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アーリーサマー前日譚



僕たちのアツい夏の幕開けであるアーリーサマーから早2週間。世間は夏休みに突入し本格的な夏の訪れを感じる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
どうも、シンゲキ所属 齋藤 和樹(さいとう かずき)です。

アツいアツいアーリーサマーの火照りも冷め、ロスも落ち着いてきた頃ですね。僕もようやく少し落ち着いたので少し振り返りを。(コロナで暇だからってのは内緒🤫)
お忙しいかと思いますがちょっと一息。
皆さん少々お付き合い下さい。

改めましてアーリーサマー、皆さん本当にありがとうございました。愛してDISTANCEチームはもちろん、落語Ⅱのじゅんきくん、寓チームの皆さん、スタッフの皆さん、そして見に来てくださった皆さん、色んな人の支えでようやく作り上げた2日間でした。本当に本当にありがとうございました。

アーリーサマーを終えて思ったことは大きくふたつ。

まずひとつ、こんな自分でも楽しく演劇ができるということ。社会人になって遠ざかっていた演劇をこんな形でできるとは。
島根で演劇と言えばやっぱり雲南のイメージが強い(個人的には)。でも松江にも、同じ志を持って同じ目標に向けて足並みを揃えて意見を出し合って、一緒に進める仲間がこんなに沢山いるということ。
それを知ることが出来ただけで十分すぎる収穫でした。

アーリーサマーチームは本当にいいチームでした。


ふたつめに自分たちでもこれだけのイベントが打てるということ。高校時代に始めた演劇、社会人になっても続けたいなあと漠然と思いながら、でも中々機会もなくやっぱり難しいなぁと思っていました。
そんな時勇気を持って1歩を踏み出し(後述)、そこから何かが変わり始め、大きな歯車が回りだし、そしてその歯車は次の歯車を動かし、ついにはこの夏アーリーサマーという大きな企画になって僕たちシンゲキにとってひとつのマイルストーンとなりました。約40分の演目を3本、計2時間の公演を2日で4公演?? あれ?自分たちにもこんなイカすイベント出来んじゃん?というのが素直な気持ちです。

そんなアーリーサマーでしたが、皆さんには皆さんのアーリーサマー前日譚があると思います。そして同様に僕にも。
今日はひとつ僕のアーリーサマー前日譚を紹介出来れば、と。

その前に先ずは簡単な自己紹介から、
島根県松江市出身の今年27歳、アーリーサマーのチーム全体で見ても上から二番目の年長者です。
高校時代、今回の愛してDISTANCE脚本演出の伊藤くんに演劇部に誘われ、紆余曲折を経て入部。大学でもしばらく続けましたが社会人になってめっきり演劇に関わる機会はなくなっていました。

最後に出演した舞台から5年が経とうとしていた2022年1月、僕は伊藤くんにこんなメッセージを送りました。

「ぶたいやりてえ」(原文ママ)

頭の悪そうなメッセージですね。それに対して伊藤くんは

「やろうよ!」(原文ママ)

なんとも気持ちのいい二つ返事。ちなみにその前のやり取りは2021年5月なので、どれだけ唐突で脈絡がないメッセージだったかわかっていただけるはずです。

このスピード感。さすがとしか言いようがない👏


そんな唐突なやり取りから運命が大きく動き始めました。
というのもちょうどその頃伊藤くんの手元には夏に本番を迎えるある企画があったのでした。
役者でもスタッフでもどっちでもいいよ、という伊藤くんに対して僕は「どうせなら役者がやりたい」と大口を叩いたのですが……

当時の伊藤くんは大学時代を過ごした岡山で当時の仲間たちとバンバン舞台を成功させていたゴリゴリの舞台人、対して僕は5年のブランクを持つくたびれた社会人。なんならそのブランクで発声の仕方から台本の入れ方から下手(へた)するとどっちが上手(かみて)でどっちが下手(しもて)か分からないなんて始末……すみませんさすがに盛りました。客席から見て右手側が上手(かみて)ですよね、そのくらいわかります。

