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4Pか4Cか、それは問題か?

マーケティングに関して学んだことがある人はマーケティングミックスとして4Pについては誰もが知っている理論かと思います。しかし、最近は「4Pは古い、これからは4Cだ」ということがよく言われます。

4Pは製品(Product)、価格(Price)、販路(Place)、販促(Promotion)の提供側からの視点であるのに対して、4Cは顧客価値(Customer Value)、必要コスト(Cost)、入手の利便性(Convenience)、双方向コミュニケーション(Communication)という顧客視点です。

この観点からみれば、戦略を立てる段階では顧客視点で立てる方が望ましいといえます。実際、顧客が製品やサービスを購入するわけですから、顧客は製品の機能だけではなく、所有していることで得られる価値に興味がありますし、実際に購入する際の価格だけではなく、所有したり使用することでかかるコストを考えます。最終的に顧客に響く戦略は4Cを通して導き出されることになります。

しかし、実際の製品戦略や価格戦略は4Cで明確にできるかというとそうではありません。最終的に製品の使用を決めるには4CでいうCustomer Valueでは具体的製品のイメージは作れませんし、4CでいうCostに関しては販売価格以外のコストに関しては、自社に入ってこないものも非常に多いため、価格戦略とは関係のない部分になってしまいます。また、Communicationも双方向のコミュニケーションばかりになってしまうと、とてつもなく効率が悪くなってしまいます。

そう言った意味で、現実的には4Pか4Cかの二者択一ではなく、両方併用していく形になります。ざっくりいうと、戦略レベルを考えるには4C中心で、戦術レベルは4P中心で考えていくのが落とし所だと思っています。この場合においては、古いものは捨てて、新しいものへ全振りっていうのは危険だなと思った次第です。

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