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【本】実践ウェルビーイング診断⑤~幸福度を上げるカテゴリー(4)

ここまで長々と引っ張ってきた「ウェルビーイング」ですが、一応の締めくくりとしたいと思います。もちろん原書にはもっともっと有用な内容がたくさん収められていますので、ぜひとも続きをお読みいただきたいのですが、今回はその中でもエッセンスの部分をご紹介して参りたいと思います。やっぱりせっかく生活していくわけですから、ウェルビーイングな生き方を目指したいですよね。ようやくそうした心持ちにたどり着けた私としては本当に大事なものに気づいた気がしています。それではさっそくスタートしていきましょう。


大事なのは現状に満足しているか

地位材は「収入力」「財産力」「社会的地位」「実績」からなります。いずれも多かったり、高かった方が幸せだと思いがちですが、実際の金額と幸福度の相関は大きくなりません。それ以上に重要なのは、地位材を日々の生活にいかにうまく使い、満足しているかです。

「実践!ウェルビーイング診断」/前野隆司・太田雄介
~人と会社が幸福になる34のリアル・ノウハウ~より

「足るを知る」ということですかね。他人と比較していてもキリがないですし、羨んだところでその人になれるわけでもないですからね。一方で、理想とする方の「真似」という意味ではなく、「あり方・考え方」を自分の中に取り入れる、というのであればアリかな、と思います。理想とする方(それが歴史上であれ、身近な人であれ)の考え方を学ぶ、真似る、これは私自身も経験があります。きっと誰でも「こうありたい」と参考にしたい方が一人はいるのではないでしょうか?

収入力~収入を幸福につなげるうえで大事なのは「足るを知る」

現在の収入に満足している人は幸せです。ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの研究によると、世帯年収7万5000ドル(約800万円)までは収入が上がるとともに幸福(ポジティブ感情)も向上しますが、それ以上だと収入が上がっても幸福の相関はなくなるそうです。

自分を動かすエネルギーが「足りない」だと、いつまで経っても心は満たされません。「満ち足りている」と実感するまで「足らない」をエネルギーにして頑張るのもいいですが、それがすべてではない、ということです。老子の「足るを知る」という言葉は有名ですが、その後に「努めて行う者は志あり」と続きます。足るを知った上で、志を持って努力すると言うことです。

同上

このダニエル・カーネマン氏の研究結果は非常に有名ですよね。年収800万円以上になると、幸福度が下がるという驚くべきデータ。つねに「もっともっと・・・」では、キリがないということでしょうね。そりゃ、お金がたくさんあるに越したことはないですが、それを使う時間もないほど仕事に追われていたり、使う機会がないとしたら、それはそれで寂しいですよね。お金が少ないのであれば、その範囲内で工夫する。すると、その中で充実した生活ができるよう「考える」ようになるかもしれません。「足るを知る」って大事な考え方ですね。そして老先生によると「志を持って努力せよ」とのことです。これはなかなか難しい・・・(笑)

財産力~「経験」や「時間」を買うことでも財産力は高まる

財産の多寡だけで、幸せが決まるわけではありません。金額以上に大事なのが、使い方です。幸せにつながる使い方ができている人は、多くを持っていなくても幸福度が上がります。
幸せにつながる使い方①「他人のために使う」
幸せにつながる使い方②「経験を買う」
幸せにつながる使い方③「時間を買う」
幸せにつながる使い方④「前払い」
幸せにつながる使い方⑤「ちょっとしたご褒美」

同上

私はまだまだ未熟者ゆえに「他人のために使う」という行為がなかなかできず、恥ずかしい限りではありますが、ボランティア活動・奉仕活動等をした後の爽快感は分かるような気がします。また、某クレジットカードの宣伝「お金で買えない価値がある」ではないですが、経験は何事にも代えがたいものですよね。また、タクシーや飛行機・新幹線を使って「時間を買う」ことも時には大切ですね。また「前払い」をしておくことで安心できる側面があるかもしれません。そして最後の「ちょっとしたご褒美」。これが多すぎては駄目ですが、ここぞ、というときは効果的な気がします。さらに、誰かに「喜んでもらう」という行為は心の満足度が高いですよね。

「コスパを追いすぎないこと」も大事!~サティスファイザーとマキシマイザー

一方、お金の使い方で注意したいのが「コスパを追いすぎない」ことです。「サティスファイザー(満足する人)」と「マキシマイザー(最大限やる人)」という言葉があります。

例えば新しい冷蔵庫を買うとします。近くの家電量販店で買って満足できる人はサティスファイザーです。一方、何日もかけてネットで調べ、家電量販店を覗き、最もコスパのよい冷蔵庫を探そうとする人がマキシマイザーです。

両者を比べたとき、幸福につながりにくいのがマキシマイザーです。彼らは調べに調べて最高と思えるものが見つかっても、なかなか満足に至りません。「現段階では最高でも、探せばもっといいものがあるのではないか」と考えてしまいがちなのです。購入してからも「あっちの方がよかったのではないか」と後悔したり、新製品が出たら、それも気になったりしてしまいます。マキシマイザーから見たら「コスパの悪い買い物」をしているサティスファイザーのほうが、実際は幸福を感じやすいのです。

同上

ここは読んでてギクっとなりました(笑)。購入を決めた後に、同じ(ような)商品が自分の買った価格よりも安い値段だった場合、ものすごく後悔してしまう・・・というような経験、ありませんか?私はそういうタイプなので、極力(値段を)見ないようにしています。特にネットショッピングなどではそういうことが多いため、購入ボタンを押したら「終了」。もうそうしたサイトには暫く立ち寄らないよう気をつけています。サティスファイザーでありたいですね。


・・・ということで、今回は「お金」にまつわる幸福度についての話になりました。書店に行っても「収入アップ・・・」の類い、さらにはネットやSNS上でも「稼ぎを増やす!・・・」というような文言が踊っています。それだけ誰もが「お金を増やしたい」と考えているわけですよね。もちろん私もお金が今よりも多く貰えれば・・・と思っていますから、全面的に賛同なのですが、ふと立ち止まって、今回のような「足るを知る」の精神もまた大事なのではないか、と感じました。

森羅万象、お金のことを気にしながら、過ごすよりも、今ある稼ぎでどれだけ豊かな心持ちで生活できるか。こっちの方が、自分自身のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上できるように思います。ま、もちろん理想論ですけどね。街に出れば、購買意欲を誘う工夫があちらこちらにあるわけで、日々葛藤との戦いなわけで(笑)。とはいえ、少しでもここで学んだ内容を頭の片隅に置いておくことで、「幸福度アップ」のヒントになるようと思います。

ということで、ここまでシリーズ化してきた「ウェルビーイング学」も一旦ここで終了したいと思います。また、読み進めながら、学んだことをシェアできればと思います!

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