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お酒を飲む理由について 水たまり程度の深みのある話

ある日のこと。晩ご飯のときに弟(19歳)に質問されたのです。

「なんでお酒を飲むの?美味しいものなの?酔うとそんなに気分が良いものなの?」

その質問をされた瞬間、脳内に「?」がいくつも飛び交った。質問のタイミングも唐突だったので少し黙ってしまった。そんなことを聞かれても困る。正直動揺してしまった。気持ちを落ち着かせるために手元の缶ビールを飲み干してしまった。

最初に飲んだお酒は今でもハッキリ覚えている。ウイスキーの「ブラックニッカ」だ。
理由は本当に単純で村上春樹の「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」である。ウイスキーって美味そうだな、じゃあウイスキー飲んでみるか!という。
最寄りのスーパーに行って1番安いウイスキーを買った。高いのを買って、もしも美味しくなかったらショックじゃないですか。
ストレートは流石に怖かったので、オンザロックで飲むことにした。
氷はロックアイスとかそんなシャレたものではなく、製氷機で作った普通の氷。
製氷機の氷をギシギシ詰め込んだコップに少し注いで、氷が溶けるを少し待ったと思う。
氷が徐々に溶けていってウイスキーと混ざり、不思議な模様が出来ていたのを眺めていたはずである。
飲んでみた結果が、これが随分と口に合った。先述のエッセイの影響も大いにあると思うけど、ちょっとビックリするくらい美味しいと思えた。

閑話休題。なんでお酒を飲んでいるのか?というテーマである。
少なくとも「酔っ払うため」ではないと思う。お酒を飲むようになって1年くらいは第一の動機に「酔っ払うため」があった。
今はまず最初に何か楽しいことがあって、そのお供にお酒をという感じ。
例えばスポーツ観戦しながら飲むとか。というかこのパターンが1番多い。
「おつまみ」を食べるための免罪符としても機能している気がする。
全然免罪符になってないけど、味の濃くて脂っこい食べ物を食べる為に体に悪いアルコールを摂取しているんだから、どっちかって言うと開き直りだ。

アルコールは「幸せな時間」のシンボルで、お酒を飲むという行為は儀式なんだと思う。
お酒の入った缶やら瓶を開けた瞬間に儀式が始まって、そこからはアルコールという唯一神のご加護の下に幸せな時間が始まるのだ。
供物は「自身の健康」です。捧げましょう。

あなたにもアルコールのご加護があらんことを。アーメン。

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