見出し画像

「子どもは別の人間」を受け入れられない私たち

先日、自分のプライベートのSNSで、愚痴混じりに吐き出したことが、何だか思った以上に共感してくれる声が多かったので、まずそのキャプションを一部抜粋して載せます。

**********

朝から子ども達に爆発したからちょっとエスケイプした。コメダ覗いたら満席レベルで過密だったのでコンビニにて。コーヒー飲みながら気を落ち着かせてイライラの原因を探る。

①ホルモンバランス不良
②旦那の言動に対するプチ不満
③ちゃんとしようと頑張ったのに子どもが思う通りに動かなかったこと

この「思う通りに動かない」が肝。イライラの原因は大体これ。よし!今日はアレしてコレしてこんな風に過ごそう!と予定たてたりイメージしても、大概は上手くいかない。子ども達は私じゃないのだから、思う通りに動くわけないのに。

はい、整理できた。

やっぱり少しでも離れて冷静になるって大事だな。これで「なんてダメな親なんだ私は〜!」って考えだすと負のループで何も良いことない。

逆に、冷静になって気持ちを整理できた自分偉い!と思うことにする。これ、昔だったら絶対考えられなかったな。 「ちゃんとする」のも辞めて、のんびり過ごします。

**********

「子どもは私じゃないから親の思う通りに動くわけない」

コメントが多かったのはこの言葉について。多分、「わかっちゃいるけど忘れがち」なことで、「なんでこの子はこうなの?なんでこんなことするの!?」と悩んでしまう親が多いのだと思う。わかる。本当によくわかる。別の思考を持った別の人間なんだという大前提をつい忘れて、困らされたり、驚かされたり。「上手くいかない(=思った通りにならない)」というストレスが蓄積する。

それから数日後、全く別の件で友人からメールが来た。実の母親が育児に口を出すことへの不満(愚痴?)だった。「子どもはいつでも親の言う通りになるわけじゃないのにね、別の人間だもんね。」という話をした。私たちが我が子に接する時もそうだし、彼女の母親が彼女の育児を批判することについても、同じことが言えると思う。

彼女は「自分もエゴイストなのかも」と言い始めた。私は「人間誰しもエゴイスティックな部分はあるんじゃないか」と返した。そう、そうだな。それが一番顕著に表れがちなのが、子育てなのかもしれない。

子どもは自分の所有物じゃない。なのに、親はコントロールしたがる。「我が子のために」良かれと思って、心配だと言って、エゴを押し付けてしまう。誰しもが陥りがちなことだと思う。

自分にエゴがあること自体を責めても仕方がない。娘(4歳)なんか見てると、本当にエゴの塊だ。丸出しなのだ。よく、イヤイヤ期はしんどいけど、成長には必要なことだと聞く。自我はきちんと発達すべきなのだ。その上で、相手に嫌な思いをさせていないか考えられるようになったり、自分の勝手を押し付けた結果、最終的に誰もいい気持ちにならないという不毛さを学んだりしなければならない。愚かなことに、大人になっても、時に子どもに対して同じことをしてしまう。今のはエゴかな?押し付けだったかしら?そんな風に省みたり、ちょっと立ち止まって考えることができるようになるしかない。4歳児と比べて、大人らしい視点を持てるとしたら、そこなんじゃないのかな。

子どもは別の人間。だから訳の分からんことを思いつく。突拍子もないことをする。親がいいと思ったことも嫌だという。当たり前だ。思考が違うのだ。だからそこに「なんで?」は必要ない。ただ、受け入れるしかない。子どもは自分ではないということ。そして、自分にもエゴがあるということ。

受け止められると、ちょっと楽になる。頭の中の大前提が変わる。自分に無理を強いないようになる。そうすると、家族に対しても同じように無理を強いないようになる。エスケイプして一人でコーヒー飲んだ日は、そういうことに気づけた日だった。朝から子どもに嫌な態度をとってしまったけど、意味があった日だった。

これからも子ども達に沢山困らされることがあるだろう。夫に苛立つ日もあるだろう。私のエゴもまたちょくちょく顔を出すだろう。それでも、私の周りの愛すべき「別の人間」に、興味を持って、面白がって、関わっていきたいなあと思う。

人との違い、文化や常識の違いに気づかされてハッとする。こんな絵本もおすすめ。

ぼく・わたしの得意なこと、苦手なことは何?高畑那生さんの大胆な色使いの絵が、アーティスティックでちょっとユーモアがあって印象深い。みんな違いがあって当たり前だよね、とシンプルに伝えてくれます。

両親の転勤で5カ国の小学校を体験するナージャのお話。授業も、教室の様子も、持ち物も、国によってぜーんぜん違う!特に日本の特異性と言ったら!これを読むと驚きます。常識の枠が気持ちよく外れて、楽しい発想に繋げてるれる本。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?