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【FRIENDS】 Best sitcom EVER!

昨日のマシュー・ペリー氏の訃報を受け、「フレンズ」のことを書き連ねてみましたが、あれから止まらなくなってしまい、引き続き、「フレンズ」ネタを書いていこうと思います。


90年代シチュエーションコメディの金字塔!


なんだか使い古された言い回しにはなりますが、やっぱりこの言葉が相応しいと思います。海外(とくに英米)ではポピュラーなシチュエーションコメディ(シットコム)。簡単にウィキペディアより引用させて頂くと・・・

シチュエーション・コメディとは、コメディのジャンルの一つ。脚本や演出を重視し、状況(シチュエーション)が生み出す食い違いや不条理さで笑いを誘う。以下の傾向にある物語が「シットコム」と呼ばれる。
・主要な舞台が固定。
・主要な登場人物はほぼ一定。(わずかなメンバー変化、ゲストの登場はある)
・連続ドラマだが、基本的に1話だけで内容が完結している。
スタジオに組まれたセットを舞台に複数のカメラで撮影され、一般の観客を入れて観客の笑い声を一緒に収録する技法(ラフトラック)も多く用いられるが、これらはシットコムの必要条件には含まれない。廊下を挟んだ2部屋を舞台とするのが主流で、セットの片側は観客から見えるように壁を作らないことが多い。物語の内容としては、時事性を取り込んだ会話を中心とした構成で作られることが多い。

ウィキペディアより

とのことです。舞台(お芝居)のような感じでしょうか。セットと登場人物が決まっていて、そこで繰り広げられるドタバタ喜劇といったイメージです。

当時は設定がいろいろ斬新だった!

もちろん現在(2020年代)見てみると、あちらこちらで時代を感じさせる部分がありますが、当時としては画期的、というか流行であったり、かなり攻めている設定も数多くありました。例えばロスの奥さんが別の女性と浮気して離婚したとか、チャンドラーのお父さんが後に今で言うトランスジェンダー女性となったり・・・と、これって90年代当時としてはかなりビックリな設定でしたが、割とサラッと表現されていました。

また、レイチェルはコンプレックスだった高い鼻を整形したという設定だったり、モニカも学生時代は肥満で悩んでいてダイエットによってスリムな身体を手に入れた・・・というのも現代だったら、差別的表現としてNGだったかもしれません。他にもこうした容姿や言葉遣いなどを笑いにしたシーンなども現代のコンプライアンス的にはNG内容も多々あるかもしれません。中でもこの6人の親友たちの人種的な論争についても叩かれたように記憶しています。放送が終了してから、今に至るまで再放送されるほど人気の「フレンズ」。放送中ではないもっと後になって、クリエイターの方々がこの問題に関して謝罪をされていたように記憶しています。

90年代と2020年代は違って当たり前

ここは個人的な感想ですが、90年代と現代は異なりますし、無理矢理、ポリティカルコレクトネスを導入するのもな・・・とも思います。繰り返しますが、放映当時と今では感覚が異なるのは当然だと思うんですよね。例えば今の時代にドリフやひょうきん族、とんねるずのみなさんのおかげです、ダウンタウンのごっつええ感じといった大人気コメディ番組でやっていた人気コーナーなんてどれもNGですよね、当時は腹抱えて笑っていたわけですが(笑)

主演の6人はどこか身近で共感できる!

なぜ「フレンズ」が圧倒的人気を得たのか?出演しているキャスト陣の魅力、そして設定や脚本の素晴らしさがあるわけですが、やっぱり登場人物の6人が「どこか自分に似た性格」を持ち合わせていて、共感できたのが大きいと思います。もちろん彼らの性格すべてが自分と同じ、というわけではなく、どこか一部分が似ているな、とかこういう部分に憧れるな、とかそうした気持ちを持ちながら、登場人物たちに親しみを感じ、そして彼らを応援していたのではないかと思います(チャンドラーとモニカのプロポーズシーンでは観客たちの大歓声が聞こえていましたね)。

クリエイターチームが練りに練った珠玉のスクリプト!

