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「けしからん」という感情とどう向き合うか

TVのワイドショーや雑誌で、事件やゴシップネタを扱う際に、「けしからん!」と思ったことないですか?まぁ、そもそも「けしからん」という言葉を日常生活で滅多に使うことはないと思いますが、感情としてはよく感じるものかと思います。

例えば、電車でマナーの悪い人を見かけたり、仕事での時代遅れの手続きだったり、意外と「けしからん」という感情はよく自分の心に現れてきます。この「けしからん」という感情は怒るほどではないけど、不快感を感じるような感情です。そして、自分には特に影響のない状態でも感じてしまう感情の変化です。

そして、厄介なことにこの「けしからん」という感情は、感情の変化の中でもかなり容易に他人に起こさせることのできる感情の変化です。なぜなら、一般的なモラルに大きく反する事柄を提示することで、一般的なモラルを持つ人はそれに対して「けしからん」と簡単に思ってしまうからです。人を感動させたり、喜ばせたりする事に比べればいかに容易かというのは想像がつくと思います。

で、なぜ今日はこの「けしからん」という感情について話しているかといえば、人の感情が動く時、人は行動を起こしやすくなります。つまり、簡単に感情の変化を起こせる「けしからん」という感情は、便利な道具として使われることがよくあるのです。

で、この感情をうまく使っているのが、冒頭でも触れたTVや雑誌です。芸能人の不倫報道や、渋谷のハロウィンの話題など、事件性があるわけでもなく、自分には直接影響のないようなことで「けしからん」と思わせ、興味を引くという手法がかなり多く使われています。

これはTVや雑誌の専売特許かといえばそうでもなくて、B2Cのマーケティングなどでも使われています。例えば、エコな製品を販売するのに、「こんなに環境汚染をするような製品を使っているのはけしからん」と言った誘導を仕掛けます。もちろん、これは全くもって正当なメッセージングなので、問題があるわけではありません。

ただし、これをやりすぎると「あの企業は他の製品の批判ばかりしている」と言ったような印象がついてしまいます。さすがに企業ではその辺りはかなり注意していると思うので、あまり例がないですが、政治の世界では結構言われたりしてますね。

では、この「けしからん」という感情で流されてしまわないためにはどうするか。それには、そのけしからん事象を客観的に考えてみる事です。

まず、そのけしからんと言われている事象は他の側面はないのかを考えてみましょう。実は一側面だけを切り取って、モラルに反しているように見せて、実は別の事情があるという事はよくある話です。

加えて、自分との関係性を考えてみましょう。もし、その事象が自分と関係ないのであれば、その「けしからん」という感情は無駄遣いです。さらっと忘れるようにしましょう。

とはいえ、「けしからん」という感情は簡単に起こってしまう感情ですし、自分に影響がある場合もあります。そんな時は一呼吸置くことだけを心がけましょう。それでも何か行動したいと思うのであれば、行動してみるのも良いでしょう。

実際問題、自分に影響のあるような「けしからん」の感情は、物事の改善の原動力です。自分が動くことで改善につながるのであれば、積極的に動くことで、「けしからん」が解消できるかもしれません。

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