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私は十四歳の女の子アナ でも三千年生きています

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アナは十四歳の女の子。 でも、アナは普通の女の子ではない。 アナの姿は誰にも見えない。 アナの声は誰にも聞こえない。 アナに触れる事は出来ない。 アナは齢を取る事がない。 アナ…
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2021年12月の記事一覧

23、ルカの想い

――眩しい!  一体、何があったの? 眼がくらむ。 私は薄目を開けて天を仰いだ。 青空に白…

22、意志の力

――狭い路地。 路地の左右にはネオンに彩られた雑居ビルが並ぶ。 サラリーマン達が赤い顔をし…

21、タケシの殺人~体内ブラックホールの攻撃~

――暗闇。 何も見えない……。 一体、どうしてしまったのだろう?  停電でもしたのだろうか…

20、キレるタケシ。桜木は……

大きな白木のテーブルを男性四人が囲んでいる。 皆、一様に押し黙っている。 私の立っているす…

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19、桜木の恫喝

「どうやって、この落とし前をつけるつもりだ!」   ――何? 私は大きな声にびっくりして飛…

18、黒須タケシとスキンヘッドの男

――バイクとぶつかる!  私はぎゅっと眼をつむった。 ……あれ?  ぶつからない。なぜ? …

17、アナとルカの青春。しかし、その後…

私が南大川駅の改札前に着いたのは十一時四十八分十二秒。 既にルカは私の事を待っていた。 「シン君、何で自転車に乗って来たの?」   ルカはそう言うとクスクスと笑いだした。 「え? ウチから自転車で来てもそう遠くはないから。ちょっと暑かったけど」   私はカゴの中のバッグからハンドタオルを取り出し、顔や首の汗を拭った。 ルカは首を振り笑った。 「そうじゃなくて。自転車に乗ったまま現れるって! なんかヘン!」 そう言うとルカは私の顔を指差して噴き出すようにして笑い始めた。

16、アナの初恋

二〇〇六年七月二十二日、土曜日。 高校一年の夏休み二日目。 腕時計の針は午前十一時三十五分…

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15、追いかけるアナ ~世界を救う為に~

一体、どういう事だろうか……?  ルカが私の眼の前に立っている。 大きくて潤んだ様な瞳、…

14、ルカとの出会い

二〇〇六年六月十八日、朝の八時三十分十一秒。 今日は日曜日だけれど、私は既に起きてベッド…

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13、新たな世界~独りになったアナ~

――体が動かない。 私はうつ伏せの状態だ。 この態勢のまま動けない。 ……いや、動ける。で…

12、体内ブラックホールを除去する方法 ~アナの決断~

――ここはどこ?  様々な色が入り乱れている。 赤、緑、青、黒……様々な色が混ざりながら、…

11、ブラックホールの行く先

「よろしいですか、星は引力を持っています。それは理解されていますね?」 「あぁ」 アオノ…

10、モノノリとアオノリ

――ここはどこ?  気がつくと真っ白な空間に立っている。 少し眩しい。 足下も真っ白。絨毯の上に立っているようで少し柔らかい。 私はローファーを履いている。 セーラー服は夏服のまま。 風も音もない無機質な空間。 ……ん?  後ろを振り返ると少し離れたところにシンが仰向けに倒れている。 血で染まった真っ赤な顔。 汚れた白い半袖にカーキ色のズボン、カーキ色のブーツ。 ――さっきの姿のままだ。私達はタイムスリップしてはいない!  どこか別の空間に来たらしい。 「うぅ…