たしかDVDのメイキングで見たように記憶しているのですが、「フレンズ」の脚本家たちはチームになっており、皆でブレインストーミングのようにあれこれ意見を出し合いながら、「もっと笑える」台本になるよう練っているシーンがあったように記憶しています。こうしてできあがった台本を役者たちが当日、芝居をしながらもっと良いモノ=笑えるモノにするべく、現場で何度も何度もトライしながら味付けをしていく。現場には実際に観客を入れ、彼らの目の前で芝居をしていくわけですから、受ける・受けないがダイレクトに伝わる。これは文字通り「真剣勝負」ですよね。

英米役者陣の層の厚さを感じることができる

話は変わりますが、かつてNYのブロードウェイでミュージカルを見ていたときのこと。主役を演じていた俳優がソロを歌っていた際に、ラストを外してしまったんです。そしたらなんと・・・拍手なし!!!もちろんその他のシーンでは拍手や歓声を挙げていた観客がシーンと静まりかえったときのことをよく覚えています。これくらいシビアなんだな、さすがアメリカだな、と痛感したシーンでした。もし日本だったら、それでもお情けで拍手くらいはしたのかな・・・という程度のかすれ声だったんですが、拍手ゼロですからね。要は、それだけお客さんたちの目も肥えているということ。面白かったら大歓声だし、つまらなければブーイング。すごくわかりやすいですよね。


主演の6人も当時は駆け出しだった!

これは有名な話ですが、スタート当時はモニカ役のコートニー・コックスが別のドラマ等で話題になっていた程度で、他の5人はまだまだ駆け出しだったというように記憶しています(間違っていたらスミマセン!)その後、レイチェル役のジェニファー・アニストンが一気にスターダムへと駆け上がるわけですが、当時はまだまだ全員が売れっ子というわけではなかったそうです。ですから、彼らとしても「何が何でもこの役がほしい!そして売れるようになりたい!」と本気で思っていたと思うんです。だからこそ、気合いを入れて準備し、そして演技していったのではないかと思うんです。このあたりもキャスティング重視、人気重視、事務所重視な日本のドラマ界とは「ハングリーさ」が異なるのではないかと思う次第です。

エピソードの魅力はまた別の機会に・・・

・・・と、あれこれシットコムと共に「フレンズ」に至るまでの内容ですでにこんなに時間(と字数)を掛けてしまいました・・・(笑)。各エピソードや登場人物の魅力についても語りたかったのですが、それはまた別の機会にということで、今回は大まかな印象論を語ってみました。それにしてもなんで日本には根付かないんでしょうね、シットコム。90年代フジテレビの深夜ドラマで放送していた「やっぱり猫が好き」なんかは面白かったですね、登場していた3人のお芝居が非常に自然でしたし、何より演技の上手な方々だったので、毎回笑わせてもらいました(しかも脚本が三谷幸喜さん!)。

三谷さんつながりだと2000年代に「HR」という作品がありました。実際に観客を入れて、生の笑いを入れた本格的シチュエーションコメディという触れ込みで私も楽しみにしていたのですが、なんていうか、舞台(お芝居)を見ている気分、キャスト陣が皆声を張り上げてオーバーリアクションでちょっと見ていて疲れてしまったんですよね。さらに昨年でしょうか、テレビ朝日系列で「ジャパニーズスタイル」というお風呂屋を舞台にしたシットコムがあり、こちらも楽しみにしていたのですが、やはり声を張り上げる系で、ちょっと残念だったのを記憶しています(どちらの作品も好きだ!という方、すみません、個人的な感想ですので、気になさらないでくださいね)。すごく面白いジャンルのドラマだと思うので、ぜひとも新作ができることを期待しています。


ということで、今のところ「フレンズ」が個人的「Best sitcom EVER!」なわけです。やっぱり製作スタッフさん然り、脚本家チーム、そして役者陣がそれぞれ「良いもの作るぞ!」という熱さを感じさせてくれます。特に初期のシーズン1、2はまだまだ設定が固まっていない部分もあり、荒削りなんですが、それでもシリーズ後半にはない「勢い」とか「若さゆえの破天荒さ」が感じられます。傑作ができる時って、往々にしてこうしたたくさんの要素が見事にビタッとハマった時に生まれるんだろうな、と思います。すでにご覧になったことがある方も多いと思いますが、まだ未見の方がいらっしゃいましたら、ぜひとも見てほしいと思います!



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