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「大量移民反対」 世界各地で芽生える自国第一主義

お金や癌に関する名著を発掘し、紹介しておりますが、その合間に「時々短評」というタイトルで日々の時事ニュースを幅広く、時々、短く論評しています。
 
アルゼンチンに続き、オランダでも「保守」が躍進しました。大手メディアは「極右 勝利」とそれぞれ報じています。
極左から見れば、すべて右であり、簡単に極右に見えてしまう極左偏向の大手メディアに対して言っていますが、既存メディアだけを見ている人には、今のままでは反グローバリズムの大きなうねりに乗り遅れますよ、と申し上げます。
 
【アルゼンチン保守大統領誕生】
▽アルゼンチン大統領選の決選投票が19日に行われ、経済学者のハビエル・ミレイ下院議員(53)がセルヒオ・マサ経済相(51)を、大差をつけて破り、逆転勝利しました。ミレイ氏の得票率はマサ氏の得票率を10ポイント超上回りました。(開票率99.28%)
ミレイ氏は、自国通貨のドル化、中央銀行廃止、中国との関係凍結などを主張。マサ氏は、IMFとの協調、税制簡素化と減税、全方位外交を主張。10月22日の第1回投票では当選の条件を満たした候補はなく、マサ氏の得票率は36.69%、ミレイ氏の得票率は29.99%でした。第1回投票で敗れた3位の右派の野党連合候補がミレイ氏支持を打ち出したため接戦が予想されていました。
表題の通り、ミレイ氏には「自国通貨のドル化など過激な公約を掲げる極右」といったレッテル張りがされ、マサ氏には左派、3位の候補も右派とされています。
アルゼンチンでは、通貨下落や干ばつの影響でインフレが急激に進み、10月の消費者物価は前年同月比2.4倍を超え、国民の4割が貧困状態だといいます。
ドルが基軸通貨であることをいいことにウォール街の貸付を一気の高金利で債務の罠に落とし込んだ後、やおら登場したIMFが超緊縮財政を強いて、負担が増す新たな債務を結び、最終的にはその国の資源の主権を奪うことは、これまでのnoteで取り上げてきました。
インフレに手をこまねいているのが現職経済相という現実があり、IMFの真実も知ってしまえば、「IMFとの協調」に耳を傾けられないのは当然です。
「極右」に見えるのは、こうしたIMF/世界銀行/各国中央銀行体制を地球規模で推し進めるグローバリストのグローバル全体主義的(極左的)立場から見るからです。
 
【オランダ下院 保守政党が第1党に】
▽オランダ下院選(定数150、上院に対して優越)が22日投開票され、開票率約98%で反移民を掲げる自由党が37議席と改選前の17議席(野党第1党)から倍増し、第1党の座を獲得しました。
移民政策を巡ってマルク・ルッテ首相が率いた連立政権が崩壊し、ルッテ首相は政界引退を表明していました。
選挙戦は当初、労働党など左派連合、与党・自由民主国民党、中道の新党・新社会契約党のトップ争いだったのが、最終盤で自由党の支持が急増したそうです。自由党は連立政権樹立に向けて新社会契約党などとの連立交渉に入ります。
自由党党首のヘールト・ウィルダース党首は「オランダ第一主義」を掲げ、住宅高騰問題は移民・難民の流入が理由だと主張しました。国境封鎖やEU離脱を問う国民投票の実施も示唆したとのことです。
 
これもアルゼンチン同様に、「自国を第一に」という主張が国民に受け入れられたことを示しています。グローバル勢力は、自分たちの「極左」という立場は隠しながら、「自国第一」に「極右」というレッテル張りをしています。それは、グローバル勢力が推し進めたヨーロッパの過度な移民政策がもたらした負の側面を、わが国の近い未来の姿として見ることができないマスコミの限界でもあります。移民問題はすでに潜在的な問題ではなく、埼玉県川口市のクルド移民問題が顕在化しているのに、です。
トランプさんが「アメリカファースト」と言ったのは、アメリカ以外のほかの国はどうでもいいという意味ではありません。世界各国に「自国を第一にしよう」と呼びかけたのでした。

駐車場でせいぜい10人ほどの支持者しか集めず、デラウェアの自宅地下室に籠って大統領選を過ごしたバイデンにトランプさんは敗れましたが、「自国第一」はあちこちで芽生え始めました。


ジョルジャ・メローニ伊首相 ウィキメディアコモンズより

昨年イタリアの総選挙で第1党に躍進した保守政党の「イタリアの同胞」(党首はジョルジャ・メロー二現首相)も、大量移民に反対、LGBTロビーに反対、大きい国際金融機関に反対を訴えました。移民やLGBTを強力に推進してきたグローバル勢力に従属するメディアは当然のごとく極右のレッテル張りをしましたが、国民の支持をしっかり集めたのです。
こうした反グローバリズムが欧州で、南米で芽生えているのに、我が国は何周も遅れて、移民政策やLGBT法などグローバル政策を加速させているのです。
 
「極左」を隠して「極右」とレッテル張りする卑怯者たちに騙されないようにしましょう。

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