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私の名前はアナ。十四歳。 知っている事はこれだけ。他の事は何も知らない。 身体(からだ)の…
――バイクとぶつかる! 私はぎゅっと眼をつむった。 ……あれ? ぶつからない。なぜ? …
一体、どういう事だろうか……? ルカが私の眼の前に立っている。 大きくて潤んだ様な瞳、…
二〇〇六年六月十八日、朝の八時三十分十一秒。 今日は日曜日だけれど、私は既に起きてベッド…
――ここはどこ? 様々な色が入り乱れている。 赤、緑、青、黒……様々な色が混ざりながら、…
「よろしいですか、星は引力を持っています。それは理解されていますね?」 「あぁ」 アオノ…
――ここはどこ? 気がつくと真っ白な空間に立っている。 少し眩しい。 足下も真っ白。絨毯の上に立っているようで少し柔らかい。 私はローファーを履いている。 セーラー服は夏服のまま。 風も音もない無機質な空間。 ……ん? 後ろを振り返ると少し離れたところにシンが仰向けに倒れている。 血で染まった真っ赤な顔。 汚れた白い半袖にカーキ色のズボン、カーキ色のブーツ。 ――さっきの姿のままだ。私達はタイムスリップしてはいない! どこか別の空間に来たらしい。 「うぅ…
――足の裏のゴツゴツとした感触。 何だろう? 薄暗くてよく見えないけれど、私の足下にはコ…
二〇一二年十二月二十三日。 雪が降るこの日、長野から東京へ向かう高速道路「中日自動車道」…
――私は座っている。 私は椅子の様なものに座っている。 ……ここはどこ? ……フロントミ…
――おぉ、何だここは? 人がたくさんいる! 紺色のブレザーに赤いネクタイ姿の男の子や女…
――白くボンヤリとした空間。 ……霧がかかっているのだろうか? 周囲の様子が分からない。 …
シンは加速と減速を繰り返し、曲がりくねった坂道をどんどん下っていく。 薄暗く道幅も狭い坂…
9月23日。午後12時50分頃。 私は東京と神奈川にまたがる、とある峠の頂上にいる。 今日は昨日とは違い天気も良く風もほとんどない。いわゆる秋晴れの日だ。 杉の木に周囲をぐるりと囲まれた峠の頂上には茶屋や公衆トイレ、駐車場などが設けられている。 ところどころにハイキングの格好をした人も見受けられる。 私がここにいるのは、もちろんシンがここいるから。 シンはサイクルウェアに身を包み、ロードバイクに跨ったままハンドルに上体を預け肩で呼吸をしている。顎の先から汗が滴り落ち、顔は