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名前に関係なく、よい人生を

こんにちは。田島です。

僕は今、仕事で小学生の子どもたちを相手にしています。

子どもたちを呼ぶとき、咄嗟だと自分の娘の名前を呼びそうになります。
先生を「お母さん」と呼んでしまうのと同じ症状です。
(先生をお母さんと呼ぶ、ってあるあるがあるけど本当にあるんですかね)

毎日、幾度も声にしている娘の名前ですが、
今回は僕と妻が娘の名前をつける時の話です。

憧れていた呼び名

サッカーがお好きな方はご存じかもしれませんが、
J1ガンバ大阪所属の宇佐美選手の長女さん、すみれちゃんといいます。
奥様も美人さんですが、インスタで娘さんのかわいい表情が見れます。

そのすみれちゃんは、「すーちゃん」と呼ばれているそうです。
すーちゃん、すーちゃん、あ、すーちゃんて響き優勝だなと思ったんです。

かわいさしか感じない響きの虜になった僕たち夫婦は
「す」から始まる女の子の名前をリストアップし始めました。



ところが、なんと全然浮かばないんです。

私たち夫婦は大変に困惑、そして落胆しました。
「すみれ」か「すず」で打ち止めだったんです。

「すみれ」はもちろんドラフト1位候補だったんですが
他球団(親戚)と競合していたので指名(名付け)は避けるのがセオリーでした。

「すず」は広瀬すず、千葉すず、うーんひらがなでいいだろうか。
鈴、寿々、うーんどうだろう、すず、すーちゃん。

シンプルで誰からも呼ばれるように

すーちゃんという響きに出会う前、僕たちは太郎や花子といったレベルの
誰にもわかりやすく、誰もが呼びやすい名前にしたいと思っていました。

周囲の人に認識されるべき名前がもし、わかりにくいものだったら
認識されること、呼んでもらうことに自らハードルを設けることになる。

あの子の名前なんだっけ?とは思われたくなかったんですね。
学校の先生にも、名簿で初見で読んで(呼んで)もらえるような。

加えて、特段わが家は海外志向は無いのですが
もし娘が将来海外に行きたいとなった時に、
それとなく世界の人にも意味が通じるようにしたいなと思いました。
(響きを外国風にすることは考えていませんでした)

世界中にあるものや概念で、多くの人が大抵は良い印象を持っているもの。
プラスして、食べ物で言えばパンとか米とかそういう普遍性があるもの。

もしくは少し広げて自然にあるもの、太陽、空、海、陸、水、空気、宇宙。

今になって思うのは、名前に個性を持たせたくなかったのかもしれません。
名前に強い個性を持たせたら、娘本人の意思のない個性になってしまう。

個性は娘が人生を歩む中で自分で作り上げていければいい、と思います。

娘が自分で見つけてきたような名前に

娘は漢字一文字で「花」といいます。

この名前はすーちゃん問題と並行して候補としてはあって、
「花」なのか「華」なのかという選択肢は残していたものの
気づいたらそこにあった、という感じのものでした。

誰もが呼びやすく、世界中にあり、世界中の人が意味がわかる、
これはなかなかいいなと思いました。

最初からその響きに「飽きている」、というと語弊がありますが
空気みたいにただそこにあるだけで意味を成しているもの、
そういうものやことはもともと僕たちは好きだった気がします。

スタンダード、シンプル、クラシック、ナチュラル。

僕個人は蛍光色のスニーカーを買ったりしますがそれは「外し」なんです。
基本的に一生変わらない名前で「外し」ている場合ではないと思いました。

ただ、健気に花が咲くようにとか、人生が咲き乱れているとか、
そこにあるだけで美しいとか、いつか大きな花を咲かせるとか、
そういうストーリーは持たせたくなく、理由付けていないんです。

ただかわいく、呼んでもらえて、普遍的なもの、
ということにウエイトを置いています。
とにかくプレーンに、色付けして積み上げていくのは娘自身なので。

出来るだけ僕らから与えるものは少なくして、
軽い鞄を持って、軽い気持ちで出掛けていってほしいと思いました。

いつか娘が大きくなって、自分の名前の由来を知った時に
味気なく感じるかもしれませんが、それでいいんです。

名前に関係なく、よい人生を。

そういう意味ではどんな名前でもいいのかもしれませんね。
子どもを大事に思う気持ちの強さは、皆親なら同じでしょう。
(同じであってほしい、という願望かもしれませんが)

だからこそ僕らはシンプルなことにこだわりました。

1年半が過ぎましたが、いい意味でずっとそこにあったような、
娘が自分でどこかから見つけてきたような名前だなと思っています。

僕らとしては、人生最高のアイデアだったと思っています。

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