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日々の言葉 #78『夢の雫、黄金の鳥籠』

今日の言葉は、篠原千絵さんの『夢の雫、黄金の鳥籠』から。

16世紀のオスマントルコを舞台に、ハレムに送り込まれた奴隷のヒュッレムが、激しい生存競争を生き抜いていくマンガです。

篠原千絵さんの美しい絵と、エキゾチックな背景、禁断の愛…と、読み応え抜群!

スレイマン1世やヒュッレム、イブラヒムら登場人物は、実在の人物なのだそうです。はー、ハラハラしながらトキメキました。

ヒュッレムの出身地である「ルテニア」は、現在のウクライナ西部とポーランド南東部にまたがる地域のこと。両親と暮らしていたヒュッレムは、町が襲われたときにさらわれ、奴隷となってイスタンブールに送られることに。

そこで偶然出会ったイブラヒムに助けられ、主であるスレイマン1世への貢ぎ物にされてしまうんです。

外の世界が見たい。

学んで知識を得たい。

自由を失ったとはいえ、実は望んだことが次々に叶っているかにみえるヒュッレム。でも、厳しいハレムの掟に対し、示される扉を従順に開けているだけではダメだと気付くのでした。

マンガは最新刊が16巻なのですけど、cotenラジオの「進撃のオスマン帝国」を合わせて聞くのがおすすめです。オスマンがどんな国だったのか、スレイマン1世がどんな状況に置かれていたのかがよく分かります。あと、「奴隷」についてのイメージが変わりました。

また、この時代の慣習や、世界情勢が分かる解説書も出ているので、気になる方は一緒にぜひ。


『7つの習慣』における第2の習慣は、ゴールを明確にすることを説く「終わりを思い描くことから始める」です。

ヒュッレムはスレイマン1世の寵愛を得て「第二夫人」の地位に昇格するんですが、その後、ハレムの掟を次々と改革したといわれています。

ま、「悪女」とも呼ばれているそうなのですけど、それはスレイマン1世の愛を独占したからかも。笑

ヒュッレムの改革は、自身がハレムに来て、つらかったこと、我慢ならなかったことを、ひとつずつなくしていくことでした。一番大きな改革は、「子殺し」を止めたことでしょうか。

ヒュッレムはまさに、ゴールを思い描き、そこに到達するための作戦を練っていたように思えます。

したたかで、愛らしく、気が強くて、計算高い。

第一夫人の陰謀の裏をかき、愛する人との対立も厭わない強さを持っていたんでしょうね。だけど、マンガの中のヒュッレムは、ドキドキさせられっぱなしなかわいらしい女性です。

小さな貧しい村で暮らしていたとき、山の向こうに憧れていたヒュッレム。激動の人生だったけど、世界の中心に居続けたといえるかもしれません。

もし自分が「井の中の蛙」だとしたら、その井戸の広さはどれくらいですか?

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「なぜ」が人生を深くする。
毎日、小さな問いを発信しています。
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