【城下国際演劇祭マチノブンカサイ編】を終えて。

去る9月23日(土)、岡山県は岡山市の旧内山下小学校にて【城下国際演劇祭マチノブンカサイ編】が行われました。僕はシンゲキとして片山順貴 作「落語Ⅱ」で参加させて頂きました。

事前告知しないで事後報告なのは僕の悪いクセ。

まず結論から言うと、最高の演劇祭でした。
まあ他団体もスタッフも知り合いが多かったのでやりやすかった、というのはもちろんありますがそれ以上にマチブン独特の優しい空気感とか柔らかい雰囲気にとてもとても助けられた2公演でした。

ここからは自分語りです。
今回の作品、「落語Ⅱ」は1人芝居。

〜あらすじ〜
落語を全く教えてもらえない弟子とアンチ古典落語で変なオリジナルばっかり噺す師匠のお話。

お前には誰も見たことがない落語Ⅱを完成させてほしい。
え、俺師匠からまともに教わったことないのに!?
師匠の遺言を弟子はどう叶えるのか?落語Ⅱとは?

マツケンサンバⅡにターミネーターⅡ。「ツー」はなんだって「ワン」より良いものなんです。

引用:僕の友達

アーリーサマーで順貴くんが演じているのを見たのが初めてでした。
まあとにかく衝撃的。なんせたった1人で約40分間喋りっぱなしの動きっぱなし。彼の持っている熱量と話の展開、演出、小道具、空間全てを味方につけた彼の「落語Ⅱ」の面白さはまるで頭をトンカチでぶたれたようでした。初めて見た瞬間に「これがやりたい!」と強く思いました。
打ち上げで順貴くんに「落語Ⅱ最高だったね、俺も演りたくなったわ」と言うと「え!!!演ってください!齋藤さんの落語Ⅱめっちゃ見たいです!」と言ってくれたので実質そこで許可取りしたようなもんでした。話はや。
(ちなみにアーリーサマーのあれこれはこちら↓)

疲れ果てた順貴大先生。お疲れ様だったね。

さて、その後マチブンの話を聞いてじゃあそこでやりたいなぁと思ったのですがここからがまぁ大変。

落語Ⅱ、観てる分には一瞬で終わっちゃうんですが演じてみるとまぁ長いのなんの。セリフ量多すぎるし動きすぎだし、毎公演終わり汗だく上裸の順貴くんが控え室の床に大の字で倒れ込むのを見て(大変だなあ)なんて思ってましたがこりゃもうね、無理です。
最終的に本番中にも何度か過呼吸の3歩手前みたいになってガタガタで終える羽目になりました。俺はおじさん、もう若くない……

それに演出の所にも僕の名前を入れて頂きましたが僕はほとんど演出してません。ごめんなさい。
シンゲキの伊藤くん、スタッフの大西さん仁井くんに助けて貰ってなんとか形になりました。
この場を借りて重ねてお礼を。ありがとうございました。

そんなこんなで稽古も大変で、いや大変というか僕が悪いんですけど、全然セリフを覚えなくて。そもそも準備期間が1ヶ月半ほどしかないのも重なり、なかなか自分の中でも稽古する、とかしてる、って感覚がつかめなくて本番1週間前にして全体の半分も入ってるかな?みたいな有り様でした。いやまあこれは本当に僕が悪いんですが……
挙句前日の通しも詰まりまくりの止まりまくり、こっそりセリフを教えてもらって「これで合ってる?」って通しの最中に確認して……超手探りで進めるという体たらく。え?本番前日だよね?何やってんの??

というわけで不安いっぱいで迎えた本番当日。9時からのリハーサルに間に合うためには島根を5時半には出たいね、ということは起きるのは……え?3時半!?!?何とか時間通りに起き、会場入り。見慣れた顔ぶれに少し心が落ち着きます。
せめてリハでは通したい……なんて思ってましたがそこはさすが。照明と音響のきっかけ合わせをやったら時間いっぱい。通しをすると言ったな、あれは嘘だ。

シュワちゃんも言うんだから間違いない。

青ざめた顔で楽屋に戻り、必死に台本を読み込んで本番を待つ……恐怖。怖すぎる。あとシンプルにお客さんに申し訳ない。こんな準備できてない状態のものを金を払って観て頂くなんて……

上演順は3番目、前のふたつはどうやらいい感じ。なんてこった、どうしてくれんだよ俺はまだ8割5分しか出来てねえってのによォ。

とは言え幕は待ってくれません。出囃子が流れ、音響からキューが出ます。
荷物を抱えていざ本番……

あっという間の30分間。なんでろくにセリフも入れてなかったやつがポンポンアドリブしてんだよ。暖かいお客さんのリアクションにノせられ気づいた時には絶好調。こんなにスルスル行く?ってくらいすんなり終わってしまいました。やったー!

そしてそのまま本番2回目。2回目お客さん多すぎない?とは言え2回目も暖かいお客さんのリアクションでノリに乗って30分程の上演を駆け抜けました。
英語で喋ったのがウケて僕は大満足です。

本番中の僕。お客さんも写ってるのでトリミング。
この顔はメイクじゃなくて寝不足のクマです。

前日までの不安は嘘のようにあっさりと終わった本番でした。はぁ楽しかった。

ほかの3本に関しても非常に面白い舞台でした。しかも今回僕以外の3組は自ら脚本演出を手がける超人っぷり。やだなぁ凄いねみんな。

そんなこんなで不安いっぱいでしたがなんとか終わりました城下国際演劇祭マチノブンカサイ編。
終わってみると恋しくなるもんで、もっとやりたかったなあとかまたやりたいなあとか色んな思いが渦巻いてます。
とりあえず今日は疲れすぎてずっと寝てました。
え?明日から仕事?……誰だいそいつは。

今回のマチブンは島根組が殴り込みをかけました。
今度は島根で演劇祭やろうね!なんてみんなで言ってましたがあれは社交辞令じゃなくて本気ですよ??

自分の中の新たな可能性にも気づくことが出来た今回のマチブン。次回は冬、シンゲキ自主公演「アイのセンタクキ」です。稽古始まりましたがこっちも相当面白くなりそうです。是非お越しください。

これは参加者募集チラシですが🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️

最後に改めて会場にお越しくださった皆さん、スタッフの2人、運営していただいた皆さん、本当にありがとうございました。最高の演劇祭になりました。

また書きたいことがあれば書きます。では。

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