進藤綾 子

空想のはきだし口。

進藤綾 子

空想のはきだし口。

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  • ショートショート

    なるべくオチツイテ書くようにしています。

  • 星のごちそうタマゴ

    おもてなし上手の寿司屋の大将。わがままな客の無理難題な注文にもお得意のアイデアでうならせる。ある日、自分にしか見えない不思議な客と出会い、そこから新しい挑戦の食べ物語が始まる。

  • ショートストーリー

    ショートなストーリです。

最近の記事

自信持って!料理苦手なあなたの料理で美食家の私は満足できますよ。

私は、比較的早くに料理を初め、料理するのを苦とも思わないタイプの人で、惣菜業界や飲食業界の調理現場で働いた経験のある料理人で、寿司も握れるし、食べることも大好きなグルメ野郎で、和食やフレンチを愛する美食家で、舌が繊細で・・・ はい、もううんざりですね。 要は、食べるのが好きで、料理も好きな人間です。 なんか「めんどくさそうな人」と思った方もいるかもしれません。 そんな私がですよ、食に対する経験値がそこそこ高めの私が一番好きな料理は何ですか? ってことなんです。 美食家の好

    • 26歳で去った遅刻魔

      遅刻をするのには理由があるし、 遅刻をしないのにも理由がある。 無条件・無意識にそうしていると思っていても、 深堀りすればその理由は見えてくる。 遅刻は直そうと思えばいつでも直せる。 逆に言えば、デメリットを感じなければ直そうとしないので、 直らないし直さない。 遅刻する人(私)の神経 私は、小学校の低学年から26歳まで、よく遅刻をする人間だった。 理由は何か? 「朝が起きられない」もしくは、 「朝、起きたくない」 これが大半である。 ちなみに、昼や夜の予定でも遅

      • 【ショートショート】シルバー人材

         いつしか、この国の高齢化率は50%になろうとしている。医療や化学の発展で健康寿命は延びた。しかし、今は誰にもしばられない自由主義であることが若者のステータスである。結婚ましてや子どもを持つことは、極めて稀であり、少子高齢化は誰にでも予想できる当然の結果である。もちろん私自身も、結婚する気は全くない。  私は、トキタマモル四十八歳、不動産屋に勤めるサラリーマンである。私の家族は、九十歳の父一人だけで、他の身内はもうこの世にいない。母は私が子供の頃に事故で亡くなった。高齢者の運

        • 【ショートショート】異星人とルール

          「この星に住みつくのは我々にとって、たやすい。ただし、地域ごとに定められているルールは絶対に守る事。そうでなければ、大変な事になるからな。」 「余裕っすよ!オレはこの”日本”ってとこに住みつこうと思う!」 「おいおい、大丈夫か?その国は地球でもトップレベルのルールの多さだぞ。」 「大・丈・夫!ルールが多いってことは、逆に言えばルールさえ守ってれば溶け込みやすいってことだよ。」 「まあ、好きにしろ。あとは、接触だけ気をつけろよ。では解散!」 オレは、ついに日本に踏み入れた。

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        • ショートショート
          15本
        • 星のごちそうタマゴ
          14本
        • ショートストーリー
          4本

        記事

          ワイルド潔癖

          私は、清潔の基準に癖がある。 子供の頃、古く狭い賃貸住宅で家族五人と猫二匹、犬一匹で賑わいのある暮らしをしていた。 片付け名人も、極度のきれい好きもいないので、家がきれいな状態であることは稀だった。 それに時は昭和。風呂だって毎日は入ってないし、それがスタンダードと思ってしばらく過ごしてきたのだから総合的に「きれい」の基準値は低かったと思う。 なんせ、食べ物が床に落ちたって謎の3秒ルールじゃないけど「ふっ」ってして口に入れてしまえば何事もなかったかのように過ごせるのだから。

          ワイルド潔癖

          日本代表として挑む不思議時間

          昔、外資系企業に勤めていた頃、年に一度選ばれし社員が株主総会をメインとした研修に参加するため、アメリカに行くという一大イベントがあった。 世界的なグループ企業ということもあり、各国からメンバーが召集される。当時の日本の枠は約100名だったから、かなり太っ腹なイベントだと思う。どのようにして参加者が選ばれていたかは不明だが、少なくとも年功序列や役職順ではなく、なんらかの推薦なんだと思う。 ある年、その大イベントになぜか私が選出された。約一週間の大規模な社員旅行と思っていたが、そ

          日本代表として挑む不思議時間

          石橋はさっさと渡ろう

          元来、考え事は得意だが、行動に移すことが苦手だ。 心配症なのか、想像力があり過ぎるのか、石橋を叩いて叩いて渡れずじまい。 要はビビり。 しかし、限られた人生、悠長にもしていられない。 やらない後悔より、やって後悔の方がまだ良い。 そんな訳で、今年はスピード感ある前進と自分自身のバージョンアップをすべく「動」というテーマを掲げる事にした。 主軸とする3つの「動」 1.積極的に動く ・沸いたアイデアは試してみる ・経験を積む ・すぐやる ・気になっている場所へ足を運ぶ 2

          石橋はさっさと渡ろう

          海外と 転職の一歩 渋る足

          海外旅行と転職は、頭をよぎることはあっても、なかなか実行に移せないという点で似ていると思う。 ちなみに私は両方経験しており、どちらも初めての時は、実行に移すまで何年もかかったが、二度目はいとも簡単に実行することが出来た。 海外へ踏み出す勇気 私が海外旅行のハードルを高く感じていた理由は主に4つである。 ①まとまった休みが取りにくい ②お金がかかる ③英語が話せない ④楽しみよりも不安が大きい しかし、これらを払拭できる考え方があります。 少しでも「海外旅行に行ってみ

