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森永さん是非見てください 「ゴミ箱行きがふさわしい論文」で1年3000万円超の値がついたがん治療薬オプジーボ

がんの乳房温存療法のパイオニアとして知られ、「日本人のがんの9割以上を占める固形がんを治す力は、抗がん剤にはありません」と強調してきた医師近藤誠さんは、第4のがん治療薬オプジーボについても苦言を呈してきました。
昨年末にステージ4の膵臓(すいぞう)がん闘病を公表した経済アナリストの森永卓郎さんが、15日からオプジーボの使用も公表しましたが、とても心配な点があります。
 
オプジーボはニボルマブの商品名。当初悪性黒色腫治療を目的に、現在では非小細胞肺癌などに適用拡大された分子標的治療薬の一つで、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体医薬品。
近藤誠さんの著書「がんの逆襲」(2021年エクスナレッジ)にこういう一節があります。少し長いですが、主治医からオプジーボの使用を打診されたという方、夢の新薬と期待して自ら主治医に相談したいと思っている方は、読んでおいて損のない文章です。太字にしているのはブログ主です。
<「ノーベル賞に輝いたオプジーボは、どの固形がんにも効果があるような気がしてしまいます。副作用を覚悟する気持ちがあるなら、挑戦する価値があるでしょうか?」
「手遅れで医者から見離された肺がん患者が、オプジーボが効いて元気になったという記事を見たのですが、どう思われますか?」
2018年に本庶佑さんがノーベル医学生理学賞に輝いたオプジーボ。
患者さんの期待は絶大で、よく質問を受けますが、僕からはとてもお勧めできません。なにしろ「がんが治った」という証明はゼロ。「がんが一時、縮む効果」もわずか1~3割と、効果は抗がん剤並みかそれ以下。なのに、副作用がとてつもなく激しいからです。
オプジーボは、がん細胞を叩くリンパ球を活性化させますが、これが正常細胞を叩く「免疫の暴走」も引き起こして、激烈な副作用が出ます。
国内で投与された7542人のうち、およそ1割の715人に、命にかかわる重篤な副作用がおきたと報告されています。肺が硬くなって呼吸苦から死に至る「間質性肺炎」が176人。重症筋無力症が8人、劇症Ⅰ型糖尿病が8人、死亡が10人など。
ほかにも大腸炎、重度の下痢、肝機能障害、動脈閉そく、破壊性甲状腺炎……。患者の体験記を見ても「全身ヤケドのようなまだらな症状」「下痢がひどくなり、水便。痩せてきた」「鼻の穴が痛くて鼻をかめない」など、恐ろしい症状が並んでいます。
19年には厚労省が「オプジーボを投与された11人が脳の機能障害を発症し、1人が死亡」、20年には「劇症肝炎」による3人の死亡を発表して、ともに添付文書の「重大な副作用」に追加されました。>
 
「眠っているがんを起こしてはいけない。」(2019年飛鳥新社)では、臨床試験の杜撰な実態を告発しました。同じく太字はブログ主。
<これに対しC試験は、信頼できないのが原則である製薬会社が実施した試験であるうえ、D試験結果との「へだたり」がはなはだしく、まったく信頼できません。この論文はゴミ箱行きがふさわしいように思います。
しかし、この信頼できないC試験の結果によって、オプジーボは各国でメラノーマ治療薬として承認されたのです。そして日本では、1年で3000万円超となる「薬価」がついたのです。製薬会社はインチキしたくもなるでしょう。
オプジーボの効果がすばらしく見えるC試験では、どこにインチキないし欠陥があったのか。
死んでいるはずの被験者を(オプジーボ群に対する追跡調査の手を抜いて)「生存していた」と扱うからです。>
※近藤先生は、「ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの第三相試験の論文共同著者の62%が製薬会社員であり、排除されるべき」と批判しています。

 
令和5年6月13日に厚労省が改訂を指導したオプジーボ(小野薬品工業)に対する重要な副作用等に関する情報によると、重大な副作用に髄膜炎が加わったほか、適用範囲が以下の通り拡大しています。
悪性黒色腫、非小細胞肺癌、腎細胞癌、ホジキンリンパ腫、頭頸部癌、胃癌、悪性胸膜中皮腫、結腸・直腸癌、食道癌、原発不明癌、尿路上皮癌など。
 
その結果、企業が推計した過去1年間の推定使用患者数では、オプジーボが約2万8900人に及びました。
 
がん治療費.comというサイト
https://www.ganchiryohi.com/treatment/512
の「高額と言われるオプジーボの治療費、実際はいくらかかる?」から抜粋します。
 
<免疫チェックポイント阻害薬のひとつである抗PD-1抗体薬「オプジーボ®」は、日本において世界で初めて皮膚がん(メラノーマ)の治療薬として承認された後、2015年には非小細胞肺がん、2015年には腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、2017年には頭頸部がん、胃がん、2018年には悪性胸膜中皮腫と適用を拡大していき、さらに今、食道がん、肝臓がん、卵巣がん、大腸がんなどでも治験が進んでいます。数年のうちに、更に多くのがんで使えるようになると思われます。>
<オプジーボは2014年に初めて承認されたとき、対象となるのはメラノーマという皮膚がんだけでした。対象人数が少ないため、薬価は非常に高額に設定され、例えば体重66kgの人(日本人の男性の平均体重)が1年間投与した場合は月におよそ300万円、1年間では3800万円もの薬価となっていました。
そして翌2015年12月に肺がんの治療薬として適応拡大されます。肺がんの患者さんは多いので、この薬価で多くの患者さんが使うと日本の医療財政が破綻すると騒ぎになり、2017年2月の薬価改定時に当初の半額に引き下げられました。
その後、腎細胞がん、頭頸部がん、胃がんなど更に適用が広がり、それに応じて薬価も引き下げられ、2018年11月現在では当初の4分の1程度の年間1090万円ほどとなっています。>
 
「効果は抗がん剤並みかそれ以下。なのに、副作用がとてつもなく激しい」
「ゴミ箱行きがふさわしい論文で承認された」
そんな薬の適用がどんどん拡大し、幅を利かし続ける日本の抗がん剤医療は歪み切っています。
 

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