見出し画像

敬天愛人 ~正義とか悪とか~

ついこの前、仕事終わって自宅の駐車場まで帰って来たら〒マークの付いた赤い軽自動車に僕の駐車場が占領されてた。
さぁ言うたらさぁの性分故、瞬時にイラッ。
両隣は普段からあまり駐車されてないので
おそらく空いてる。それ故止めやすいのは
わかるけど。

邪魔になるから勝手に動かして、どっか見えへん所に隠しといたろと思って運転席のドアノブに手をかけたけど、そらそ~やわな
鍵がちゃんとかかってた。チカチカと4灯も
たいてた。大事な郵便物を守る為かなんか知らんけど、そっちに気を使えるんやったら
こっちにも気を使わんかいって思うんです。

そうこうしてるうちに持ち主が戻って来た。
スイマセ~ン。って。
そのスイマセ~ンに余計イラッとするのも
わからんアホなんやなと思った。
そのスイマセ~ンを言わないように自分は
どう気を使う?どうする?どう動く?
またここでこいつにそれを壱から拾まで教えたらなアカンのか…めんどくせぇー

だからその人にお伝えした。
「とにかく、クソ邪魔になるので一刻も早くのけて下さいね~」ってバカにしながらお伝えした。すいませ~んって言いながら消えて行った。郵便局の奴もあつかましい奴多い。
ホント人がでるわ。

最近、上記のような事によく出くわす。

二週間程前、それこそ朝礼の前に
うえむらく~んあんな~って
一人のオッサンが猫なで声で近寄って来た。
別に知らないオッサンではない。同じ工場内で同じ職種(リサイクル)を兄弟二人で請け負って働かれてる人だ。タムラ兄弟さん。
近寄って来たのは弟さん。
僕よりも年配でキャリアも長い大先輩。

「運送屋の社長から電話があってな~
今度の土曜日に積込に入るんやけど、午後指定になっとんやけど…。って言いよんや。」
って言って来た。まだ、そんな仕事があるという事も僕は知らないし、聞いていない。

ちなみに、リサイクルの仕事と、もうひとつ
工場の血液とも言える原料の受入れ、荷卸、
投入等の仕事も僕の管轄。こっちは健常者の
おっちゃんが一人でやってくれてるので
僕も時々、助っ人に入る。代打俺的な。
やはり草野球の時と同じで、いくつになってもプレーイングマネージャーなんだな。

その弟さんからその仕事の話を聞いた後に
正式な依頼を元請の原料担当のボスから聞いた。なんか変な流れと思いながらも、受けて立った。僕自身が積込するわと約束した。

約束した。

それから何回かその弟さんがやってきて
あ~だこ~だとその運送屋の説明?をしてくる。媚を売ってくる感じだ。面倒くせぇ。
その運送屋さんは自分がひいきにしてるから
気を使っているのか知らないが、僕には関係ない。その約束を果たす為だけに僕は僕の段取りで準備をするだけ。

「土曜日やし、積込の時間が早い方が良いなら午前11時から積んで、昼までには完了で
どうやろ?その運送屋の社長に伝えてみて」
と、向こうの要望にも少しはお応えしといた。

そして当日の朝。例の猫なで声が近寄って来た。「11時で段取りしてみるって社長が言うてきたわ。もしちょっと遅れたらゴメンやけど。よろしゅう頼みますわ」だとさ。
その弟さんは、それだけを僕に伝えて自分の現場に戻って行った。

僕の中では、もうこの時点で嫌な予感。
すでに先に言い訳言ってるから。

しかも社長のくせに。

見事に予感的中!
12時になっても現れない。13時でも来ない。
14時になっても連絡のひとつもない。
とうとう15時。まだ来ない。
朝現れた猫なで声の弟に連絡してもらおうと
その人の現場を覗きに行ったがもぬけの殻。
もう居ない。帰ってる。
守衛さんを訪ね、連絡あったかと聞いても
何の連絡もないとの事。守衛さんも、そのトラックに渡す伝票を預かっているから、まんざら無関係ではないのだ。

16時17時と時間だけが過ぎた。
金曜日の夕方から段取りと準備した、その荷物だけが、ポツーンとそこにあった。

17時半まで待ったが何の連絡もないまま。
来る気配もしないまま。
元請のボスに連絡して、守衛さんにも同じ事を伝えて帰る事にした。

「約束の時間は11時。17時半まで待ちましたがトラックは来ていません。連絡もありませんので荷物は一旦片付けて帰ります。もし、運送屋と連絡がとれるなら、明日日曜日の朝7時半から積込しますので来て下さいと伝えて下さい。その時間じゃないと積みません」

守衛さんには、さらに付け加えて

もし僕が帰った後に、そのトラックが来たら
この工場内で一晩中待ってもろといて。
待つ方の身にもなってみなアカンから。
また明日の朝7時頃に僕は来るから。

で、帰路についた。こうなったらやけ食いじゃ(なんでやねん)と帰りにマクドのドライブスルーで注文してる所でポケットの携帯が
鳴った。きっと奴か奴やなとわかっていたが
注文を優先。食料を受け取ってから駐車場に移動して、担当のボス君に折り返した。
「明日朝7時半に行くって言ってるから積込したってな。今日は長い事待ってもらって
ごめんな~。ど~もそこの社長が倒れたらしいわ~」
で、だから何?イラッとした。

勝手にせい

って切った。すでに僕の中では、お前らが
どう言おうと、その積込がなくなろうと
朝7時には工場に行く段取りだったから。
なぜなら守衛さんに明日の朝7時頃に、また来るわって言って帰って来たから。

