生活を送るための知恵がたくさん詰まっていると思います。
現代の私達のような忙しい毎日を送っている場合でも、学ぶべき教えであり、価値ある教えですね。


母からのプレゼントの健康十訓を順番に見ていくと・・・

  1.    少肉多菜  肉を少なく野菜を多く

  2.    少塩多酢  塩類を少なく酢を多く

  3.    少糖多果  砂糖を少なく果物を多く

  4.    少食多噛  少なく食べてよく噛む

  5.    少衣多浴  なるべく薄着でよく風呂に入る

  6.    少言多行  おしゃべりを慎んで多くを実行する

  7.    少欲多施  欲望を控え施しを多く

  8.    少憂多眠  くよくよせずよく眠る

  9.    少車多歩  車に乗らずよく歩く

  10.  少憤多笑  あまり怒らずよく笑う

ただ、5. 少衣多浴 について母は、「なるべく薄着でよく風呂に入る」と書いてありますが、これは解釈の仕方もありそうですよね。
「なるべく薄着で陽を浴びる」ようにして健康を保つようにということのようにも思えますね。

いずれにしてもその通りだなと思い、学ぶべきところがたくさんありました。


現代における「健康十訓」の実践


現代のライフスタイルにおいて、健康十訓はさらに重要性を増していると思うのです。
特に、デジタル機器の普及や忙しいスケジュールによって、健康管理がおろそかになりがちです。
現代の日常生活に横井也有の教え「健康十訓」を取り入れる具体的な方法は、こんな感じになるのではないでしょうか。

  1. スケジュール管理を行う
    早寝早起きや適度な運動を実践するためには、毎日のスケジュール管理が重要となります。
    仕事や家庭の予定を調整し、健康的な生活習慣を優先させましょう。

  2. スマートフォンの使用を制限する
    デジタルデトックスを行いましょう。
    寝る前1時間はスマートフォンを使用しないなど、デジタル機器からの距離をおくことで、質の良い睡眠が得られます。

  3. 簡単なエクササイズを習慣化する
    ジムに通う時間が取れなくても、家で簡単なエクササイズを行うことはできますね。
    朝のストレッチや、ウォーキングなどを積極的に取り入れてみましょう。

  4. 栄養バランスを考えた食事をとる
    バランスの取れた食生活を維持することを心がけましょう。
    外食が多い場合でも、栄養価を意識するのとしないのとでは大違いです。
    栄養価を考えるのが難しければ、いろんな色のものを食べるようにするとよいです。
    肉類ばかりだと、茶色一色になっちゃいますからね。
    緑に赤に黄色に・・・と考えていけば、いろんな栄養を取ることができますよ。

  5. マインドフルネスを実践する
    とかく溜まりがちなストレスの管理には、マインドフルネスや瞑想がよいですね。
    日常の中で短時間でも構わないので、意識的に行ってみましょう。
    心の健康を保つことができます。


横井也有とは?


横井也有(よこい やゆう)1702年 - 1783年
江戸時代中期の俳諧師、随筆家として知られる人物です。
彼は、俳諧と随筆を通じて独自の視点とユーモアセンスを持った人でした。

1. 横井也有の生い立ち

横井也有は、本名を横井金谷(よこい かなや)といいます。
1702年に尾張国 名古屋に生まれ。
裕福な商家の長男として生まれた彼は、幼少期から文学や芸術に親しむ環境で育ちました。
若い頃から俳諧に興味を持ち、俳諧師として活動をした人です。

2. 横井也有の俳諧活動

横井也有は、俳諧師として多くの俳句を詠みました。
彼の俳句は、日常の風景や当時の庶民の生活や感情など、日常の何気ない瞬間を独特の視点で捉え、ユーモアや風刺を交えて表現しています。

彼の有名な作品の1つに、「化物の正体見たり枯尾花」というものがあり、「幽霊の正体が実はススキの穂だった」という句です。

3. 代表作『鶉衣』

横井也有の最も有名な作品が、随筆集『鶉衣(うずらごろも)』です。
この作品は、日常生活の中で感じたことや、世間の風習、政治への批判などが描かれています。
『鶉衣』は、日本の随筆文学の中でも高い評価を受けていて、人々に親しまれています。

4. 横井也有の思想と影響

横井也有は、物事を多角的に捉えて、人間の弱さや愚かさをもまるごと包み込む寛容さを持っていました。
また、彼のユーモア感覚は、厳しい社会の中で生きる人々にとって時に癒しとなり、作品が長く愛されている理由でもあります。

松尾芭蕉の影響を受けながらも、独自のスタイルを確立した横井也有。
彼の作品は、後の俳諧師や文学者たちにも大きな影響を与えたようです。

5. 横井也有の晩年

晩年の横井也有は名古屋に戻り、俳諧や随筆に専念し、多くの弟子を育てたました。
1783年、81歳でこの世を去りましたが、彼の作品と思想は今日まで受け継がれています。


母の思いを大事にしたい

母は私にとってかけがえのない母親で、いつも私のことを気にかけてくれてありがたい存在です。
そして、日頃から健康十訓を実践していた母は素晴らしいと思えるし、私は母が大好きです。

母が私に宛てたこの健康十訓は、私の目標をすべきものであり、実践して健康を維持したいと思いました。
以降、私は心がけています。
もちろんできない時もありますがね・・・

私の人生、あと何年健康でやりたいことができるのか?と考えると、少しでも長く人生を楽しめるようにしたいな!いや、そうするべきだな!って思うのです。

物忘れがだいぶ進んできている母は、多分、送ったことすらもう覚えていないかもしれません。
でも、母からの最高のプレゼントとなりました。
母にも長生きをしてもらいたいと思っています。

自分がいつまで健康でいられるかで、自分の人生を楽しめる期間が変わってきます。
今からでも遅くないですよ!
一緒に健康十訓を始めてみませんか?





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