マガジンのカバー画像

心理学 学習

9
運営しているクリエイター

記事一覧

ワーキングメモリ

二重貯蔵モデルにおける短期記憶が情報の保持機能だけを仮定した概念であるのに対し、ワーキングメモリーは、情報の保持と処理機能の両方の機能を仮定した概念である。バドリーは中央実行系と、下位のシステムとして、エピソードバッファ、視空間スケッチパット、音韻ループの3つの要素から成ると考えた。それぞれ、長期記憶から引き出した情報、形や位置関係を等の視空間的情報、言語的情報を保持する役割がある。(193字)

脱感作法

行動療法において、古典的条件づけを基にした不安や恐怖を段階的に消去していく手法を系統的脱感作法という。まず、恐怖反応を引き起こす刺激を高度から軽度のものまで、順に並べた不安階層表を作成する。その後漸次的筋弛緩訓練を行い、その状態で恐怖反応が最も弱いものから順に恐怖刺激のイメージを思い浮かべさせるリラックス訓練を行う。恐怖を感じなくなれば、次の刺激に移りそれを最終段階まで繰り返していく。(195字)

シェイピング

オペラント条件づけにおいて、形成したい行動のオペラント水準が0の時は、初めから反応を強化できないので、強化と消去を組み合わせた予備的な手続きを行い、段階的に標的行動を形成していく。この手法をシェイピングという。まず、標的行動に近い行動を選び、強化によって反応率を高めてから一度消去すると行動のばらつきが大きくなる。その中から、さらに標的行動に近い反応を選んで強化する手続きを繰り返し、最終的に標的行動を形成する。(206字)

行動療法

行動療法とは、治療の焦点を患者の不適応行動に当て、学習理論に基づいて不適切な行動を変容または除去し、適応行動を形成する療法である。不適応行動の背景にある無意識的欲求や抑圧された感情の存在をかていすることはしない。技法として、系統的脱感作法、オペラント学習法、バイオフィードバック法など多くの種類がある。(151字)

社会的学習理論/観察学習

・バンデューラ 人間は他者の行動を観察することで、様々な新しい行動を学習することができる。多くの社会的な習慣や態度や行動は、特定の条件下において他者から影響を受けて学習される。これを社会的学習理論と呼ぶ。また、それ以前の学習のように直接的な経験や報酬や罰による強化は、学習にとって不可欠ではなく、強化がない場合でも、社会的状況との相互関係の中で学習が成立することを示した。(178字) ・観察学習 対象となるモデル(他者)を観察することで自身の行動が変容することをモデリング

オペラント条件づけ(operant conditioning)

・スキナーのオペラント条件づけの実験 スキナーは、レバーを押すと餌が出てくるスキナー箱という仕掛けを作った。そこにねずみを入れ、自由に行動させた。ねずみが偶然レバーに触れ、餌が出てくると、次第にネズミはレバーを押す回数を増やし、餌を食べる行動を繰り返すようになる。餌は、ねずみがレバーを押す行動を促す「強化」の働きをする。 このような自発的な行動の結果によって、次の行動が変化する学習過程をオペラント条件づけと呼ぶ。(188字) ・正の強化/負の強化 ・罰 オペラント条件づ

古典的条件づけ(classical conditioing)

※新版心理学、心理学検定キーワードより ・パブロフ​の古典的条件づけの実験 イヌに餌を与えると、唾液を分泌する反射が起こる。そしてパブロフが音を鳴らした後に、イヌに餌を与える「音と餌の対提示」を行うと、本来音を鳴らすだけでは、唾液を分泌しなかったはずが、イヌは音を聞いただけで唾液を分泌するようになる。この一連の学習過程のことを古典的条件付けと呼ぶ。また古典的条件づけは、刺激に応答することが基本となっているため、レスポンデント条件づけとも呼ばれる。(187字) ・中性刺激

原因帰属(causal attribution)

※心理学検定キーワード改訂版を参考にしています。 ・ワイナー ・成功や失敗の原因がどこにあるのかを考えることを原因帰属という。 ・また、達成動機高い人と低い人で、原因帰属が異なる。 ・どのような原因帰属をするかにより、後の行動に対する成功の期待や感情が決まり、次の行動が決定(異なる)される。 【所在】→原因がその人の内部 or 外部にあるのか。 【安定性】→一時的か長期的か。 【統制可能性】→自分がコントロール可能かどうか。 <達成動機が高い人> 内的で、統制可能で

学習性無力感 (learned helplessness)

※心理学検定キーワード改訂版を参考にしています。 ・セリグマンとマイヤーによる実験で観察された。 ・イヌを A:電気ショックを制御できる群 B:電気ショックを制御できない群 に分けた。 【第1段階】 ・A群は行動を起こすことで、電気ショックを制御できることを学習する。 ・B群は電気ショックが制御できないことを学習する(いかなることをしても回避できない) 【第2段階】 ・状況が変わり、A、B群ともに電気ショックから回避できる条件になった。 ・A群は新たな仕掛けを学習し適