その7時半でないと積みませんというのも
僕の意地悪。別に何時でも良いのだが、そこまで甘やかすのは嫌だったし、こっち主導で時間を決めたろと思ったから。

よって、その分自分はちゃんと姿を現して
直接守衛さんと話そうと思っていた。

僕は必ずグランドにおるからの実践である。

さぁそして次の日の朝。
ジャスト7時に工場着。着替えて7時過ぎ。
守衛さんにまずおはようございます。
まだ来てませんねトラックと話し。

昨日は申し訳ないとホントに思ってるなら
早くから来て待ってて、まずは謝りに来るかなとも思ってた。甘かった。

現れたのは、猫なで声の弟だった。
猫さんに失礼やな。猫の方がよっぽど可愛いわ。
「うえむらく~ん昨日はゴメンな~」
お前、キッしょいんじゃボケ。言うてもた。
「親父さん(社長)が倒れたったらしいんや」
だから何?息子がおるんやろ?
それから、何でアンタが謝りに来るん?
なんで息子連れて来おへんの?
「いやぁ~あの~それは~」
日曜日の朝から鬱陶しいわ。はよ帰れ。
別にアンタにおってもらわんでもええで。
「トラック来るまでおらしてぇな」

勝手にせい

もう別に会話をする事もないから、その弟と
2人きりでシーンとした時間が過ぎた。
7時28分。やっと来た大型トラック。

なんと運転席からは、その親父さんらしき人が降りてきた。助手席からは息子らしきが。

何事もなかったかのようなその佇まいと雰囲気に、今まで散々猫なで声から聞いた話しが僕の頭の中で繋がらない。
話しが見えない。なんじゃこいつら3人。
おたくに指示されたから7時半に来ました
オーラ全開。ダメだこりゃ。
最初の荷物を積んだら、もうちょい動かしてって言いやがった。その親父社長。
いやいやいやいや
その前に、昨日は来れずにスイマセンって
よう言わんのかい?って伝えた。
はっ?何かうちがやりましたか?って小さい声で言った後、それはそれはスイマセンでした。って言いやがった。

お前、ちょっと降りてこい

は、止めといた。全然話が繋がらない。
僕だけが怒ってるこの感じ。何これ?

トラックの後部には息子らしき奴と猫なで声がニコイチで作業を見ていた。
その息子らしきに声をかけてみた。
「昨日、親父さん倒れたんやろ?大丈夫なんか?」
猫なで声と親父らしきに聞こえるように。
ええそうなんです。大分マシにはなってきているんですって答えやがった。
そこは違和感を感じなかったから、嘘ではないようだ。という事は、そこにいるのは親父じゃない??     あ~面倒くせぇ。

とにかく積込はキッチリ終わらした。

もひとつ話しが見えんのと腹立つのとが混ざったまま「グァギィガドォウ」とだけ伝えた。それから落ち着いて話ししよかと思ってたら、その3人共逃げるように帰ってしまった。違和感だけが残った。

自分の最低限の責任は果たしてるから何もやましい事はないのだが、何かモヤモヤした。

「積込は無事完了しました」

と担当のボスと守衛さんに連絡して帰ってきたのだが、ど~もスッキリしなかった。

そして、その翌日の月曜日に担当のボスが菓子折りを持って詫びにきた。

「上村さんの言う通りやわ。僕だって同じ事思うわ。これは問題にするわ。会社として話しするわ」と、上手い事話しを合わせて来てるのが、すぐわかった。

「もう一回だけチャンスやってぇな」

こいつ、上手い事話し作るな~と感心した。

そんな事一言も僕は言ってないで!
答えはシンプル。

来るって言うたら来んかいっ!

それから、そっちはアンタを入れて4人。
その中の誰が1人にようなるんやと言う事。

責任も何もかも4人で分散させる気か?
うやむやにするために。

会社としてとか、そんな事関係ないし
悪いけど、そこの家庭の事情なんか関係あらへんのじゃ。その運送屋の家も、この工場の近くらしいやんか。
自転車でも来れる距離やろ。どないしてでも
連絡をとりに行こうとせんのかが僕には理解できんのや。

約束を果たす。その為に全力を尽くさんかい。
それもせんとって、謝るのが誠意?
誠意の使い所が違うんじゃ。

言いたいのはそれだけ。わかったんかい。

「はい。わかりました。」

その菓子折りも持って帰ってくれよ。

「これは持って帰れんわ。置いて帰るわ」

まぁええか。野獣達に食べてもろたら(笑)

ありがとうございます。ゴチになります。
バサバサ      ブリブリって開けてくれた
三浦君。わりと深い箱に入ってたのは
もみじ饅頭だった。しかも4種類。
上手い事やりやがるな~4人だけに。
笑てしもた。
遠慮なく食べてよって言い終わらんうちに
あっと言うまに箱の中はなくなった。
スゲー。やっぱり野獣達やわ~。

僕もおこぼれをもらって食べた。

美味いがな。

もうこれで何も言えへんがな(笑)

こないだ実の弟にもこんな話ししたとこ。

世の中には色んな正義がある。色んな悪もある。正義とみせかけた悪もある。悪と見せかけた正義もある。何が正しくて、何が悪いのかもわからなくなる。

でもそれも全て「人」。

そんな「人」を愛せという西郷隆盛。

「天」を敬えという西郷隆盛。





ゴメン西郷さん
面倒くさいわ~


読んでもらってありがとうございます。
終わります。失礼します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?