見出し画像

167、ナショナルジオグラフィックのマスク賛美な記事が酷い②

さて、以前に紹介させていただいたナショナルジオグラフィック2022年2月17日、「Do masks really harm kids? Here's what the science says(マスクは本当に子どもに害を与えるのか?科学的な見解がここにある)」――という記事に対してツッコミを入れていく。

アメリカでは多くの学校でマスク義務化が撤廃されているが、「いやいや、マスク着用は賢い選択なんです。マスクは子供に害があるというのは科学的な裏付けがないんです」――的な記事にはしっかりツッコミを入れてやらないと気が済まない。

それではいってみよ!


●エール大学医学部の小児科医であるトーマス・マレーは、「なぜ混乱が生じるのか理解できます」と言う。マスキングが病気の蔓延を防ぐことは間違いないが、マスキングが2歳以上の子供に感情的、発達的にどのような影響を与えるかについては、あまりはっきりした証拠がない

〇天乃川のツッコミ
マスクが子供の感情に影響を与えるという論文や研究、さらには教育者の声が世界中で散見されているにも関わらず「子供に感情的、発達的にどのような影響を与えるかについては、あまりはっきりした証拠がない」と言ってしまえるのだが、そのくせ「マスキングが病気の蔓延を防ぐことは間違いない」と、こっちの方はなぜか断定してしまう。この態度が非常に問題。そもそも、マスクに科学的根拠があるという前提からして大いに疑問だ

とりあえずマスクの科学的根拠に関しては、天乃川がまとめたこの記事を提示しておく。

※さて、ここでさらに「Frontiers in Psychology」紙に掲載された、マスクによる感情読み取りの影響を調べた研究を紹介したいところだが、後々この研究にツッコミを入れてくる児童精神医学・心理学教授が登場するので、そこで紹介することとしたい。

――さぁ、続けよう。


●アメリカ小児科学会呼吸器・睡眠医学部門のメンバーである小児呼吸器専門医のテレサ・ギルバート氏は
(中略)
マスクはCOVID-19やその他の呼吸器系疾患から子どもを守るだけでなく、マスク着用規定を設けている学校は、数十年にわたる研究により、子どもの精神的健康や発達にとって特に重要であることが示されている学校閉鎖の可能性がより高いという研究結果も出ています。

〇天乃川のツッコミ
……このテレサ・ギルバート氏のマスク擁護論は低劣過ぎる。マスクがコロナや呼吸器系疾患から子供を守るとする大前提に疑問があることは言うまでもないが、マスクを推奨する理由が「学級閉鎖を防ぐ事ができるから」的なものだから反論になっていない。

コロナに関しては、アメリカの学校でも一人「陽性者(必ずしも「感染者」ではない)」が出ただけで学級閉鎖する場合が多いと思うのだが、それはコロナというウイルスそのものの脅威によってというよりは、過剰な感染対策という人為的なものである可能性が非常に高い。要するに人災的側面が大きいのだから、これを根拠にマスクを推奨するのは理屈としておかしい。屁だよ屁、屁理屈だ。

本当に学級閉鎖が子供の健康や発達にとって大きな影響を与えると考えるならば、科学的根拠の曖昧なマスクの着用を推奨するというクソったれ手段で呑気に安心するのではなく、もっと行政や教育関係機関に子供を孤立させないよう働きかけることのほうが遥かに意味があると私は考える。マスクじゃねぇんだよ。


●(テレサ・)ギルバート氏は、10件の研究のメタ分析から、マスクを着用した大人と子供の二酸化炭素と酸素濃度の変動は「正常な範囲内」であることを指摘している。
(中略)
二酸化炭素と酸素の分子の大きさは、布やサージカルマスクの穴よりもはるかに小さく、マスクの中や周囲を流れるのに問題はないはずだからだ。さらに、パンデミックから2年が経過した現在、マスクが原因で危険な低酸素や高炭酸ガスレベルの子供たちが病院に殺到しているわけではない、と彼女は言う。

「多くの仮説が飛び交っていますが、私たちは現実にこのような実験を行っているのです」と、彼女は言います。

〇天乃川のツッコミ
「正常な範囲内」かもしれないが、感覚的にマスクを着用していると苦しいのは確かでしょ? その設定された正常な範囲っていうのが、あくまでも命の危険に晒されるレベルではないという範囲なのだとしたら、マスクって「死なない程度の苦しさアイテム」と言えるかもしれませんね。

子供たちに対して、科学的根拠のない「死なない程度の苦しさアイテム」を科してしまっている可能性があることは気にならないワケですね? 別に低酸素や高炭酸ガスレベルで命の危険に晒されていやしないからっていう理屈でね?

