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悲喜こもごも4 〜シネマ法話 『グーニーズ』より〜

「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」

『仏説阿弥陀経』(『浄土真宗聖典』p.122)

今回のご讃題は、阿弥陀様のお浄土に咲く蓮の様子が説かれた部分です。

この「青色には青き光、黄色には黄なる光、赤色には赤き光、白色には白き光あり。」というお言葉は、すでに私たち一人一人がそれぞれの色を持ち、光り輝いていることを教えています。それは、生きる喜びの姿であり、他と対立することのないものの姿です。

このご讃題の言葉のように、登場する人物がそれぞれ輝いて、個性を発揮している映画を紹介します。

『グーニーズ』

1985年製作 / アメリカ
監督:リチャード・ドナー
原作者:スティーブン・スピルバーグ


落ちこぼれ少年団「グーニーズ」が、伝説の大海賊「片目のウィリー」が隠した財宝を探す冒険を描いた不朽の名作です。

「グーニーズ」のメンバーは

・マイキー
幼い頃から毎晩のように父に聞かされた海賊伝説の影響を受け、冒険を夢見る少年。

・マウス
お調子者で、悪ぶっている少年。大人の口真似や駄洒落の天才で、それでいつもトラブルを起こすため「マウス(mouth=口)」のあだ名を持つ。

・チャンク
ピザとお菓子が大好物。おっちょこちょいで、手に持ったものをすぐに落とすなどして壊してしまう。しかしこの「特技」がときに役立つことも。

・データ
発明が趣味の少年。科学技術に関して大人顔負けの知識を持つことから「データ」のあだ名を持つ。しかし彼の発明品の多くはテスト中で、まともに作動しない。

少年たちが冒険を通して成長するという王道のストーリーながら、キラキラとした夢がたくさん詰まった唯一無二の名作です。

私たちは他人よりも勝れたものを持つことが、光り輝いて生きることのできる条件だと考えています。しかし、他人にはない勝れたものと言っても、結局のところ比較の問題にすぎません。この他人と比較する心から解放されない限り、私たちは本来の輝きを取り戻すことは出来ません。そのためには「全てのものはもともと繋がりあって共に生きるものである」ということに目覚めることが重要です。
だからこの阿弥陀様のお浄土に咲く蓮の花の有様を語った「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」というお言葉は、お互いに傷つけ合うのではなく、助け合って生きることが自分らしく光り輝いて生きることを実現する道なのだと教えているのです。

「グーニーズ」の個性あふれるメンバーが、お互いに助け合い様々な困難を乗り越え財宝を探す姿に、この映画の魅力を感じると共に、他人と比べ他の何かになる必要はなく、もともと輝いたいのちだったと、私が私でよかったということに気付かせて頂いたことでした。

合掌


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