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光を意識して異常を捕捉しよう 第0話

自己紹介

はじめまして!
株式会社アダコテックでエンジニアをしている井上です。弊社は、製造業向けの異常検知AIソフトウェアを提供しています。
私は以下を主に担当しています。

①お客様から提供していただいた画像/動画データの分析
②検査対象の撮像に苦戦しているお客様に対して、最適な撮像および照明条件を提案

特に②は、学生時代から光学を勉強してきたことと、前職ニコン時代に検査自動化のための設備設計開発を7年間経験してきたことにより、とても得意としています!

高専:電気専攻、レーザーを利用した研究。
大学:電気専攻、光ファイバーを利用した研究。
大学院:電気専攻、大学時代の研究を応用し国立天文台とコラボ。
ニコン:設備設計開発、カメラを利用した設備の設計開発を主に担当。

"光"って意識していますか?

みなさん、朝はどのように目覚めますか?

そうですね、日の光がカーテンから差し込んできて、その明るさで気持ちよく目覚めますよね?
えっ!アラーム音で目覚めるって?チョットナニイッテルカワカラナイデスネ・・・

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お仕事では、モノを取ったり、書類を読んだりしていますよね。ランチも、美味しそうな食品サンプルや写真に惹かれてお店に入っていきますよね。
これらは、太陽の光や室内の照明によって、私たちの目を通して情報が脳に伝わります。

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夜はどうでしょうか。
お仕事しているときも、室内照明があるからお昼と同様に作業ができますよね。(でも働きすぎはダメですよ!)
夜道も、街灯や月の光があるからこそ迷わずに帰宅できます。

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例えがチープなことについては突っ込まないでくださいね。
"光"について常に意識している人なんて、中々いないと思います。でも、普段の生活や社会において、"光"の存在は私たち人類にとって重要な存在の1つです。

検査における光の存在

普段手にしているスマートフォンやパソコン、運転している車、生活に欠かせない家電家具、実はこれらも"光"があるからこそ「キレイな見た目」かつ「安心安全な性能」で店頭に並んでいます。
もし、ディスプレイがバッキバキに割れていたり、車の中身はボロボロな部品で構成されていたり、トゲトゲに荒れた家具なんてイヤですよね?
上記のような不良品(欠陥品)が世の中に出てこないのは、これらを製造している方たちがしっかりと検査をしているからなのです。検査という作業の中でも、"光"は重要な働きをしています。

「室内に光がないとモノが見えないもんね?そういうことでしょ?」

はい、確かに室内照明がないと検査対象を目で捉えることができませんよね。検査をしている方たちは、対象を目で捉えたら、手に取ったり顔を近づけたりして、対象の外観に異常がないかを確認します。ここで言っている異常とは、対象の見た目を悪くするキズや汚れなどと思ってください。
では、対象の表面上に異常があった時、どんな反応をしますか?

「あっ、なんかある!」

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これは重要な反応です。異常がある対象を手に取って見たとき、キラッと光る線が見えたり、一部だけ暗い感じで凹んでいたり、色合いが周りと比べて異なっていたり・・・何か違和感を感じると思います。
この違和感を感じる瞬間、光を発している"光源"がどこかにあるはずです。光が対象に照射され、そこから反射する光や透過する光を目で捉えることで、脳が「あっ、なんかある!」と違和感を感じます。

「光源をどこかに置いておけば、異常を見つけることができるんだね!」

そうです。
なんて言ったら検査をしている方たちや、検査を自動化するための設備を作っている方たちに怒られてしまいますね。
何も考えずに光源を置いてしまうと、検査したいところに光が届いていなかったり、光が届いていたとしても異常を違和感として感じるための光の条件(照射する角度、明るさ、色など)が不適切だったりして、異常を捕捉することができません。

光源の位置によって異常個所の見え方が変化するという例を載せて、今回は終わりにしたいと思います。
検査する対象は我が家にあるテーブルです。そのテーブルには、娘が玩具を落としてしまったことで発生した凹みがあります。

以下の画像中に凹みがあります。わかりますか?

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画像の中心付近に丸い形をしたものがうっすら存在していますね。
これが、捕捉する対象の凹みです。ただ、凄く見づらいですよね。

正しい光源を与えてあげると・・・

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とても見やすくなりましたね!

次回は、上で示した凹み異常について、なぜ見えやすくなったのかを解説します!

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