見出し画像

管理職の方必見! 「昇進うつ」「出世うつ」に気をつけて!

「昇進」という人生の転機は、自分の仕事が認められたように感じられ大変うれしいことですが、一方で責任や重圧といったストレスに見舞われることもあります。
責任感が強い人ほど自分を追い込んでしまいやすく、ストレスが長期化することでうつ病を発症させてしまうケースも少なくありません。
今回は、管理職の方に注意してほしい、俗に「昇進うつ」や「出世うつ」といわれるうつ病についてお話しします。


■「昇進」がうつ病になる理由とは?

昇進は突然決まることが多く、うれしさを感じる一方で、管理職になるという重責への不安やときに周囲からの妬みが感じられてしまうなど、予期せぬストレスも一緒に訪れます。
そのため、本人の気持ちが置き去りになってしまうケースがよく見られます。
また、昇進できる人は、まじめで几帳面な人も多く、しっかり結果を残そ雨と考える人が大多数です。
環境の変化に対応するため、プライベートな時間まで仕事のことを考えて自分を追い詰めてしまう傾向があります。

私たちは心も体も、オンとオフを切り替えることで、健康を保っています。
しかし、このように毎日24時間緊張状態が続いてしまうと、心身が消耗していきます。
神経がつねに張り詰めていると、眠っても疲れが取れない、食欲がない、不眠などに悩まされていく可能性が高いでしょう。
昇進という一見嬉しい変化であっても、うつになりやすい状態が比較的長く続きやすく、うつ病になってしまうリスクは高まりやすいとも言えます。

■昇進・出世でうつになる3つの理由

1.逆パワハラ

立場の強い者から弱い者に行われる「パワハラ」が社会問題になって久しいですが、昇進した方への「逆パワハラ」も近年注目を集めています。

これは、部下が上司からの指示を無視したり従わなかったりする行為、集団で示し合わせたように上司を無視したりする行為を指します。

新しい指導者への不満、以前の上司へのうっぷんを新しい上司にぶつける、上司という存在への嫌悪感など理由はさまざまですが、ハラスメントへの対応は非常に難しいものです。
昇進したばかりの方がどれほど頑張ろうと思っても、周囲の協力が得られなければ空回るばかり。仕事もうまくいかず、評価に響いてしまうこともあるでしょう。
こうした状態が続くことで、強いストレスがかかり、うつ病のリスクが高まっていきます。

2.部下の指導が思い通りにいかない

昇進すると、部下の指導やリーダーシップで悩む機会が増えます。
例えば、優秀なスポーツマンが優秀な指導者であるとは限らないように、部下の指導も向き不向きがあります。
肩書きがついた途端に、突然部下が指導できるようになるわけもなければ、部下もすぐに歩調を合わせられるわけではありません。

そのもどかしさが、じわじわと精神を追いつめてしまうこともあり、
部下との関係性が悪化することによってうつ病を発症するケースは多いです。

初めての経験が思い通りにいかないのは当然だということを忘れずに、部下の指導がうまくいかなくても自分を責めすぎないことが大切です。
また、自分のポジションが本当に向いているか、人事担当や自分の上長に相談し、ポジションを再度考え直してもらうことも一つの手段を言えるでしょう。

3.昇進したのに収入が下がる

管理職に昇進したことで責任が増えたけど、収入が下がってしまったという場合も、仕事を続ける上で大きなストレスになります。

管理職の中でも「管理監督者」に該当する立場の人は残業代が支払われません。
管理職になると基本給が高くなりますが、その基本給が「前基本給+残業代」の合計より少ないと、結果的に収入が下がってしまうという現象が起きます。

長い目で見れば、退職金が高いなどのメリットはあるかもしれません。しかし、働きざかりの今、管理職になる前より給料が下がってしまうと、仕事へのモチベーションも保ちにくくなります。

結果的にストレスが溜まっていき、食欲不振や不眠、悩みなどとともにメンタルにも大きな負担となっていく可能性があります。実質の収入が下がってしまうことが事前にわかるのであれば、現状のポジションを選択することもできます。
また、上長に相談することも一つの手段です。うつにつながるリスクが事前に判明している場合には、積極的に自ら予防することも重要です。

■管理職の方がうつ病になったときの待遇や昇進への影響

管理職の方がうつ病になったときの待遇や評価は、一概に決まったルールはありません。
復職するときの待遇も法律で決まったものはなく、各企業の裁量に任されています。

基本的には本人の希望が尊重され、病気を理由とした降格はありません。
うつ病も病気であり、病気は誰でもなる可能性があるためです。

ただ、長期休職ともなれば給料面への影響は免れません。
肩書きが変わって減給される「降格」、または肩書きは据え置きで無給となる「休職」を選ぶ必要が出てくるでしょう。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、産業医や産業カウンセラー、主治医などと相談して決めることが大切です。

肩書きや収入の変化は、昇進を目指して努力していた人にとっては、ショックも大きいでしょう。しかし、肩書きがなくても、あなたの評価が変わるわけではありません。
リーダー職から離れて1プレーヤーとして力を尽くし、のびのびと仕事ができることでさらなる飛躍をしていくケースもあります。

自分が求める仕事の在り方を考える良い機会にもなります。
焦らず、ゆっくりと考えていきましょう。

■まとめ

責任感の強い方は、自分が休職することによる周囲への影響を考えてしまい、不調を感じていてもなかなか言い出せない傾向があります。
しかし、そもそも体調不良になるほど忙しい業務をこなしている中で、さらに無理をすれば、それこそうつ病を発症させてしまう危険性があります。

うつ病を発症して休職するということにならないように、適度に休みをとってうつ病予防をすることも管理職の大切な心構えといえるでしょう。

もしうつ病を発症してしまったら、無理をするより早期治療と休息を取ることが最優先です。
休職中のうつ病改善には、短期集中で行えるTMS治療も助けになります。
TMS治療は、喜怒哀楽の感情や判断をつかさどる背外側前頭前野を磁気で刺激することで脳の機能を正常化し、うつ症状を改善する治療法です。
治療時間は約20分と短く、体への負担が少ないだけでなく副作用もほぼありません。
個人差はありますが、最短1ヶ月半で治療が終了しますので、早期の回復のためにもTMS治療も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

うつ病の治療も大切ですが、最も心がけるべきことは「うつ病にならないこと」「うつ病になる前に防ぐこと」です。
不調を感じたら一人で悩まず、会社の産業医やカウンセラー、心療内科・精神科に相談してストレスを溜め込みすぎないよう手を打っていきましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?