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stay home が息苦しいあなたへ


はい、私です。

いや、自分のことかい!ってツッコミも甘んじて受けますが。同じように感じてる人もきっと多いはず。特にお子さんがいる家庭は、学校も保育施設にも行けなければ、友達と遊ばせてあげられない。お出かけも、外食も、買い物も、神経使うし思う通りにできない。家は家で在宅になった旦那が仕事してるし気を使う。こんな生活、なかなか経験したことがありません。正直しんどいよね、そりゃ。

この環境になって、猛烈に読みたくなった絵本があります。

「はやい」ってなんだろう。ウサギは はやいかな。たしかに カメよりは はやい。でも、ツバメよりは おそい。「はやい」とか「おそい」っていうのは、なにかに くらべて いえることだね。(冒頭文より)


「このよでいちばんはやい」のは何か?を探っていく科学絵本。人間、ダチョウ、イヌ、カモシカ…様々な種類の動物、魚、鳥、新幹線。順々に早いものを追っていき、ついには音、地球の自転、光にまで話は及ぶ。

ーこのうちゅうのなかには ひかりより はやいものは ないと かんがえられている。だが、そのひかりより もっと はやいものがある。ー

…何だと思いますか?


それは、人間がの頭の中に何かを思い浮かべたり、考えたりする力

「想像力」

ーうちゅうの はてにある ほしにも、なんびゃくねんさきの みらいの くにへも、いなかの おじいちゃんや おばあちゃんの いえへも、にんげんは そうぞうりょくの つばさを つかえば いっしゅんのうちに いくことができるー

科学からは飛躍してるかもしれない。でもこれ、なかなか素敵な回答だと思いません?

この巣ごもり生活を続けていて、ひとつ良い発見がありました。

それは、子ども達の逞しい想像力。

通う場所もなく、友達とも会えない毎日。退屈で持て余すんじゃないかと心配でした。ところがどっこい。子ども達は「暇だ」「することがない」とは一言も言いません。気づけば兄妹で、やれキャンプだの、お店屋さんだの、何かしらごっこ遊びしていたり、自由なひらめきで折り紙やら工作やら始める。もちろん、TV、DVD、ゲームもやります。でも結局その中のことを真似したり、何らかの発想を得て遊び始める。眺めていると、想像は飽くことがないのだなと感心します。

(無論、ケンカの勃発率や生活リズム、勉強時間・運動不足なんかの問題・課題も満載ですが…涙)

遊びを発展し続けられる理由は何なのか?兄妹という遊び相手がいるからというのもあるだろうし、6歳・4歳というお年頃かもしれない。今までの幼稚園での先生やお友達との関わり、その蓄積もあるでしょう。後は、やっぱり、絵本が育んでくれたものも大きいのかなあと思っています。

東日本大震災の後、絵本を読む習慣のある子どもは、PTSDになりにくかったという統計もあったそうです。これは以前、児童文学の翻訳家・小宮由さんの講演会で伺ったことですが、その時小宮さんは「絵本は、心も強くしてくれる」と仰っていました。心を強くする、というのは、もしかするとその要素として「想像力」があるのかもしれない。不安や心配に心が染まりそうな時、「想像力」がそれを打ち消す手助けをしてくれるのかもしれません。

結局、不安と倦怠で息苦しくなっていたのは大人の私だけだった、という話。

毎日家事だけでも大変だし、オンライン飲み会で発散とかも楽しいけど、こういう時こそ読書とか音楽で、心静かに、自分の想像力で楽しむのが良いのかも。

これ、部屋の整理してて出てきたんですが、久しぶりに詩も良いいなあと。

左から読むと絵本、右から読むと大人向けの詩集。谷川俊太郎さんの詩はもちろんだけど、写真家の吉村和敏さんが過ごしたプリンスエドワード島の早朝の描写も美しくてうっとりします。

ープリンス・エドワード島の丘の谷間に、ひっそりと隠れるように小さな湖が点在しています。ある夏の日、僕は早起きをしてその湖への出かけて行きました。 闇がとけた静かな湖面には、水鳥のつがいが気持ちよさそうに泳いでいました。やがて東の空から朝陽がさしこむと、あたり一面にうっすらと漂っていた朝靄が、まぶしい金色の帯となって勢いよく舞いはじめたのです。ー(「あさの不思議な力」より)


自然描写が美しいと言えば、この絵本も。

山に囲まれた湖畔で、夜明けを迎えるその時の風景を描いた名作。静かな感動に包まれます。心からおすすめ。

大人も、想像の翼を広げて旅に出よう!



大人が楽しむためのオンラインLiveイベントも開催します。



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