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Make Your Life Colorful 〜日常を彩る絵本の力

 ある日の朝、あなたはいつも通りお子さんを連れ、園に送り届けるために歩いています。ふと、お子さんがその場にしゃがみ込みました。見ると、コンクリートの隙間から生えた小さな花を触ろうとしています。さて、あなたはこんな時、何と声をかけますか?

「きれいだね」「なんていう花かな」あるいは急いでいたら「ほら、早く行くよ!」だけで済ますかもしれません。でも、ある絵本を読むと、話しかける選択肢にこんな言葉が加わります。

「じっちょりんが、植えたのかもね。」

「じっちょりん」という人間が気づかないくらい小さな生き物が、実は花の種を至る所に植えて歩いている…というお話です。この本を読むと、あら不思議。今まで素通りしていた道端の”雑草”と呼ばれるような野花に目がとまるようになる。現実にはいないと分かっている”じっちょりん”の存在を、つい子どもと一緒に妄想したくなります。


あるいは、こんな絵本。

ハブラシを電車に見立てて、お口の中をしゅっしゅっと歯磨きしながら走るお話。もちろん「歯磨き嫌いが治る」なんて虫のいい話じゃありませんが、「列車出発しまーす!」なんて言いながら歯磨きすれば、ちょっと楽しいじゃないですか。


こんな風に、絵本は日常の捉え方を少しシフトさせる。

毎日くりかえす「同じこと」に、ご機嫌の種をばらまいて、ファンタジーやユーモアの花を咲かせてくれます。
 
 朝起きてから、夜眠りにつくまで。普段のささいなシーンを切り取った楽しい絵本はたくさんあります。大事なのは、その面白みや想像力が、子どもにも大人にも「余裕と笑顔」をくれること。

それはまるで単調な生地に色とりどりの糸を織り込むように、私たちの日常を色鮮やかにしてくれると思うのです。


2020.11.1. SUN
音楽とアートのイベント「WEAVE!」に寄せたコラム
(「WEAVE」は「織る」という意味です。)

weave! えほんコラム

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