「私たちは現実にこのような実験を行っているのです」だと? 実験はあくまでも実験なんだよ。てめぇ、普通に学校生活や登下校しているリアルな子供を見てモノを言わねぇか馬鹿野郎。馬鹿な大人が子供達に「死なない程度の苦しさアイテム」を毎日着用させていることに罪悪感を抱けやクソったれめ。


●マイアミ大学の心理学博士候補であるサマンサ・ミツベンによると
(中略)
流行前に何度も訪れた教室と、マスク着用が義務付けられた教室で録音された未就学児の音声を分析する最近の研究を主導しました。その結果、子どもたちの話す量や言葉の多様性に違いはありませんでした。これは、各クラスの半数を占める補聴器や人工内耳を装着した子どもたちにも言えることでした。

〇天乃川のツッコミ
馬鹿なんじゃないだろうか? 会話のや言葉の多様性に違いはないかもしれないが、マスクはバーバルな言語的コミュニケーションに大いに影響を与えているよ?

画像1

これは日本の文化庁の調査結果だが、マスクによって通常よりも声の大きさに気をつけたり、はっきりとした発音で話したり、こういう面倒くさい注意を払わなければならないのだ。科学的根拠の極めて曖昧なマスクなんかの為にね? 

もともと活舌の悪い子や声の小さい子なんかは、コミュニケーションに対して臆してしまうようになることだって十分考えられるし、実際にそういう子は少なくないだろう。

量や多様性なんていう計量的に判断できるものだけで語るんじゃねぇよ。子供の心理や想いに寄り添って判断したら、マスクなんて百害あって一利なしのクソったれアイテムだと分かる筈なんだがね?


●『Frontiers in Psychology』誌に掲載された研究によると、3歳から5歳の子どもは、マスクをしている人の写真とマスクをしていない人の写真とでは、感情を認識する能力が劣っていることがわかりました。

〇天乃川のツッコミ――じゃなくて、上記研究の紹介。

さて、冒頭でもお伝えしたが、『Frontiers in Psychology』誌に掲載された、「Masking Emotions: Face Masks Impair How We Read Emotions(感情をマスキングする:フェイスマスクは感情の読み方を損なう)」という研究なのだが、この研究では……

3歳から5歳までの幼児 31人
6歳から8歳までの子供 49人
18歳から30歳までの成人 39人

――に対して、合計40枚の顔写真を無作為に並べ感情をあてさせるという実験を行っている。

※ちなみに顔写真は2段階の激しさ(軽度、極端)の4つの感情(幸福、悲しみ、恐怖、怒り)を繰り返し、そこにはニュートラルな表情が8回含まれているとのこと。

さて、実験によってどのような結果が得られたか?


画像2

図Aは幼児(Toddlers)、子供(Children)、大人(Adults)のマスクなし及びマスクを使用した正しい反応の割合を示したグラフだが、全グループで感情の読み取りに誤りのあったことが見て取れる。

図Bは幼児、小児、成人のマスクによる障害の割合を示したグラフだが、特に幼児における感情の読み取りに影響が出ていることがよく分かる。


画像3

この図は幼児、子供、大人が、マスクの有無にかかわらず、幸福(左)と悲しみ(右)の2つの模範的な感情に対して行った反応。回答の割合は、「悲しい」(赤)、「幸せ」(シアン色 ※やや緑みの明るい青)、「怖い」(青)、「怒っている」(緑)、「中立」(紫)で示されているものだ。

どのグループでも誤りがみられているのだが、特に幼児は左のマスクをした女性の「幸せ」な表情を「怒っている」表情だと誤認している割合が非常に高い。幸せな顔を怒っていると勘違いしてしまうのだから、これは非常に問題だと考えられる。

別に怒っていやしないのに、「あれ、なんか怒ってる?」と友達の感情を勘違いすることって多いと思うが、顔が見えていたってこのようなことが多いのだ。マスクなんかしていたら尚更こういう事例が増えるだろうことは容易に想像できる。また、いつもニコニコ笑っている周りを幸せにするような人って居るかと思うが、そういう長所を持った子供の魅力を潰してしまいかねないのがマスクという代物だとも考えられる。……これって、教育的にも人間関係的にもマズイし勿体ないと思わないか?

この研究は静止画の表情から感情を読み取ろうとするもので、言葉やジェスチャーや前後の文脈といった情報がない。そういう意味で限界があるかとは思うが、非常に興味深いものだと私は思う。


さて、この研究についてイェール大学チャイルド・スタディー・センターの児童精神医学・心理学教授であるウォルター・ギリアム氏は、この研究や他の研究は静止画に依存しているため、限界があると言う。

彼の言い分を聞いてみよう。


"私は目玉だけではありません "と彼は言う。子どもたちは、人がどのように空間を歩くか、声の調子、手のしぐさなどの手がかりも拾っている。「そのようなものはすべて、この研究からは取り除かれているのです」
(中略)
また、これらの研究は、あくまで一時的なものであり、もし機会があれば、子どもたちがどれだけ早くこれらの課題に適応できるかを示すことはできない。「子どもの発達について私が知っている限り、子どもはすぐに適応できると思います」とギリアムは言います。「子どもの能力をもっと信じてあげたいですね」

〇天乃川のツッコミ
どうだろうか、この反論。「Frontiers in Psychology」紙の研究には限界があるとしながら、その反論というのは「私は目玉だけではありません」という面白セリフと、「子どもの能力をもっと信じてあげたいですね」という、「子供は素敵だからすぐにマスクに適応するさ!」――的な、お花畑で非常に迷惑な希望的観測。――馬鹿でしょ?! コイツ馬鹿でしょ?! 科学的な反論しろや!!!

