夏のボストン 【前編】

17歳の時に友人に誘われて、ボストンのバークリー音楽院が毎年夏に開催している「サマーギターセッション」という一週間のプログラムに参加した。

その当時はまだインターネットがそれほど普及していなかったので準備がなかなか大変だったが、その友人が細かな事務手続き(もちろんすべて英語)を丁寧に教えてくれたのでなんとか無事に申請を終えた。

初めての10時間を超えるフライトになぜかTシャツ・ハーフパンツにサンダルといういで立ちで搭乗。寒くて寒くてブランケットに包まってなんとか経由地のアトランタ空港に降りるも、乗り換えに手間取って全然時間がない。しかも次のフライトのゲートが恐ろしく遠い。二人でギターを担いで走るも間に合う気配はない。

ふと横を見たら空港内に電車が走っていて簡単に遠くのゲートまで移動できるようになっていた。なんとか飛び乗ってボストン行きの便にも間に合い一安心。

しかしボストンに着くと我々の旅行カバンが一向に出てこない。頼りになる友人が空港の受付カウンターからスタッフを呼び出し(奥の方でテレビを見観ていたようで機嫌が悪かった)事情を説明してくれたのだが、どうにもらちがあかない。とにかく荷物はなく、届いたら連絡するとのことだった。

しかたなく外に出ると雨。ボストンは夏でも夜は冷え、雨がその寒さに拍車をかける。タクシーで泊まるはずのバークリーの寮に向かうもなぜか違うところで降ろされてしまい、雨の中を彷徨い、ここでも頼りになる友人が通行人に道を訊いてくれてなんとか寮に到着。

「授業料・宿泊費は先払いなんです」
僕は旅行カバンにほとんどのお金をしまっていたのでもちろん払えない。
なんとか事情を説明して(と言っても疲労し切っていて記憶がないので、きっと頼れる友人が説明してくれたんだと想像します)ここでもなんとか入寮させてもらうことに。

この先どうなるのやら。。(続く)

目指せ書籍化📓✨ いつかライブ会場のグッズ売り場にエッセイ集を平積みにしたいと思います。