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【神道】 神様とは(2) 近代の神様

 この投稿は続きです。よろしければ先にこちらをお読みください。

神道の特異性

 私が思うに、神道の特異性は「近代の人物が神として敬われる伝統宗教」という点です。創唱宗教では、創始者を神と同一視する向きもあり、それは新興宗教にも当てはまる部分があるでしょう。しかし、伝統宗教で近代の人物を神として敬うのは神道のみではないでしょうか。

ざっくり解説
・伝統宗教=自然発生した信仰であり、教祖や経典が不在
・創唱宗教=教祖が開いた宗教であり、経典や戒律が存在

 明治神宮は明治天皇、昭憲皇太后両陛下をご祭神としていますし、乃木神社東郷神社梨木神社そして靖国神社など、功績のあった方々が神様として祀られている神社は多く存在します。そして、偉人を神として祀る原動力は、民衆からの要望でありました。

明治45年(1912)に明治天皇が、大正3年(1914)に昭憲皇太后が崩御になりましたが、国民から御神霊をおまつりして御聖徳を永久に敬い、お慕いしたいとの熱い願いが沸き上がり、御祭神とゆかりの深い代々木の地に創建されました。

明治神宮とは より

時の東京市市長・阪谷芳郎男爵は先頭に立って広く同志を集め、中央乃木会を組織し、乃木邸内の小社に御夫妻の御霊をお祀りしました。
また、毎年九月十三日にはその御前に祭儀を斎行するとともに青少年への研修会を開催するなど、御夫妻の精神を永世に伝えようという活動が活発に続けられていきました。
大正八年(一九一九)には乃木神社創立の許可が下り、明治神宮創建の後に御造営の事業がおこされ、大正十二年(一九二三)十一月一日に鎮座祭が斎行されました。

乃木神社 由緒より

 東郷平八郎命の「至誠(まごころ)は神に通じる」とその一生を貫かれた御徳を後世に顕彰するため、神社におまつりしてほしいと国民からの要望と浄財によって創建された神社です。

東郷神社 御祭神より


 神代(人間の登場する前の時代)の神様たちと、お姿が写真に残っているほど近い時代の人物が、同じように敬われている宗教を私は他に知りません。
 この特異性は先のnoteで触れた「凄い存在は全部が神」という意識と通底します。そして、偉業を成し遂げると神として敬われる、という認識を支えたのが権現信仰という理論です。
 次回は、権現信仰について投稿します。

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漢方健康相談所 くすりの神農

 神農とは、中国の医療神の御名前です。神農様はあらゆる薬草を口にし、それぞれの効能を自らの身で確認したと伝わっております。私たちもこの故事に倣い、当店で取り扱う商品は、自ら試して良さを実感できたものです。まずは己が実践してみる。これが「神農」を名乗る由縁です。
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店主略歴

 広告代理店とデザイン会社の勤務を通じて日本文化に関心を持つ。國學院大學へ入学、宗教学(古代神道、宗教考古学)を専攻。神社本庁の神職資格(明階)を取得し、卒業後に都内神社にて神職の実務経験を積む。現在は家業の薬店を経営。登録販売者資格保有。

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