とにもかくにもブランクまみれのオジサンには少々荷が重いか……と思いつつやっぱり彼と一緒にやるからには舞台に立ちたい!とそう思っていたわけです。

伊藤くんが抱えていた企画というのは毎年夏に行われている島根県の高校演劇講習会、そこで高校演劇OBが卒業後も学業や仕事をしながら演劇に関わる姿を見せる、というものでした。
新作書き下ろしの「30分間想」を高校生たちの前で上演すると。
「30分間想」も高校時代一緒に演劇部で活動していた4人が社会人になって久しぶりに舞台やろうよ、と企画。しかし仕事の都合などもありなかなか時間が合わず、お互いにすれ違いながらも集まって通し稽古を行うのだが……といった内容。企画の趣旨にも僕たちの状況にもピッタリですね。

そして始まった稽古、本格的に始動したのは暑くなり始めた5月末。本番は8月頭……

あれ?期間短くない??

え、ねえ?大丈夫?この本30分のつもりって言ってたよね?読み合わせしたら40分くらいあるよ?ほんとに大丈夫?俺五年ぶりだよ?ねえねえ?ほんとに?信じていい?大丈夫だよね??

結局キャストの居住地やら練習場所の確保やらなんやらかんやら理由はありましたが集まって稽古することは出来ないね、となりZoomを利用してのオンライン読み合わせを数回(記憶が正しければ5回程度)、実際に立って稽古したのは本番直前の2日間(時間にして計20時間)のみ、そんでリハして本番。え?頭おかしいのかな??

そんなトンデモスケジュールでしたが役者もスタッフも神がかり的な謎のパワーで合わせきり、何とか本番を迎えたのでした……(なんなら本番一発勝負なのにガッツリ場面の順番が入れ替わるハプニング付き。あのフォローは天才的だった。助かった〜)

まさかこの歳になって県民会館中ホールに立つとは...


そうして8月の本番を終え一段落、しかし伊藤くんにはもうひとつ目指す場所がありました。

それが岡山で9月頭に開催された「マチノブンカサイ」において行われた「城下国際演劇祭」でした。
ここに出そうよ!という提案にはもちろん賛成。もっとたくさんの人に見てほしい、自分たちのことを知らない人に知ってほしい、そんな僕たちにとって最高の舞台でした。

ちなみにマチブン前の稽古も結構ヤバくて、オンライン3回に前日リハのみというイカれスケジュール。けいちゃん(伊藤くん)はさ、俺たちのことなんだと思ってるの??

そして迎えたマチブン。ただでさえ暑い晴れの国岡山、気温も上々気分も上々。会場である旧小学校の理科室は当然冷房なし。窓は締め切り暗幕を張り照明機器を点け、外に置いてあったテントサウナよりも暑い熱いアツい舞台上で本番2回し。ホンマに人が○ぬど。

ゲネの様子。紙が散るのはやっぱりイイネ👍


何とか本番は成功、観客のみなさんからもスタッフの皆さんからも大絶賛で「30分間想」は幕を閉じたのでした……


だいぶ端折りましたがこれが去年の出来事です。
そしてマチブンで出会った岡山の天神幕劇のみなさん、そして島根に拠点を構える我々が天神幕劇からのれん分けでシンゲキを立ち上げ、夏に1本デカい公演を島根で打ちましょう!と言って始まったのがアーリーサマーでした。
島根大学演劇部シアターちょこざいの皆さんにもご協力いただき、さらに大きな輪を作って形になったアーリーサマー。
この出会い、ご縁を大切に、次はどんな景色が見られるのでしょうか。

冬には自主公演「アイのセンタクキ」が控えています。
演劇部に所属する高校生、大学生も、以前はやってたけど最近は全くやってないなあ、なんて社会人も、今でもやってるよ、もっとやりたい!そんなみなさんも。是非一緒に島根の演劇を盛り上げましょう。楽しい舞台を一緒に作りましょう。

ご応募お待ちしてます。

島根の演劇をもっと活発に、もっと楽しく。
これからも天神幕劇、シンゲキの活動をお見逃し無く。

長くなりすぎましたね。
途中文章がクシャクシャかもしれませんが熱が出てるってことで許してください。
まだまだ話したいことは尽きませんが、続きは舞台で。

それでは。

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