          海外と 転職の一歩 渋る足

          異国風日本料理~自己満を添えて

          私は、子供の頃から適当な料理を作り続け、家庭料理人歴25年を超える。 料理を作ることは嫌いじゃないし、食べることも好きなので、外食して美味しかったものは自分で作ってみたりもする。 ちなみに、惣菜屋、居酒屋、寿司屋でも働いていたので多少の引き出しも持っている。 ただし、レシピ通り作ることや、計量することが苦手で、ちゃんとやろうとするとイライラしてしまう弱点がある。 そんな私が、初めての料理をする時の手順はこうだ。 ①人のレシピを3つ程見る ②頭の中で出来上がりを想像する

          異国風日本料理~自己満を添えて

          25年振りに1日も働かなかった1年

          はじめにお断りしておきますが、心身ともにいたって健康でございます。 30代の頃、異動や、上司、社長、会社の方針が変わった事をきっかけに働きがいを見失い転職を考えた。 もっと自分のスキルを生かせる仕事は無いか? もっとワクワクする仕事は無いか? 一度考え始めると最後。 ことある事に頭の中で無限ループのように考え続けてしまう。 しかし、厄介なことに、その当時の給料が良かった。 週休二日、定時帰宅、有給休暇100%消化、おまけに人間関係の悩み無し。 それでも、やりがいを求

          25年振りに1日も働かなかった1年

          変人の 伯母を持つ子の お年玉

          私には、小学生の姪と甥がいる。 この子らは、妹の子供であり、私の両親にとっては初孫である。 私を含め、直属の家系においても、孫はこの二人が唯一無二の存在なので、 いっそう可愛がられて当然だし、大切に思っている。 しかし、私はお年玉をあげたことはない。 お年玉は、ありがたい。 もらって嬉しいに決まってる。 親も、子も。 私も、もし遠方に住み、しょっちゅう会えない状況にいる祖母の立場ならお年玉をあげるかもしれない。 もしくは、本当に親戚が居なさ過ぎて、お年玉があるかないかは私に

          変人の 伯母を持つ子の お年玉

          【物語】星のごちそうタマゴ #14 エピローグ

          「へいらっしゃい!」 「出汁巻き卵風ちょうだい」 「あいよ!」  威勢の良い高音が響き渡った。厨房に入った大将は出汁巻き卵風を作ろうとコンロに向かった。 「ところでさ、その口調、ぜんぜんオヤッサンに似てないし、いつまでやる気?」 「えーっ!まじ?ってかさ私が良かれと思ってやってんだからいいじゃん!あんたに言われる筋合いないの!」 「そりゃそうだけどさ。でもオヤッサンがこの店で異星人達に料理を振舞っているところ見てみたかったな。」 「日本でのお父さんとたいした変わらないと思うけ

          【物語】星のごちそうタマゴ #14 エピローグ

          【物語】星のごちそうタマゴ #13 準備

           眼下に広がるのは、宇宙に浮かぶ地球だった。しかも、すぐそこにある。ヤシス星は、本当に地球に一番近い星なんだなと思った。オヤッサンは滅多に見れないこの光景を目に焼き付けるべく眺めていると、ふと視界に小さな星が、至近距離にあることに気が付いた。 「あの隣にある小さな星は、ひょっとして、どこだかの異星人が作ったという新しい星ですかね?」 「あれは、ヤシス星です。」女王様は答えた。 「ええっ?そうすってぇと、今居るこの星は・・・?」 「新しい星です。先ほどワープしてきました。地球

          【物語】星のごちそうタマゴ #13 準備

          【物語】星のごちそうタマゴ #12 地球観察

           オヤッサンの店は連日、異星人たちで繁盛していた。すでにたくさんのヤシス星のお客さんが常連となっていたが、時々ヤシス星以外の星からくる異星人の予約も少なくなかった。あまりにオヤッサンの料理が求められ盛況なので、2号店を出す事が決まって、建設が進んでいる。大きなイセイジンは、オヤッサンの一番弟子となり、すでに料理をマスターしていた。新しい従業員を雇い、料理を教えたり、オヤッサンの料理を再現できるマシンを開発したりと忙しくしている。そんなある日の事である。 「大変大変!」 そう

          【物語】星のごちそうタマゴ #12 地球観察

          【物語】星のごちそうタマゴ #11 試験

          「お、お客様!まだ開店前です!無茶を言わないでください!どうかお引き取りください!」  店先で、イセイジンが何者かと、もめている声が聞こえた。オヤッサンが厨房の外へ出てみると、でかくていかつい異星人が店のドアを無理やりくぐって入ってきた。オヤッサンは考えるより先に「へいらっしゃい!」と言ってしまい、直後あわてて「あ、いけねぇ・・・」とぼそっと呟いた。ドアが開くと反応してしまう職業病の一つだった。 「ほら、いらっしゃいと言っただろう。何をごちゃごちゃ言ったりして。」 そのお客さ

          【物語】星のごちそうタマゴ #11 試験

          【物語】星のごちそうタマゴ #10 試作

           オヤッサン達は、昨日”おもてなし”を受けた店に来ていた。厨房は広く、見たことのない調理機器がずらりと並んでいる。イセイジンが袋から収穫物を取り出すと、どれも元の大きさに戻っていった。 「さて、イセイジンさんよ、この食材達の取り扱い説明をよろしく頼むよ!」  オヤッサンはやるぞという感じで腕まくりをして言った。 「わかりません。昨日お話しした通り、私達は料理を食べません。その食材も栄養成分はわかりますが、最終的には乾燥させた物を、いくつかの食材と合わせて配合しサプリメントとし

          【物語】星のごちそうタマゴ #10 試作