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自分の動力源を知る


社会に対して、自分は何の責任を引き受けるのか



いきなり大きな振りかぶりですが、
自分が属するプロコーチのコミュニティで最近議論しており、
師走の今月に向き合ったテーマです。

皆さんになじみのある言葉では、企業では"ミッションステートメント"として表現されています。個人では、"世界観"と言って良いと思います。

僕の世界観は「変革を伴走する」です。

今回、僕の世界観の動力源や、そこから派生したWant toや能力の輪(ウォーレン・バフェットの使用した言葉)の解像度が大きく上がった経験を、自らのメモをかねて、共有したく書きます


まず、自分が提供する認知科学に基づくコーチングですが、人生のゴールを設定することが鍵と考えます。

コーチングでやっているのは、

・義務感や承認欲求から来るHave toをメタ認知し、それらから解放されたマインドを持つ
・人生通底して現れている、自分ならではのWant toを特定する
・他人よりもパフォーマンスが圧倒的に出る能力を知る

これらを軸に、現在の自分では、例え時間やリソースを全振りしてもできるかどうかわからないが、叶えられたらワクワクするゴールを設定します。

純粋にやりたいゴールだからこそ、いい意味で人の意見を気にせず、常にワクワクして挑戦することができる。子供が好きなおもちゃで遊ぶ時のように、ノンカロリーでずっと没入して取り組めるのです。


世界観とは、そんなコーチングでいうところの、人生のゴールをさらに包摂する上位の概念で、
・自分が社会のために貢献したいこと
・貢献している社会の中での自分の在り方
を表すものです。

自分一人のできることが社会に与える影響は本当に微々たるものです。しかし、ブラジルの蝶の羽ばたきがアメリカの竜巻となる、という比喩でもある、「バタフライ効果」という言葉が示すように、自分の直接の小さな貢献が、他力や波及効果を介して、いつかどこかで大きな社会貢献を起こす、と考えればいいのです。

なかなか周りの近しい人でも世界観全部を理解してくれることはないかもしれません。そのような自分独自の世界観に没入し続けるためには、何らかの動力源(=Source of Energy)を持つことが大事です。

Source of Energy



自分のWant toの上位2つは、

1)冒険
冒険と言っても、アマゾン川を踏破するとか、ヒマラヤ登頂をめざすとかではなく、新しい場所や生活に移るのが大好き。新しい環境が大好きなので、連続的に国や所属する会社を変え、会計士をやめ事業サイドに身を投じ、アメリカ、アジアを経て、今はロンドンに住んでいます。

2)挑戦
4歳上の兄はいろんなことができた子供で、いつも比較されて劣等感を感じているのが子供時代の僕でした。そこから派生して、クラスメートなどの周りと比較しがちな面もありました。しかし、その劣等感をバネに、常に自己を成長させる努力をしていました。周りの人に恵まれ、運も味方しましたが、受験や資格取得、転職、海外挑戦で、成果がでる過程で、新しい環境に飛び込むことや変革が楽しくなってきました。逆に、挑戦が好きだからこそ、止まらず連続して飛び込んでいったのでしょう。


あるコーチ仲間と焼肉を食べながら、能力の輪を特定してもらいました。
僕の能力の輪は「プロセス構築力」。
目標を聞くと、マイルストーンと必要なプロセスやリソース、関係すべきStakeholderが浮かびます。
メモを取らずとも、頭の中で回して、即座に関係者を巻き込み、交渉し、また必要な修正を、たくさんのプロジェクトを同時並行しても行っていました。
経営企画やM&A、組織変革のプロジェクトを、走りながら動かし、日本も海外も、大会社も中小企業にも適用できました。


そして、今日の主題である、Source of Energyですが、最初は兄や周りの人と比較してのコンプレックスだと思っていました。
コンプレックスからの脱却が、自分の成長・変革につながり、さらに人生の充実につなげていけた。変革のタイミングや後押しする思考、思い切り方に解像度が高い。
これを伝えて、気づきを与えることが自分の使命。自分が関われる組織や個人の変革の伴走をする。
こういう整理をしていました。


しかし、今日のコーチ仲間との相互セッションでもらった言葉が、

「今の晋吾さんを見ると、少し違和感感じました。自身の中では、過去・現在・未来は連続しているので、人生で起こった特徴的な事象を、過去のHave toにつなげることは当然かもしれないが、すでに克服している。」

「そもそも動力源はWant to由来のポジティブなエネルギーのほうが力を発揮する。社会の何らかの責任を引き受けるということからも、コンプレックスを動力源にしなくて良いのでは。」

その対話の中、僕の頭の中で、Have to、Want to、(後天的)スキル、(先天的)能力が、繋がりました。

  • Have to: 他者比較
    スキル: 未来志向
    Want to: 冒険
    能力: プロセス構築

  • Want to: 挑戦
    スキル: 達成への欲求
    能力: プロセス修正
    Have to: 人を傷つけることへの恐れ

これらが浮かんだエピソードは省略しますが、この4つは連関し、影響し合うものだということが腹落ちしました。


Source of Energyを、変革の境界線=フロンティア、を越える、というWant to起点に変えたところ、

成功しても、獲得しても、すぐに興味が移り変わってきた。人から薄情に見られるのが怖い(Have to
しかし、興味が移っても、親密になりたい人とはずっとつながりたいと思っており、その繋がり方や表現の仕方が人と違うだけ(Want to
モノについても、自分が持ってなく他人が持っているものを欲しがったが、嫉妬や妬みの感情は強くない。テレビで見て、単純に欲しいものは欲しがったが、執着なくそれほど長続きもしなかった。これは今も変わらない。単に人間関係やモノに対して無頓着なのか。ただ、「隣の芝は青い」と見えて、それを追っかけていただけかも(Want to

兄は奔放に生きており、父母は生計のために仕事に忙しかったので、次男坊の僕は、家族に気に入られるように、自分の欲を抑え、バランスを取る役目だったように思います。(Have to
でも、無邪気に自分の意見を言いたい、そんな気の置けない関係を友人と築きたいと思っている。(Want to
思ったことをそのまま口に出し、言わないほうが不親切で不誠実と思い、良かれと自分の発した言葉で、知らず知らずに人を傷つけたはずのことが数多くあった(Have to
だからこそ自分の意見をぶつけ、人と意見が違っても受け入れられる海外での生活が心地よいと感じており、海外生活を続けている(Want to

Have to視点がWant to視点に変わり、それによりEnergyの質が変わったことを実感できた。


今の社会的ポジション、家族構成、人間関係とか、住む場所とかは、主体的であれ、受動的であれ、Want toやスキルから人は決める。
Want toやスキルは、思考や人間関係、成功やショッキングな経験から生まれた動力源に影響を受ける。

自分のSource of Energyを正しく認知しよう。そうすれば、何の社会貢献を快く引き受けられるか、社会的地位や家族構成、住む場所をどうするか。それらを自分の意思で決め続けることができる。

そんなことに思いを馳せ、2023年を迎えられる今を有難いと思います。

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