自然な英語に共通する「何か」
もっと自然な英語を話せたら!
英語を学んだことのある人であれば一度はそう願ったことがあるはず。
私自身、英語学習を始めたのが遅かったので苦労してきました。違和感のない英語を話せるように、誰よりも試行錯誤してきたつもりです。
自然な英語について言語学論文などを読み漁っているうちに、納得できる結論に至ったのでこの記事にまとめてみました。
自然な英語とは?
結論から言います。自然な英語だけに共通する「何か」とは、母語話者アクセント(Native Accents)のことです。
単純に発音が良い、というだけの話ではありません。発音パターンがしっかり確立されていることが重要です。いくら発音が良くても、複数のアクセントを混同してしまっていると伝わりづらくなってしまいます。
例えば、たまに関西弁を混ぜてくる東京人には違和感ありますよね?(ごめんなさい)これとまったく同じことが英語でも起こります。ロンドン英語にテキサス英語を混ぜてしまうと、せっかく流暢に話せていても違和感が残ってしまいます。
そもそも必要なのか?
別に違和感があっても伝わればいい !
と考える人にとっては関係のない話かも。ただし業種によってはネイティブのような英語を求められる場合もあります。
私の働いているニュージーランド現地の保育園でも(そこそこ)自然な英語を話すことができれば「子どもたちが間違った英語を学んでしまうんじゃないか」という不安は払拭できます。
日本国内であっても、自然な英語を話すことができれば観光・教育・芸能などの業界では大きな武器になるはずです。
英語習得との比較
英語習得と母語話者アクセントは別物です。
母語話者アクセントができていても英語習得ができているとは限りません。その逆もまた然り。
例えば、
ニュージーランドの保育園児たちは「母語話者アクセント」はできていても「英語習得」はできていません。
英語圏外からの交換留学生のほとんどは「英語習得」はできていても「母語話者アクセント」はできていません。というか気にしてません。
子どもの英語がやけに上手に聞こえるのはこれが理由。ちゃんと聞いてみると文法も語彙もめちゃくちゃだったりします(笑)とはいえ乳幼児期から英語だけを長年使っていれば、いつかは「英語習得」もできるわけです。
しかし、その逆は難易度が断然上がります。大人になると「母語話者アクセント」が簡単に身につかなくなるからです。その一方で「英語習得」だけは我武者羅に勉強していてもある程度できてしまいます。
身につけるのが難しい理由
母語話者アクセントを身につける能力は年齢を重ねるごとに失われていきます(DeKeyser, 2000; Flege et al., 1995; Long, 1990)。
もちろん個人差はあるものの、スタートした年齢が大きな要因であることは間違いなさそう(Piske et al, 2001)。
驚くことに生後5〜6か月の時点でもうアクセントを認識できていて(Butler et al.,2011; Kinzler et al., 2007; Kitamura et al., 2013; Nazzi et al., 2000)、およそ5歳を過ぎると身につけるのが難しくなってきます(Flege et al., 1995; Long, 1990; Tahta et al., 1981)。
あくまで言語学的統計ですが、大人になった時点で母語話者アクセントを「無意識のうちに」身につける能力は完全に失われています。
大人には無理?
果たして、大人になってから母語話者アクセントを身につけようとするのは無謀なのでしょうか。
否!正しい方向性で頑張ればできる!
というのが私の結論です。
アクセントは所詮、決まりきった発音パターンでしかありません。つまり、それを完コピしてしまえば良いだけの話。とはいえ我武者羅にやるのではなく、理論立てた言語学的アプローチを駆使するしかありません。
その方法についてはまた別の機会に。
ではまたっ