この人はきっと目玉だけの単純明快な人間なんだね。きっとこんな姿なのでしょう。

画像4

※天乃川のイメージするイェール大学チャイルド・スタディー・センターの児童精神医学・心理学教授であるウォルター・ギリアム氏の姿


――もう少しツッコミは続くからお付き合いください。ギリアムはもっと馬鹿な発言をして笑わせてくれるんだから!


●2020年5月、研究者たちは米国全50州の6,654人の保育士を対象に、社会的距離を置く、症状のスクリーニング、マスキングなど、どのCOVID-19緩和策を使っているかを調査した。そして、1年後に、これらのプログラムが閉鎖に追い込まれたかどうかを追跡調査した。その結果、2歳以上の子どもにマスクが必要な保育施設は、マスクをしていない施設よりも13%多く、営業を続けていることがわかりました。
(中略)
ギリアムとマレイは
(中略)
この研究は、マスキング・ポリシーが子どもの精神的健康を損なうどころか、むしろ助ける可能性があることを示す、より説得力のある証拠を提供している。

「永遠にマスクをしているわけにはいきませんが、検疫のために子どもがしょっちゅう10日間も学校を休んでいるわけにはいきません」とマレーは言う。

ギリアムは、子供のうつ病や不安感をマスクのせいにするのは、子供を守りたいという自然な欲求からくるものだと言う。しかし、彼は教室でのストレスの原因はマスクではないと考えている。「マスクが防ごうとしたのはCOVIDのトラウマなのです」と彼は言う。"痛み "があるとき、腕にできた切り傷が原因であって、その上に貼ったバンドエイドが原因ではないのです。マスクの目的は、子供に害を与えることが分かっている他のすべてのトラウマを軽減することです。

〇天乃川のツッコミ
もはや、どこから手を付けて良いか分からないくらいの支離滅裂論理である。

2歳以上の保育施設がマスクをしていない施設よりも云々という理屈はオカシイ。学級閉鎖的な状況が子供に影響を与えることについては私も同意するのだが、でも営業を続けている保育施設や学校等ではアホみたいマスクを着用させられているんでしょ? 学級閉鎖にならないようにする為にマスクをする必要があるのです――的な理屈はオカシイだろ。そのデジタル思考的な「ゼロか100か的思考」はやめてくれや。

それにマスクをしている施設のほうが13%多く営業を続けていると言うが、論文には「強みと限界」として「マスキングに関する保育プログラムの方針や閉鎖の基準については特に質問しませんでした」と記されている。マスクの科学的根拠が非常に曖昧である以上、マスクをしている施設(実際にどれくらいマスク着用が徹底されていたのか分からないが)よりもマスクをしていない施設のほうが営業を停止してしまったという原因は、もっと別のところに求められると私は考えてしまう。いかがだろうか?


また、「永遠にマスクをしているわけにはいきませんが、検疫のために子どもがしょっちゅう10日間も学校を休んでいるわけにはいきません」――このように言っているが、だから学級閉鎖を回避する為の方便的なマスクの利用はやめろや。科学的根拠が曖昧なのだから、こんなものマスクを着用させる理屈にはならない。

ていうか、ギリアム自らもマスクに意味がないものだと理解しているんだよね? だって

「マスクが防ごうとしたのはCOVIDのトラウマなのです」

「マスクの目的は、子供に害を与えることが分かっている他のすべてのトラウマを軽減することです」

……こう言っているもんね?

――って、マスクはコロナから感染を防ぐ為のアイテムじゃなくて、子供に害を与えることが分かっている他の全てのトラウマを軽減する為のアイテムなのね?! なんだか話しが突飛なところにブッ飛んでしまっているんですけど?! マスクってあらゆるトラウマから解放される超絶すげーアイテムだったんですね?! ――って、んなワケねぇだろ馬鹿野郎!

バンドエイドがどうたら、意味の分からないことを言いやがって。てめぇの頭にバンドエイドでも貼って、少しは良くなるように祈っておけ!

画像5

※天乃川の求めるイェール大学チャイルド・スタディー・センターの児童精神医学・心理学教授であるウォルター・ギリアム氏の姿


――とりあえず、以上だ。

ワケの分からねぇ理屈をこねなきゃ推奨することのできないクソったれアイテムがマスクだということがよく分かったね。結局、意味なんてないんですよマスクなんて。

こんなものをいつまでも着用していてはならないのだ。子供を守りましょうよ本当に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?