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ロシアは「ハンガープラン=飢餓計画」を立てているのだろうか?

イェール大学の歴史学教授「ティモシー・スナイダー」氏のツイートが興味深い。

彼によると、プーチンは西側との戦争に勝利するために

「ハンガー・プラン=飢餓計画」

を推し進めているという。

ウクライナには輸出することのできない小麦が溢れ返っていて、それらをロシア軍が他国に輸出しているというニュースは、皆さんもよく知るところだろう。

ティモシー氏によるとロシアによるこれら一連の行為は、ただの略奪ではなく長期的な計画に基づいているということなのだ。

以下にティモシー・スナイダー氏の一連のツイートを紹介する。


●ロシアにはハンガー・プラン=飢餓計画がある。ウラジーミル・プーチンは、ヨーロッパでの戦争の次の段階として、発展途上国の多くを飢えさせる準備を進めている。1/16

●平時には、ウクライナは食料品の主要な輸出国である。ロシアの海上封鎖により、現在ウクライナは穀物を輸出することができない。2/16

●ロシアの封鎖が続けば、数千万トンの食糧がサイロで腐り、アフリカやアジアで数千万人が飢えることになる。3/16

●プーチンの飢餓計画の恐ろしさは、あまりに大きく、私たちはそれを理解するのに苦労している。また、食糧が政治にとっていかに中心的であるかを忘れがちである。歴史的な事例が参考になる。4/16

●ウクライナの穀物を支配することで世界を変えることができるという考えは、新しいものではない。スターリンもヒトラーもそうしたいと願っていた。5/16

●スターリンにとって、ウクライナの黒い大地は、ソビエト連邦のための工業経済を構築するために搾取されるものだった。実際、集団化された農業は約400万人のウクライナ人を殺害した。6/16

●注目すべきは、人々が大量に死に始めると、スターリンがウクライナ人自身を非難したことである。ソ連のプロパガンダは、飢饉に注意を喚起する人々を "ナチス "と呼んだ。7/16

●実際のナチスは同様の思想を持っていた。彼らはウクライナの農業を支配するという考えを好んだ。これは実際、ヒトラーの中心的な戦争目的であった。8/16

●ヒトラーはウクライナの穀物をソ連からドイツに向かわせ、何百万人ものソ連市民を飢えさせたいと考えていた。9/16

●第二次世界大戦は、食糧供給を支配しようとする独裁者たちの間でウクライナの奪い合いの様相を呈し、ほとんどウクライナを巡って戦われた。10/16

●ロシアの記憶は21世紀の飢餓計画の道を用意した。ロシア人は、スターリンの飢饉は事故であり、ウクライナ人はナチスであると聞かされている。これによって、盗みも封鎖も容認されるようになった。11/16

●プーチンの飢餓計画は、3つのレベルで機能することを意図していると私は考えている。一つ目は、ウクライナ国家の輸出を断つことによって、ウクライナ国家を破壊しようとする大きな試みの一部としてだ。12/16

●(二つ目は)プーチンの飢餓計画は、通常ウクライナによって供給されている地域である北アフリカや中東から難民を発生させることも意図している。これは、EUに不安定さをもたらすだろう。13/16

●最後に最も恐ろしいのは、
世界的な飢饉が、ウクライナに対するロシアのプロパガンダキャンペーンに必要な背景であるということだ。プロパガンダ合戦の背景として、実際の大量死が必要なのだ。14/16

●食糧暴動が始まり飢餓が広がると、ロシアのプロパガンダはウクライナを非難し、ウクライナにおけるロシアの領土獲得が認められ、すべての制裁が解除されるよう(世界に向けて)呼び掛けるだろう。15/16

ロシアはヨーロッパでの戦争に勝つために、アジア人とアフリカ人を飢えさせることを計画している。これは新たなレベルの植民地主義であり、飢餓政治の最新章である。16/16


――以上だ。

まぁ、どこか陰謀論めいた雰囲気を感じなくもないが、しかしロシアの行っている滅茶苦茶な行為を目の当たりにすると、あまり突飛な話しだとは思えない。

少なくとも、ロシアはスターリンの行ったいわゆる「ホロドモール」から何かを学び参考にしていることだろう。ウクライナの豊富な穀物を盾に、自らを利するような展開に持ち込みたいと考えているだろうことは容易に想像できる。

ロシアは良くも悪くも過去の戦争や出来事を参考にして、ロシアが世界の皇帝に君臨できるよう、ある程度長期的な戦略を思い描いているのだろう(中国も同様)。


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