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強すぎる数え歌【毎週ショートショートnote】

「あなた、この子の面倒見ててくれる?」

「おう。わかったぞ」

私の夫は剣道をやっていて、筋肉もあり体ががっしりしている。子供の面倒もよく見てくれる良い父親だ。しかし、時々茶目っ気が過ぎるときがある。

「ねぇ、パパ。あれ歌って」

「あれってなんだい?」

「あの数え歌を歌ってよ」

「ああ、あれか。しょうがないな。歌ってやるか」

「やったあ」

夫がおもむろに立ち上がり、剣道の素振りの格好をした。

「一本でも木刀~♪

2本でも木刀~♪

3本でも木刀~♪

4本でも木刀~♪

5本でもゴリラ!」

『木刀~♪』のところは剣道の素振りをしていたのだが、ゴリラ!と言うと同時にゴリラのモノマネをした。

「うっほ、うっほ」

「ははは。パパ、面白ーい」

「ちょっと!あなた!クセの強すぎる数え歌はやめてくれる。子供がマネしたらどうするの!」

「ごめん。絶対にパパのマネはしたらだめだぞ。じゃあ、ゆりかごの歌でも歌うか」

「歌って~、横抱っこもして~」

「お前はもう小学生だろう」


(410字)


たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

※多忙につき、何も思い浮かびませんでした。


*この記事は、以下の企画に参加しております。


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