見出し画像

にっぽんぐるぐる鉄道の旅 〜筑肥線東部編2〜

◆◆筑肥線東部を走る車両たち◆◆

こんにちは。Y.K.と申します。
令和6年も、皆さまに鉄道の魅力をお伝えしていきたいと思います。
何卒よろしくお願いいたします。

 前回の記事では、筑肥線のうち唐津~姪浜の歴史について紹介しました。
今回は、そんな筑肥線の唐津~姪浜を走る車両について紹介します。

 現在の筑肥線では、筑肥線と地下鉄空港線の双方を走れる車両が走っています。しかし、これらの車両はJR九州保有の車両であっても他の路線へそのまま入ることはできず(ただし、筑肥線の電車が乗り入れる唐津線の唐津~西唐津は入線できます)、逆にJR九州のその他の路線で活躍している車両が筑肥線にそのまま入ることもできません。つまり、これらの電車は筑肥線と地下鉄線内でだけ見ることができる車両ということです。
まずは、筑肥線を管理するJR九州が保有する車両を見ていきましょう。

303系 (撮影地:筑肥線 波多江~周船寺間 撮影者:裏辺研究所様)

 303系は、1999年に誕生した筑肥線・地下鉄空港線用の電車です。当時のJR九州ではコーポレートカラーである赤色を配色した電車を多くデビューさせており、この303系も随所に赤色が散りばめられています。

デザインはJR九州で数多くの車両デザインを手掛けた水戸岡鋭治氏によるものです。6両編成3本しかなく、特に地下鉄線内では見つけられたらかなりラッキーな部類になっています。ちなみに筑肥線車両では筆者の一番お気に入りの車両で、特に発車・到着時の音が好みです。

305系 (撮影地:筑肥線 今宿駅 撮影者:Y.K.)

 305系は、2015年に誕生した筑肥線・地下鉄空港線用の車両です。大先輩である103系1500番台(後述)の後を担う目的で製造され、導入後は305系と先輩の303系で、筑肥線のうち地下鉄空港線へ乗り入れる運用を全て担当することになりました。

 この時代になるとJR九州では真っ白な車体に黒い前面の車両、817系2000番台を製造するようになり、鉄道ファンからはそのデザインから「白缶」と呼ばれていました。305系もそのようなデザインで登場しましたが、この車両を「白缶」と呼ぶ方は少ないようです。303系に引き続き、水戸岡鋭治氏がデザインされました。JRグループで量産された車両としては初めて、走行機器に「PMSM」という装置を採用しており、これまでのJR九州の列車では聴けなかった不思議な音色を奏でながら走行します。

103系1500番台 (撮影地:筑肥線・唐津線 唐津駅 撮影者:Y.K.)

 103系1500番台は筑肥線と地下鉄の相互乗り入れを実現させるべく、1982年に誕生した車両です。現在は3両編成のみが在籍しており、唐津・西唐津~筑前前原間で運用されています。
 103系自体はかなり歴史があり、1963年から東京の山手線や京浜東北線、大阪環状線など関東・関西の大都市圏の路線で活躍していました。製造当時の国鉄では、地下鉄直通用車両として既に103系よりもかなり後輩となる203系が東京の常磐線各駅停車・営団地下鉄(現在の東京メトロ)千代田線に投入されていました。しかし、コスト面などの理由から203系ではなく103系の新しい番台を導入することとなり、103系としてはかなり末期の導入となりました。103系では既に地下鉄対応車両が存在していましたが、筑肥線に導入された車両はそれらとは全く異なり、後輩である201系や105系のデザインを組み合わせたようなスタイルになりました。現在は後輩の303系に似た色で走っていますが、製造当初は青い車体に白い帯という現在と全く異なる色で走っていました。
 また、当初は全て6両編成で走っていましたが、後に一部編成が3両編成2本に分割されました。3両編成は単独では地下鉄に入れないため、唐津・西唐津(唐津線)から筑前前原まで運用されました。また、3両編成2本を繋いだ6両編成であれば地下鉄へ入れることを活かし、唐津・西唐津から筑前前原までを3両編成で走り、筑前前原で3両編成1本を繋いだ6両編成になって地下鉄へ乗り入れる列車にも使われていました。

 21世紀に入ると、103系1500番台の老朽化による故障が目立ち始め、特に地下鉄線内で故障が多発していました。また、地下鉄線のATO(自動列車運転装置)やホームドア、自動放送などの最新システムに対応していないことから、車掌の手配や運転士の技術的負担など、福岡市交通局側の人的負担も増大していました。これを受けてか、先述の305系が導入されたことで地下鉄線から撤退。筑肥線の筑前前原~姪浜間からも、この区間を走る列車が必ず地下鉄線に入ることから撤退しました。混雑しやすい区間である地下鉄線と福岡市近郊から撤退したことで6両編成である意味も必要性もなくなったことから、6両編成は老朽化もあって全て引退。現在は3両編成の数本が使用されています。

 本記事を書いている間(2023年8月)に、JR九州より103系1500番台の製造当初の塗装を復刻させるとの発表がありました。製造当初の青色に白帯の車体が復活するようです。また、国鉄ロゴ(JNRマーク)も復活します。8月6日にお披露目イベントを行い、8日に営業運転を開始するとのことです。とても楽しみ…!

今回は以上となります。次回は筑肥線の駅をご紹介します。

この記事が参加している募集

ふるさとを語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?