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強みを活かすと (2)弱みも大切にできる

強みを活かすことは、強みをどう使うか考えることであると同時に、自分の弱みに振り回されないようにするということでもあります。なぜなら、強みと弱みはある意味では自分らしさという名のコインの裏と表のようなものだからです。

実際に、強みコーチングを提供していると、ストレングスファインダーの上位資質(上位10位くらいまでの資質)の活かし方の議論だけでなく、苦手なこと、弱みをどう扱うか?という議論になることがとても多いのです。

このnoteでは、ストレングスファインダーを活用して、自分の弱みに振り回されないようになる方法をご紹介します。そして、そういう取り組みを通じて、このnoteを読んでくれた方が、最終的には、その弱みも自分らしさの一つとして大切なものに思えるようになることを目指しています。

ところで、弱みってなに?

一般的に言われる"弱み"には以下の二つのケースがあります。

1. ストレングスファインダーの下位資質(25-34位あたりの資質)
2. ストレングスファインダーの上位資質が、裏目になって出た状態

一つ目はわかりやすいと思います。
たとえば、社交性が34位に出てくる人は、初対面の人が大勢いるパーティーで自分らしく振る舞うのは苦手ですよね。

でも、それに加えて、強みに該当する上位資質が裏目になって出た状態も、一般的に弱みとして認識されているケースが多いんですね。

たとえば、慎重さが1位だった人は、物事の奥に潜んでいるリスクを見つけ、それを未然に避けていくのが得意である一方で、リスクが拭いきれない場面での判断力に欠けたり、一歩を踏み出せないことがあります。

そうすると、慎重さが強みであるはずの人が、自分は「行動力がない」とか「判断力がない」というふうに弱みとしてそれを認識してしまうんですね。

上位資質の裏目には、ブレーキをかける

さて、ではそんな弱みをどうすれば良いでしょうか?

それぞれのパターンで対処が異なります。

先に、2. 上位資質が裏目に出るパターンを見ていきましょう。
このパターンでは、次の3つのステップが重要です。

1. 弱みと思っていたものが、自分の強みの裏目であることを認識する
2. 強みが裏目になっている瞬間に、それと気づく
3. 強みに意識的にブレーキをかける

慎重さの例で言うならば、まず行動力や判断力のなさが弱みなのではなく、強みの裏返しであることを認識します。そして、それが単に行動できない、は判断できないのではなく、リスクを考慮しすぎているからだということに気づく必要があります。

次に、実際に慎重さが裏目に出ている瞬間に気づくことが大切です。判断に迷うような時に、「あ、これは慎重さが裏目に出ているから迷っているんだ」というふうに。

そして、「慎重さが裏目に出ているということは、リスクを過大に評価しすぎているかもしれない。もう少しリスクを精緻に把握しよう(あるいは、小さいものとして判断していよう)」と考えることで、判断できない状態から抜け出すことができます。

裏目に出てしまう強みにブレーキをかけられるようになると、それまで弱みじゃないか、と思っていたことが、本当は強みだったのだとわかるんですね。そして、それが自分らしさの一つだと感じられるようになります。

下位資質は、自分らしさと受け入れる

では、逆に1. 下位資質はどう扱うのがよいでしょうか。

下位資質については、何よりも、それを持たないことにもメリットがあり、それも自分らしさの一つであるとある意味で割り切ることが大切です。それが、結果的に自分の弱みを受け入れるということに繋がります。

たとえば、社交性が最下位のケースでは、多くの初対面の人と自分らしく接して仲良くなるというのはなかなか難しいですね。そうすると、パーティーなどで社交性が高い人が眩しく見てしまうものです。そして、その正反対の自分に劣等感も覚えてしまうかもしれません。

でも、実はそれも自分らしさのうちの一つなのです。
多くの初対面の人とうまく接することができなくても、逆にある特定の仲の良い人とじっくり話して深い関係を築けるかもしれません。その分、同じパーティーが苦手な気の合う友人だって見つけられるかもしれません。どうでしょう?その方が、社交性が最下位の人にとって価値あることだと思えませんでしょうか。

下位資質を持たないことが自分にとってマイナスであると考えるのではなく、その自分らしさが逆にどんなメリットを生むか?そして、どう活かせるか?と考えることで、弱みさえも自分にとって大切なものだと言えるようになるんですよね。

(実はこのほかにも、ストレングスファインダー活用方法で、下位資質を上位資質で補うというのもあるのですが、それはまた改めての機会でご紹介したいと思います)

まとめ

ここまで、
1. 弱みとは、二つのパターンがあること
2. そのパターンごとに、それぞれ対処方法があること
をご紹介してきました。

もしあなたが、自分の弱みの扱いに困っているようでしたら、まずはどちらのパターンかを判別してみて、前述の対処を試してみてもらえると嬉しいです。

私は、本当の意味で強みを発揮している人というのは、一切、弱みを見せない人ではなく、弱みは弱みとしてありのまま受け入れつつ、それをうまく扱えている人のことだと思っています。

だって、弱みがまったくない人というのはありえないので、一切見せないというのは、単純にそれを隠しているということだと思うからです。弱みを隠している人よりも、弱みはあるけどそれも自分らしさなのだ、と大切にしてあげている人の方がよほど魅力的に見えます。

このnoteを読んでくれたあなたには、ぜひ自分の弱みも自分らしさと受け止めた、真に強みを活用している人になっていただければと思っています。

(このnote冒頭の写真は、コペンハーゲンの旅行中に撮った写真です。大きい鐘にも、小さい鐘にも、どちらにも味わいを感じられますよね)

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