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ターニングポイント

先日40歳になった。
やはり40歳というのは大きな節目なのだと思う。

以前もこのエッセイで触れたかもしれないが、村上春樹さんのとある短編に出てくる「35歳を人生の折り返し地点と決める」という話が好きなのだが(主人公が水泳をやっていて、35歳で「人生のターンをする」という考え方を持っている。そして35歳になって人生の後半の1日がスタートするところから物語が始まる)、実際には現代の日本人男性の平均寿命を考えると40歳というのがわかりやすいターニングポイントになるのかもしれない。

折り返してみて感じることは、時間の有限さである。わかってはいたけれど、時間は有限で人生は有限なのだ。ちゃんと過ぎ去って行っているな、という感触が以前よりもはっきりとある。車窓から手を出して風を感じるように。

これはネガティブなことかといえば、全くそんなことはない。むしろ逆で、有限な時間なのだから余計なことは考えずにやりたいことをやろう、というすっきりとした前向きな心持ちになったように思う。つまり「諦観」である。諦め。
いやー無理、いやオレは出来なくていいや、んーいらない、まー仕方ない、あー間に合わないから次。まーさいあくこれだけ出来てれば良しとしよう...

そう考えれば40歳は身軽だ。ふわふわと。
でも向かう先は今までよりも明確に定まっている。


残り40年、走り切ろうなんて性格ではないから、
ゆっくり道端の草花まで楽しみながら過ぎ去っていきたい。


ところで40歳になってまず最初にやったことは、
自室の椅子に深々と腰掛けて、ひとりこの40年間を静かに振り返ることである。この40年、いろいろあった...


もちろん数分後にはしっかり深い眠りについていたことは言うまでもない。ふわふわと夢を見ながら後半の人生をスタートさせた。


目指せ書籍化📓✨ いつかライブ会場のグッズ売り場にエッセイ集を平積みにしたいと思います。