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親孝行手当という“マモノ”

仲秋の名月の頃、会社からパートさん、アルバイトさん、派遣社員さん等全ての社員に向けて、この「親孝行手当一万円」が支給された。もちろん報告書も添付けられている。
このシステムが発動してから、かれこれ10年くらいかな。3年おきに支給される。
忘れた頃にいただける。

全社員に向けるとなると、約400人。
そんなに安い額ではない。
各社員にとっては有難い臨時収入だ。

魔物と書くか真物にするか迷った。
両方とも当てはまるから“マモノ”と書いた。


ありがとうございます。と素直に受け取って
どう使ったかをこれまた素直に書いて提出すればいいだけの事なのだが……。
これができる人は数少ない「真物」。
勝手な予想なので、もしかしたらそんな人は
いないかも知れない。


で、ほとんどの人にとっては「魔物」になってる気がする。その人が試される。

親なんてとっくの昔におらへんがなワシ。
って人もおられる。

かくかくしかじか…こんな事情で親とは会えないんですが、どうすればよいですか?
とか質問してくる人もいる。


試される。


こう思えるだけでも、まだマシかな。

僕の中には「魔物」と「真物」両方存在する。

封も切らずに、そのまま実家の両親に渡した。これは、このシステム始まってからずっとそうしている。

なんなら報告書も書いてって渡した。
全て丸投げ状態だ。
さすがに、報告書までは悪いから持って帰ってきたけど。

さて、どう使わせてもらうのか?

これは実際書いて提出する僕の報告書だ。
この中にも「魔物」と「真物」が混ぜあわさって書かれている。
丁寧に嫌味を、ガソリン代にという建前を。
そして何より、いちいち面倒くさいから
早めに文章を書いてパッパッと出しておこう
という策略。

また3年長生きして……の所は「真物」。
喜んでくれてるのが嬉しかったのも「真物」。


先日、弟家族と凸凹メンバーで食べ放題に
行って来たのだが


両親は、その食べ放題に行った事がない
から行ってみたい気もするらしい。
弟と膝付き合わして話しておきたい事もある
らしい。
オカンから上手いこと弟に連絡して、迎えに来てもらって弟家族と水入らずで行ってきたら?もしそうするんやったら、この手当の事は言わずにな。弟が気を使うやろから。
が、提案その①。

仲良しの、ご夫婦と一緒に食事でもしてきたら?が、提案その②。

例の大きなメロンパンとアップルパイのある
新宮荘にお茶でも飲みに行くか?僕と3人で。

が、提案③。


10月になってから、和三盆の砂糖仕入れに

香川県高松市の「郷屋敷」まで行くか?
が、提案④。


おそらく提案④が採用されそうな気がしてる。その時は、また運転手させてもらおう
と思っている。


どの提案も「真物」だ。
だから恥じる事は何一つないのだが……。

やっぱり心の片隅に潜んでいる「魔物」。

結局何かい…報告書を一万円で会社が買いあげてるんかい?

この「魔物」が居なくならない。
そう思ってしまう悲しい現実と
ひねくれた自分がいる。ダメだこりゃ。
残念ながら、なおす気もない。


ただ、この一万円がネタになり、色々と話しができているのも事実。ありがたい事には
変わりない。WIN/WINというやつか。



もらっといて文句言うなって話しですよね。

なら、最初から渡すなよって思ってしまう。お金がからむと恐いね~
あ~おそろしや       おそろしや。



さて、皆さんなら……?



読んでもらってありがとうございます。
失礼いたします🙇

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