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短編小説

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2021年9月の記事一覧

最後に

最後に

 最後にしなくては。もうやめなくては。
 あうたびにそうおもい、そうしようと心の中だけで決めただけで、顔をみるとつい、好きが溢れ過ぎてしまい、なあなあになってしまっていた。
 7年と少し。
 おもいの他長く付き合ってしまった。過去形。わたしと修一さんはもう終わったのだ。

「ごめん」
 行為をしても最後まで果てることができなくなることが多くなってきて、いつも気まずい雰囲気になりだから、そんないいよ

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シソの葉っぱ

シソの葉っぱ

 美容師のおとことはあわないと決めたのは彼の性格が嫌いだったし、俗にいう肌があわないというのもあったし、なによりも、あのひとはその気がないとおもうけれどときおりすごく傷つくことをいってくることだった。
 けれど、出会って約1年以上たち、わたしの髪の毛をわたしのしたい髪型をわたしが似合う髪型を魔法のようしてくれるひとは結局このひとしかいなく、お客さんで彼のいる職場(美容院)に髪の毛を切りにいった。

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熱

『2回目接種完了』
 30日に修一さんからメールがくる。
 2回目の集団接種だ。打つとはきいてはいたけれどそれがいつなのかはきいてはいなかった。
『そうなんだね』
 いつもならそのような返信を返すけれど、メールのが届いた時間が18時といういやに半端な時間だったため、自宅にいたらまずいなとおもい返信をためらいそしてやめた。
 こうゆうとき気軽にメールおよび電話はできない。修一さんがビジネスホテルに泊

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