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40歳になったし子供も生まれて忙しすぎるけど大学院に通うことに決めた理由

いい大人が大学院にかよい始めてもうすぐ4ヶ月がたちます。40歳で大学院って遅いと思いますか?

正直、早いか遅いかは僕にはわかりません。しかもちょうど第一子が生まれたばかりで、子育ても結構大変なときなんです。

でも、ピンときちゃったんですよね。この忙しい時だからこそなんだかいいんじゃないかと。いまは何かを超えていく時だと。僕の中の直感がそう言うんです。

やっと成人式をむかえた気分

ここ10年くらい、ずっと障害者のことが気になっていました。自分の家族に障害者がいるとか、自分が障害を持っているとか、そういったことはありません。でも、ずっと気になっていたんです。障害を持っている人たちと一緒に幸せになることは、とても大事なことのような気がすると。

このnoteは、僕がはじめて書くnoteです。大学院でやってることとか、代表をさせてもらっているWebサービス「hitoRec(ヒトレク)」のこととか、最近はじめたメディアアートのこととか、どれもつながっているので伝えるべきことはたくさんあると思っています。

でも、毎日書くには毎日書かないこと、というアドバイスもあるみたいだし、今回は大学院でとりくんでいる障害者のことと、それに関わるプロトタイプについて書きます。人が好きな人にも、テクノロジーが好きな人にも何かの役にたつ記事かと思います。

ほんとうにやりたいことをやるにはいいタイミング

大学院には、「聴覚障害者の課題を解決するプロダクトとサービスをつくる」という目的で入学しました。

サウンドエンジニアとかの仕事をしているので、音を聞くってどういうことなのか、僕はよく知っています。だからこそ、音がきこえない人たちの困りごとを解決しやすい立場にあると思っています。

すでに、大手企業さんから社会実装をぜひ一緒にと声をかけていただいていたりしているので、具体的な中身となるアルゴリズム的なところは今は控えさせていただきますが、ちょうど大学院でプロトタイピングの講義があったのでプロダクトの内容のことを少し。

ちなみに僕が通っている大学院のプロトタイピングの講義は、はっきり言ってかなりスパルタでした。宿題きつかったです。ひさびさに徹夜もしました。この講義を受けた人はみんなそんな感じだと思います。でも確実にプロトタイピングの力がつきます。


さて、聴覚障害者の困りごとを解決する手段として、「音が目でわかるプロダクト」を制作しています。音を目で "感じる"、ではなく、音が目で "わかる" というところがポイントです。

人が主観的に感じている感覚そのもののことを、「クオリア」といったりするのですが、ろう者は聴覚のクオリアを体験することができません。

なので、和音の明るい感じとか、きれいな声とか、そういった "感じ" を知ることは、健聴者と同じようにはできないのです。だから、"感じる" ではなく"わかる" を目標とすることが大切なこととなります。

音をきくということ

聴覚障害者は、人との会話におけるコミュニケーションでも不便を感じていますが、生活環境音がきこえないという困りごとも抱えています。

生活環境音については、犬の鳴き声とか警報音をキャッチしたら通知をしてくれる、ものすごいAIを利用したアプリとかがありますが、聴覚障害者にはほとんど使われていないのが現状のようです。

そりゃそうでしょう。犬が鳴いているのは、どれくらい遠いところか、どの方向からか、かわいい子犬なのか今にもとびかかってきそうな大型犬なのか、音からはそういうことを知る必要があるのですが、数秒たったあとにピコンと [犬の鳴き声] なんて通知がきても、「???」となってしまいます。

生活環境音は、会話における言葉のやりとりとはちがい、「いまこの瞬間ここにいる自分に届いている音」という非常にパーソナルな情報だからです。

発生源の音はおなじでも、あなたにとどく音と、となりの部屋にいるだれかにとどく音は、意味がちがうのです。

プロトタイピングの動画

そんなパーソナルな、音という情報が分かるプロダクトの、超初歩的プロトタイプを、講義を通してつくってみました。

obnizというめちゃ簡単にいい感じのプロトタイピングができるデバイスを使っています。低めの音は赤色、中くらいの高さの音は黄色、かなり高い音は青色に光るLEDをとりつけた、「音がわかる」ハードウェアプロトタイピングの第一歩目です。

通信の関係でちょっと遅延があるけれど、はじめてのハードウェアプロトタイピングのわりにはサクッとできてobniz良かったです。そしてすぐに試せるのが最高。あとLEDってやっぱりきれいだ。

これからのこと

聴覚障害者の課題解決にむけたサービスは引き続き事業化に向けてとりくんでいきますが、僕が代表をさせてもらっている話す・聞くをもっと楽しむhitoRec(ヒトレク)という音声Webサービスも本格的に動き始めています。

そんなことを少しずつnoteで発信をしていこうと思います。

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